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イケポのつくりかた03_情報の整頓

こんにちは。あなたのパワポを簡単な5ステップで改善する「イケポのつくりかた」講座の第3回目です。前回は、現状のパワポから情報を取捨選択して「情報の整理」をしました。今回は「情報の整頓」方法を説明していきます。

「情報の整頓」とは

「情報の整頓」のステップでは、「情報の整理」で情報量を絞り込んだコンテンツを、どのように「デザイン」するかを決めていきます。情報を適切に整頓することでポイントとなる要素を目立たせ、理解しやすいパワポスライドを作りましょう。

パワポ3要素

パワポの要素は、主に「文字」「写真」「図解」の3つから構成されます。文字(言語情報)だけのスライドよりも、写真やイラスト、図解等(視覚情報)を含んだスライドの方が分かりやすいのはなぜでしょうか。

実は人がコミュニケーションを図る際に、言語情報:7%、聴覚情報:38%、視覚情報:55%という割合で影響を与えることが実験で明らかになっています(メラビアンの法則)。これは、言語情報よりも視覚情報のほうが伝えられる情報量が圧倒的に多いことによります。

短い時間で大量の情報を正確に伝えるためには、文字スライドだけでなく、コンテンツ内容にあわせた写真やイラスト、図解等を含むスライドを加えることで、視覚情報を意識する必要があります。

スライドデザイン

各スライドのデザインは「近接」「整列」「反復」「コントラスト」の4つの基本原則を意識して製作します。

近接(Proximity)
互いに関連する項目は、近づけてグループ化しなければなりません。いくつかの項目が互いに近接しているとき、それらは複数の個別のユニットとしてではなく、1個の視覚的ユニットとして認識されます。近接は、情報の組織化に役立ち、混乱を減らし、明確な構造を読者に提示します。

整列(Alignment)
ページ上では、すべてを意図的に配置しなければなりません。あらゆる要素が、ほかの要素と視覚的な関連をもつ必要があります。整列は、すっきりと洗練された見え方を生み出します。

反復(Repetition)
デザインの視覚的要素を作品全体をとおして繰り返すことです。色、形、テクスチャー、位置関係、線の太さ、フォント、サイズ、画像のコンセプトなどを反復させることができます。反復は、組織化を促進し、一体性を強化します。

コントラスト(Contrast)
コントラストの背景にある考え方は、ページの要素同士が単に「類似」するのを避けるということです。もし要素(書体、色、サイズ、線の太さ、形、空きなど)が「同一」でないなら、はっきり異ならせるということです。コントラストは、ページ上で視覚を引きつけるもっとも重要な要因になることがよくあります。つまり、読者をまず読む気にさせるという働きをするのです。また、情報をより明確に伝える役割もします。

ノンデザイナーズ・デザインブック

まずノートでスケッチする

「情報の整理」ではノートを開いて項目を書き出し、そのあと不要なパワポを削除しました。「情報の整頓」でも、まずノートを開いて各スライドのおおまかなデザインを下書きしてから、パワポ製作にとりかかりましょう。

パワポ3要素(文字・写真・図解)のうち、どの要素を使ってパワポ製作するかは内容によって異なります。ここで、パワポ要素ごとによく使われるコンテンツの内容を例示するので、参考にしてみてください。

・文字のみ
「タイトル・まとめ・結論」など、重要な文字情報に注目させたい場合は文字情報のみのスライドを使います。

・写真+文字
「ビジョン・未来」を語る時に、言葉では語りつくせないイメージを伝えたい場合は写真と文字を用いたスライドが有効です。

・図解+文字
コンテンツ本体の「概要・詳細」を伝える際、複数の情報の因果関係を説明しやすいのが図解です。

使用するパワポ要素を決めたら、どのようにデザインするかを決めて、ノートにスケッチしてみましょう。だいたいのスケッチができたらパワポを開き、下書き通りにスライドを製作していきます。

パワポデザインの基本

パワポデザインのテクニックは膨大にあり、全て意識して製作するのは大変です。ここでは、洗練されたパワポデザインを作るために必須の「パワポデザインの基本」を簡単に紹介します(重要で奥の深い項目が多いので、詳しくは別記事にまとめます)。

近接(Proximity)

・意味のまとまりでグルーピングする
パワポ3要素(文字・写真・図解)を、意味のまとまりごとに近接させることで、情報の固まりとして視覚的に認識しやすくなります。

・余白をつくる
余白のない資料は、情報の内容や意味のまとまりを認識しづらくなります。余白を作ることで、読みやすく理解しやすいデザインにしましょう。

整列(Alignment)

テキストを揃える
テキストボックスの大きさを揃えて「図の形式→配置」でテキストの位置を揃えましょう。複数のテキストボックスが並んでいる場合は、縦横のラインを揃えたうえで「文字の配置」「行間」「余白」等の設定も揃えると、さらに洗練された印象に仕上がります。

・図形を揃える
テキストだけでなく、囲みやあしらい等も縦横のラインをきっちりと揃えましょう。

反復(Repetition)

・ベースデザインを揃える
スライド全体のベースデザインを反復することで、統一感のあるパワポを作りましょう。ベースデザインは、スライドマスターを使って設定する事ができます。設定が面倒な場合はパワポテンプレートを利用して統一感をだすことも可能です。

・あしらいや図形を揃える
スライド内で使用するあしらいや図形が揃っていないと、違和感が生まれます。四角形・角丸四角形・円形・三角形などのあしらいや図形を使う場合は、できるだけ形を揃えて使いましょう。

・色やフォントを揃える
パワポの色は基本3色(背景+ベース+メイン)で作りましょう。情報量が増える場合にはアクセントカラーを2色まで追加しても構いません。
フォントは2種類(和文+欧文)までにします。和文フォントは「BIZ UDPゴシック・メイリオ・游ゴシック」、欧文フォントは「Century Gothic・Bahnschrift・Arial」等、パワポに最初からインストールされている標準フォントを使用するのがおすすめです。

・サイズを揃える
PCでプレゼンするためのパワポであれば、スライドサイズは16:9が推奨されます(標準の4:3は、一昔前のPC画面を想定しているので古い印象になってしまいます)。

コントラスト(Contrast)

・アクセントカラーで強調する
並列項目の中で強調したい項目があれば、アクセントカラーで目立たせることができます。「Before/After」の「After」部分を目立たせる、いくつかある料金プランの中でおすすめのプランを目立たせる、等の場合にも使いやすいです。

・フォントサイズや太字で強調する
特に目立たせたいタイトルやキーワードは、フォントサイズやフォントカラーで強調します。文章の中でポイントになるキーワードはフォントサイズでなく太字で強調したほうが見やすく、おすすめです。

まとめ

今回は「情報の整頓」をすることによって、パワポ3要素(文字・写真・図解)の配置を決めて、短い時間で理解しやすいようなスライドデザインを作る方法について説明しました。

美しいパワポは、必ず「近接」「整列」「反復」「コントラスト」の4つの基本原則に基づいてデザインされています。パワポデザインのテクニックは膨大にあるので、ノン・デザイナーの方は「パワポデザインの基本」からマスターしていきましょう。

ここまでの内容を覚えて現状のパワポを修正することができていれば、かなりパワポレベルが上がっているはずです。次回はパワポデザインをさらにブラッシュアップして、聴き手に印象付ける方法をご紹介していきますので、楽しみにしていてくださいね。


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