相続相談の現場からお伝えします
現在その家に住んでいる人が建物の所有者とは限らない。
先日、空家問題について記事を書きました。
もうすぐ法律が変わります。
今まで相続が終わってなくてもそこまで問題にならなかったことが
「相続登記の義務化」が始まることにより、様々な問題が出て来ます。
相続人を探せ!
おじいちゃんが亡くなって、お父さんが亡くなって、その家に住んでいるのは息子。
今までは家の所有権がかなり前に亡くなったおじいちゃんのままというのも普通にありました。
「家を売りたいんですけど・・」と相談を受けて、調べてみたら・・・・
名義がおじいちゃんのままだった。
この場合、家を売るためには相続登記が必要になります。
何故、相続登記をしないと家を売れないのか?
今の状態では、息子には所有権がないので、売買をする権利がありません。
だから、息子が家を売るためには相続登記をして、息子が所有者になる必要があります。
このため、相続登記が必要になるんですが、これが一筋縄ではいかないことも多々あります。
なぜなら、おじいちゃんが亡くなった後の相続人は、お父さんだけではないからです。
先ず、おじいちゃんが亡くなった後、相続人はお父さんの兄弟姉妹みんなです。そして、みんなに相続権があります。
ここでお父さん含め兄弟姉妹が3人とします。
そして、お父さんの兄弟姉妹がまだ存命ならいいんですが、多分もうお亡くなりになっているので、相続権はその下に行きます。
つまり、兄弟姉妹の子供が相続人になるんです。
一体何人いるんでしょうか?
それぞれ子供が3人いたら、3×3で9人が相続人になります。
1人は自分(息子)、2人は自分の兄弟、残り6人分は従弟。
その全部の印鑑がないと相続登記が出来ないんですよ。
最初に「家を売りたい」と相談に来た人の所有にするためには、法定相続人全員の印鑑が必要です。
この時、相続人を探して印鑑をもらうのは司法書士の仕事になります。
が、このうち1人が海外に住んでいる。
なんてことになったら、家を売れる状態になるまでどれだけかかるか分かりません。相続登記が終わってないばかりに売れなくなっている土地や家は結構あります。
相続人は誰なのか?
相続人が行方不明
親戚の話なんですが、山の所有者が亡くなったお祖父さんになっていました。お父さんも既に亡くなっています。
この際、相続登記をしようと思ってちょっと調べてみたら・・・・相続人に失踪している人がいました。
生死が不明な失踪は相続において、非常にやっかいです。行方不明だからと言ってその人がいないままに法律行為は行えません。
ということで親戚の山はそのままになりました。今もお祖父さんの名義のままです。
「相続登記の義務化」は2024年度までに施行される制度です。
まだもう少し猶予がありますね。
相続が終わってない不動産をお持ちの方は、義務化になる前に相続登記をおススメします。
最後に、うさぎ親父の相続についての本です。
相続についての勘違いや記憶違い、あるいは「都市伝説」のようなデマによる悩みを解決する本です。
基礎的な知識を、わかりやすく説明しました。
「相続対策と相続税対策は違う」「相続権のある人、ない人」「遺言書の決まりごと」などをきちんと解説します。