速度の違い
私の仕事の仕方は、作品の制作のみならず多くの場合いろいろなものが同時進行になりやすい。1つ1つを終えて次にいくというタイプではないのです。だからレジデンス中の広いアトリエがありがたいし、一度この良さを味ってしまったら今後が怖くもあるのですが。
レジデンス中同時進行なのは「放埒組」と読んでいる、パネルとキャンバス7枚横並びのものと、緻密組と読んでいる石の標本のような細かいものがたくさん並んだ作品。それを交互に作りつつ、紫の豆っぽいペーパーマッシュの作品。
放埒組は気合を入れて描き、並べ替えまた次を描く。速度は速い。こういう制作は久々なので、筆が進むのも嬉しいけどすべりすぎないように、調子に乗って描きすぎないように注意。少し間を置くのも大切、と思いながら。
その間に細かいパーツに紙を貼る緻密組の制作。これは思ったよりも時間がかかり、チマチマと地道な作業。この2つの行ったり来たりの間に、ギャラリーに飾って後ろに下がっては見てあれこれ考え、こんなに最適な状況がいまだかつてあっただろうかという感慨を持ったりしています。
実は緻密な作業をしているときが最もラジオ時間に最適。もちろん音楽オンリーでも良いけど、ラジオの気に入ったプログラムがそれとなく流れている方が良い気がします。
紫の豆っぽいのは、全体の組みが終わって、微調整と展示のための工夫をしてからいよいよ深めていきます。あ、もちろん他の作品も日々ちょっとずつ目指す「ある深さ」に向かって進んでいるわけですが。
ここで2日目終了。今日は朝9時過ぎからはじめて約11時間。長いようで短い1日でした。