藤巻製陶_佐賀_工芸思考
1775年には有田での開窯が確認されている
磁器の窯元、藤巻製陶。
とても目立つフジマキの煙突を
サンタクロースがよじ登ってました。
地元の電力会社さんが忙しくないときに頼んでサンタさんを設置してもらうそう。
技術の流出を防ぐために、お上の意向で
分業制で有田焼の産業は育ち、江戸の鍋島藩が定める17窯場のひとつが藤巻製陶でした。いまは一貫生産で、白磁や青白磁等の淡い青みがかった釉薬を施した磁器を主に制作しています。
いまや藤巻製陶を知らしめる青白磁は、先代(九代目)が
絵付師不足の高度経済成長期の日本の状況をふまえ、
産地内での差別化を図るために珍しい技法を勉強し開発したもの。絵付けが要らない、キレイな器を作ろうという意図。
分業制の有田で一貫生産の設備を揃える、代によって新製品を開発したり特技を活かして作風を変えたりするなど、藤巻製陶は絶えず変化をしてきました。
十代目の 藤本 浩輔 さんは、技術屋。生地製造の能力に磨きをかけ、様々な成形の依頼に応える体制を整えたいと語ります。
現代のライフスタイルに沿う有田焼ブランド「1616/」の制作では、どんな難しい要求にも挑戦しようと、培ってきた技術や知識、実際の試みを元に、国内外のデザイナーとのコラボレーションを形にしていく。
その信頼と実績により、OEMの注文が多く、海外の有名ブランドからの引き合いも多い。
ただ、藤本さんが気になるのは、磁器は原料を外部に頼っているため、産地をどう支え、ものづくりとして魅力的な環境をどう維持していくか。
その視点の高さ、大きさに、
代によってダイナミックな挑戦をしていく藤巻製陶の懐の深さを感じ入るのだった。
サンタクロースだって、きっと地域で楽しみにしているひとのため。
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