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これは必ずやる!薬局薬剤師は縦より横の繋がりをつくったほうがよい(有給休暇中 その9)
このnoteを開いていただきありがとうございます。
薬剤師のくみと申します。私は大手調剤薬局に13年勤務し、ありがたいことにエリアマネジャーにまで就かせていただきました。
そんな私がその地位を捨て、地元秦野市の在宅医療を推進するために10月31日をもって退職します。今は11月1日からの勤務に向けて、1ヶ月間有給休暇を取得中です。
この1ヶ月間、何かやりたいなと思い色々考えたのですが、とりあえずこの13年間を振り返り、私が大手調剤薬局で得た「学び」や「気付き」を発信したり、有給休暇中に感じたり、考えたりした事を自由に表現するためにnoteに挑戦してみようと思い、今書いています。
あまり固くならず、シンプルにやりたいなと思ってます。文章を上手に書く自信はありませんが、もし少しでも目に止まり、興味があって読んでいただけたら幸いです。
さて、9回目となる本日ですが、テーマは
「これは必ずやる!薬局薬剤師は縦より横の繋がりをつくったほうがよい」についてです。
訪れた壁!!
私は13年薬局薬剤師として勤務しておりますが、そのうち30才からの5年間は在宅医療に携わっておりました。近隣クリニックが在宅に取り組み始めて、それと一緒に薬局も始めたという流れです。
・在宅医療ってまずは何から始めればよいの?
・在宅の算定要件って何?
・お薬をお届けするにあたり移動手段はどうする?
・計画書と報告書ってどうやって記載すればよいの?
などなど、本当に0からわからない状態で始めました。それでも自分で調べたり、社内の先輩に質問したりして、受付から計画書作成、患者様のご自宅へお薬をお届け、報告書作成など流れはつくることは出来ました。
ありがたいことに、個人宅の患者様が最初1~2名でしたが、私が薬局長として管理していた5年間で30~40名前後までスタッフ一同力を合わせて応対することが出来ました。
そんな中、近隣クリニックより一本の電話が鳴りました。
「くみさん。中心静脈栄養の患者と、末期のがん患者様を今後受け入れたいんだけど、クリーンベンチ用意出来る?
「・・・・ちょっと確認させてください」
がちゃ(電話をきる音)
「やばい。。。無菌調整の依頼だ。。。」
まずは、上司に相談。クリーンベンチの設備投資に関しては、なんとかすると言っていただきました。幸いにも薬局内のスペースに余裕がある場所があったので、そこに配置することで無菌調整できる環境は整えることが出来ました。
問題は、実際に調剤するやり方やレセプト入力方法がわからないことでした。
大手調剤薬局と展開している会社内部でも「無菌調整の対応を知っている人」がいなかったので。
ネットでも色々調べましたが、いまいちよくわからない。。。クリニックからはいつから受け入れ可能かと確認のご連絡がくる。。
正直、薬局長としてこの対応は胃に穴が空くんじゃないかと思うくらい、プレッシャーに押しつぶされそうになってました。
そうだ!!縦がだめなら横に聞けばいいじゃん
私は途方に暮れてました。だらだらやっていてはクリニックの信頼を失いかねない。会社にはわかる人はいない。どうすればいい、どうすればいいと必死で考えていたときに閃いたんです!
「そうだ!社内で駄目なら、同じ地域にある他社の薬局の方に聞いてみてはどうだろうか」
私は初めてこの地域に異動してきて、薬局同士の繋がりが無いなと思っていました。
前任者の薬局長からは、大手調剤薬局は薬剤師会から煙たがれるよ(笑)と言われてました。前任者がどういう対応を受けたか分かりませんが、自分から足を運んで薬剤師会の集まりにはいかない方でした。
しかし、私は地域医療の質を高めるには薬局間連携が必要だと考えていました。縄張り意識が嫌いで地域にある薬局全体でより良い医療を提供すればいいと思っているからです。
そこで、外にでて他社薬局同士で1ヶ月に1回勉強会をして交流を深めてみてはどうかと考え、実行していました。
前任者の言ったとおり、大手調剤薬局の薬剤師ということで、人生の大先輩である薬剤師の先生の反応はとても冷たかったのですが、私と同じぐらいの中堅薬剤師の方は、参加していただき横の繋がりを構築していたのです。
話は戻りますが、そんなこんなで藁にもすがる思いで、その薬局に連絡。事情を説明すると
「無菌調整対応やったことあるから、全部わかるで!教えたる!」
がちゃ(電話を切る音)
「ありがてぇーーーーーーーーー!!」と薬局で叫びました(笑)
保険請求、特定保険医療材料など無菌調整で知るべき知識を習得!
早速、若手薬剤師2人で、その方の薬局に向かって色々教えていただきました。
・無菌製剤処理加算を算定する際のポイント
・特定保険医療材料のレセプト入力の仕方
・高カロリー輸液とセットで処方される、ルート、フーバー針、カフティーポンプの使い方
などなど
私がこれから対応する患者様で、すべて必要な知識でした。自分で1から調べ、習得するまでに何日もかかったと思います。けど、わずか数時間で習得出来たのです。
この薬局は区は違いましたが、いやな顔ひとつせずに貴重な時間を割いて教えてくれました。本当にありがたかったです。
この経験があり、社内での繋がりをつくることも大事だが、社外でも横の薬局間同士の繋がりってとても大切なことだと思いました。そして、レバレッジをかける上でも重要だと思いました。
近隣の区や市内にある薬局で、すでに在宅医療に力を入れていて経験や知識、ノウハウをもっている所はあると思います。自分や社内で聞いて分からず調べるより遥かに早いし、確実です。
ぜひ、繋がりをつくって学ばせてもらいましょう!
それからは薬剤師会の集まりにも積極的に参加して、顔を覚えてもらうようにしました。勉強会にも参加し、また開催することで横の繋がりをつくる活動にも力を入れました。
この活動が広まり、薬局の名前が少しずつ他職種に知られるようになり、在宅対応できるのは○○薬局で、担当者はくみという薬剤師という名前も広がりました。
訪問看護師さんやケアマネジャーさんからの直接の依頼も増えましたし、基幹病院の薬剤部長さんとも挨拶することができ、退院時カンファレンスにも呼んでもらえるようになりました。
1人では何も出来なかった自分ですが、周りの方に助けてもらい何とかクリニックの依頼に応えることが出来ました。
いかがだったでしょうか?
みなさんは同じ市またや区で何軒薬局があるかご存じですか?その薬局で働いている方を何人ご存じですか?
・社外だから知らない
・どうせ付き合いなんてないし
・薬剤師会に入って活動しても無駄
と思っている薬剤師の方は多いのではないでしょうか?
しかし、横の繋がりをつくったことで、自分も在宅医療を学べましたし、結果的に薬局の利益UPにも繋がりました。最高のレバレッジがかかったのです。
薬局の外にでることに抵抗を感じる人がいると思います。おそらく相手の薬局もそう思っています。
それでも自分で勇気をだして一歩を踏み出してみてください。
薬剤師としてきっとやりがいのある仕事に繋がるものがそこにはあります。
ぜひ、あなた自身の手で掴みとり、体験してみてください。
私のこのnoteが皆さんの「気づき」と「学び」に繋がり、明日からの仕事にお役立ち出来れば幸いです✨
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