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イケポのつくりかた04_デザインのブラッシュアップ

こんにちは。あなたのパワポを簡単な5ステップで改善する「イケポのつくりかた」講座の第4回目です。前回は「情報の整頓」として、4原則に基づく伝わりやすいパワポデザインの作り方を説明しました。今回は「デザインのブラッシュアップ」について説明していきます。

デザインをブラッシュアップしよう

前回お話したとおり、デザインの基本4原則とは「対比・反復・整列・近接」の4つをいいます。このうち、反復(色、形、フォント、画像などの反復により一体性を強化する)のバリエーションを変化させることで、様々なデザインを作ることができます。

ここでは、ビジネスでよく使われるパワポデザインを紹介します。

色のバリエーション

パワポのデザインは3色(背景色+文字色+アクセントカラー)で作るのが基本です。情報量が増える場合にはアクセントカラーを追加します。パワポのストーリー構成を作る上で、伝えたいポイントを大きく3つに絞るほうが分かりやすいので、アクセントカラーも全部で3色までにしましょう。

ビジネスパワポでよく使われるのは「背景:白、文字:黒、アクセント:ロゴカラー」の組み合わせです。ここで背景色と文字色を純白(#FFFFFF)と漆黒(#000000)にしてしまうと、明度差が大きく目が疲れやすいので、プロが製作するパワポでは、少しくすませた色を使います。例えば背景色に純白ではなく、白に近いグレーやベージュを使用したり、文字色に黒に近いグレーやネイビーを使うことで、目にやさしく、プロっぽいパワポを作ることができます。

そのほか学生向けのパワポで授業に興味を持ってもらいたい場合や採用でワクワクした気持ちを持ってもらいたい場合などに、ポップな色やパステルカラーを使用して、アイキャッチを強くする場合もあります。また、営業や広告で使用するパワポで商品やサービスのイメージに合わせ、アースカラー、ネオンカラー、ゴールド等の色が使われることもあります。

図形のバリエーション

パワポデザインで、あしらいや囲みに図形を使うことも多いのですが、ノンデザイナーにおすすめのパワポ図形は「正円・四角形・角丸四角形・三角形・直線」です。その他に、ブロブと呼ばれる液体型や波型の図形も人気がありますが、こちらはパワポのツールよりもWebツールを使った方が作りやすいです。

若い世代は、InstagramやTikTok等のSNSでキャッチーなデザインを見慣れています。よく「昭和のパワポ」として、パワポ特有の図形やテンプレを使ったスライドが揶揄されているのを、ネット上で見かけます。パワポ標準搭載のテンプレは極力使わず基本図形を組み合わせることで、お洒落なあしらいを作りましょう。

フォントのバリエーション

パワポで使用する文字には「情報を伝える」目的のほかに「デザインをつくる」目的でも使用されます。

「情報を伝える」ためのフォントは、基本的に2種類(和文+欧文)までにしましょう。ビジネスパワポでは、どのPCからでも簡単に情報を編集しやすいよう標準フォントを使用するのがおすすめです。

標準フォントにも色々な種類がありますが、一般的には視認性の高いゴシック体が好まれます。和文フォントは「BIZ UDPゴシック・メイリオ・游ゴシック」、欧文フォントは「Century Gothic・Bahnschrift・Arial・Segoe」等を使用すれば、クセのない洗練されたパワポを作ることができます。

「デザインをつくる」ためのフォントは、筆記体等の特徴的なフォントがよく使われます。「Google Fonts」等のサイトでDLしたフォントを画像に変換して、あしらいとして使うことで、センスよく見せることができます。

画像のバリエーション

パワポで使用する画像には、写真・イラスト・アイコン等があります。「写真」と「イラスト」はどちらも情報量が多いので、一つのパワポに混在するとごちゃごちゃした印象になってしまいます。最初に写真を使うのかイラストを使うのか、どちらかに決めてデザインを統一しましょう。

写真・イラスト・アイコンのテイストも揃えるようにしましょう。写真であれば、人物・建物・風景、モノクロ・ツートン・カラーなどのテイストがあります。イラストであれば、線画・アイソメトリック・3Dなどのテイストがあります。アイコンにも、モノクロ・カラー・グラデ、線・塗りなどのテイストがあります。

ここで、写真とイラストは一緒に使わない方がよいですが、アイコンは写真やイラストと一緒に使っても問題ありません。特に色数の少ないシンプルなアイコンであれば、写真やイラストと併せて使うことでデザインのアクセントになり、より分かりやすいパワポを作ることができます。

採用や営業パワポ等でアイキャッチが必要な場合は、背景やあしらいにも人気のイメージを取り入れてトレンド感のあるパワポを作りましょう。「Slidesgo」等のサイトで検索すると、メンフィス/ジオメトリック/ブロブ/グラデ/ネオン/ニューモーフィズム等、様々なイメージのテンプレートが見つかります。

スライドマスターの設定について

スライド全体のベースデザインを反復すれば、統一感のあるパワポが作れます。ベースデザインは、スライドマスターを使って設定できますが、設定が面倒な場合はパワポテンプレートを利用して統一感をだすことも可能です。センスの良いスライドテンプレサイトについては、次の章で紹介します。

デザインの引き出しを増やそう

ここまで、ビジネスパワポでよく使われるパワポデザインを紹介してきましたが、これ以外にも様々なパワポデザインが存在します。

プロのクリエイターであれば、スライドデザインの製作をする際に複数案からなるデザインコンセプトを作って提案していきます。経験豊富なクリエイターであれば、MTGの場でも「こんなデザインはどうでしょう?」と沢山の提案をしてくれます。

クライアントの希望に応じて色々なデザインを提案できるのは、クリエイターが日頃から様々なスライドデザインを吸収して、頭の中にデータベースができているからです。ノンデザイナーであれば特に一からデザインを考えるよりも、センスの良いスライドデザインを多く見て自分のイメージに合っているものを見つけ、それを真似るのが効率が良いです。

センスの良いスライドデザインの見つけ方

スライドのリデザインをしていると、まだまだ「昭和のパワポ」と呼ばれる色数や情報量の多いパワポに遭遇することもあります。こうしたパワポが生まれる理由のひとつには、学校や職場で「センスの良いスライドデザインに触れる機会が少ない」ことが挙げられます。

ここからは海外サイトを中心に、センスの良いスライドデザインが一覧できるサイトを簡単に紹介します。

・スライドテンプレサイト
Slidesgo/SlideModel/Slidecore/SlidesCarnival/SlideMembers/templatezuu/Slidecore/slidesmania/Just Free Slide/slidesmania/showeet

・スライド制作会社事例
The Power of PowerPoint/24Slides/SlideGenius/Mr.Prezident/Presentation Design Co./Bright Carbon/STINSON/プレゼン製作所

・素材サイトのスライド
Shutterstock/FDR/pixelsurplus/creativemarket/rawpixcel/envato
(Presentainmentというスライド制作会社のサイトでも、Shutterstock等でDL可能なスライドデザインをまとめたページがあります)

・その他おすすめ
infograpia(インフォグラフィック)、YouExec(アニメーションスライド)

そのほか、パワポ(プレゼン)インフルエンサーが、Twitter・Instagram等のSNSや、ブログ、書籍等で発信している情報の中にも、センスが良くて真似したくなるようなデザインが沢山見つかります。

センスの良いフリー素材の見つけ方

最近はセンスの良いフリー素材も、ネット上で簡単に見つけることができます。ここでは、おすすめの素材サイトを紹介します。

フリーイラスト素材
・シンプル系
ソコスト/ちょうどいいイラスト/ITG.Digital/Stories by Freepik/unDraw/SHIGURENI/Loose Drawing/illustration kit
・線画
Dimensions.com/SASHIE/Linustock/Open Peeps/Streamline Lab
・可愛い系、その他
/RAddiey.FREE/Mixkit/vector Shelf/Toffu/ILLUST NAVI/oishiso/DOTOWN/Heritage Library/pixelsurplus
・アイソメイラスト
freepik/manypixels/DESIGNS.AI/Tech Pic/Isometric Love
・まとめ
Free illustrations/Craftwork/FDR./ICONS8/blush

フリーアイコン素材
・シンプル系
ICOOON MONO/MATERIAL DESIGN/HUMAN PICTOGRAM 2.0/ピクトアーツ/EXPERIENCE JAPAN PICTOGRAMS/ICONS8
・可愛い系
Graphic Surf/FDR./DrawKit/OWLSTOCK/FLAT ICON DESIGN/Free-icon-rainbow/ICONS8

フリー写真素材
BURST/Unsplash/FIND/47/O-DAN/BEIZ images

その他のツール
お道具箱/BG Jar/fffuel/Haikei/Pigment/palettable/Canva/Adobe Express

フリー素材は沢山あるので、全てを使いこなすのは大変です。検索してみて気に入ったものがあればブクマしておいて、いざというときに使えるようにしておくのがおすすめです。私もすべて覚えきれないので、Twitterの「Moments」機能を使ってまとめています。

まとめ

今回は「デザインのブラッシュアップ」についてお話しました。デザインの基本4原則のうち、どんなデザイン(色、形、フォント、画像など)を反復するかによって、パワポの世界観が変わります。世の中にある様々なデザインを見て気に入った情報をストックし、使いこなせるようにしておきましょう。

次回はプレゼンを成功させるために大切な「ビジョン」を作り込み、パワポを完成させるまでの流れを解説します。いよいよ最終回になるので、楽しみにしていてくださいね。

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