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行列が出来る店から学ぶ、かかりつけ薬局・薬剤師の在り方
このnoteを開いていただきありがとうございます。
薬剤師のくみと申します。私は大手調剤薬局に13年勤務し、ありがたいことにエリアマネジャーにまで就かせていただきました。
そんな私が安定な地位を捨て、高齢者が多い地元の在宅医療を推進するため退職しました。2020年11月から薬局長として地元で在宅医療を専門に対応している薬局で勤務してます。
薬局を利用した全ての方が「また利用したい」と心から思える薬局つくりを目指してます。
さて、20回目となる本日のテーマですが
「行列が出来る店から学ぶ、かかりつけ薬局・薬剤師の在り方」についてです。
凄く主観が入っておりますが、私の考えていることをまとめてみました。
私の地元は都会ではなく、どちらかといえば田舎です。田舎や地方で暮らしている方にはわかると思うのですが、何をするにも車が必要です。
車が必須なのでガソリンスタンドが周りにたくさんあります。
車やトラックの往来が多い国道246号線が近くに通っていることもあり、大手のガソリンスタンドもたくさんあります。
そんな中、国道から離れたら町中に「行列のできるガソリンスタンド」があるのです。
特に安いわけではなく、見た目も特別な違いを感じたわけではないが、国道近くに他のガソリンスタンドがあるにもかかわらず、なぜか、その店だけに行列ができている。
休日になると、イヤと言うほど並んでいます。
私は興味からそのガソリンスタンドを利用してみることにしました。
そこには「行列ができる」納得の理由があった
そのガソリンスタンドは、昔のガソリンスタンドのように、人が張り付き、ガソリンを入れてくれるのはもちろん、窓を拭いたりなど、丁寧なサービスが受けれる。
更には、ウインドウォッシャー液を無料でいれてくれて、エンジンオイルの確認もしてくれて、汚れていると
「すぐできるので交換をしておきましょうか?」
と声をかけてくれる。もちろんお金は取られるが、なんとなく「お願い!」と交換をしてしまう人が多そうです
更には、エンジンオイルが汚れていないときは、
「次回のために割引券を渡しておきますね」
と言って〇%オフの割引券をくれる。
すると、お客さんは相当な確率で、オイルを入れに戻ってきてくれるとのことです。
昔ながらのサービスをしてくれるガソリンスタンドと言う感じでした。
ただ、今現在、セルフのスタンドも増え、効率や生産性ばかりを追求して、どこにいってもガソリンを入れるだけの、同じようなスタンドになっていく中、このスタンドは、それを逆手に取り、昔ながらの丁寧なサービスを提供しているところが、お客様のツボにはまっている。
特に都心を離れると高齢者ドライバーも増え、こういったお店が受けるのかもしれない。
行列の出来るガソリンスタンドから学んだ、かかりつけ薬局・薬剤師の在り方
私はガソリンを入れにいくのがめんどくさいと思っていたが、ここのガソリンスタンドは面白いし、サービスも良いので利用することにしました。
ここで気づいたのです。かかりつけ薬局の在り方として学ぶべき点があるのではないかと。
今や薬局の数は50000件を超え、コンビニより多いと言われてます。Aという名前の降圧薬はどこの薬局でもらっても同じ効き目です。商品で優劣がつかなければ、病院から近い立地で集客を目指す、待ち時間を減らす等は、戦略としては有効です。
このビジネスモデルが、病院の前に複数の薬局が立ち、処方せんを集め、お薬を渡すということが成り立ってしまうのです。
しかし、このガソリンスタンドの様に立地ではなく、医療従事者としてお薬のプロである薬剤師のサービス、医療提供施設としての薬局のサービスで価値を提供し、差別化をしていく必要があるのではないかと思うのです。
・新しく処方されたお薬を渡した後に、効き目や副作用が出ていないか後日確認する
・薬局内で、子育て中の両親対象に子供のお薬講話を開いてみる
・骨密度測定、血管年齢測定器を置き健康相談にのる環境を薬局内で整える
・老人ホームや介護施設でヘルパーさんに向けお薬についての講話を行う
上記内容を取り組んでいる薬局はすでにあります。
処方せんが無いため利益が出ない取り組みかもしれません。しかし、丁寧なサービスに患者様や利用者は感動し
・次はここの薬局に処方せんを持ってこよう
・この薬局の、あの薬剤師さんから市販薬を買おう
・サービスがよい薬局だから友人に話そう
等々、後から成果に繋がる素晴らしい取り組みだと思います。
決断は間違ってない
私が大手調剤薬局を退職した理由に、処方せんを1日40枚以上さばけ、待ち時間を1人あたり15分以内にしろ、人件費が高いから人を減らす、薬歴残業をするな等、利益と効率重視の取り組みに違和感を覚えてしまったことがあります。
もちろん株式会社で上場してれば利益を出すことは必須です。会社を存続するためには利益をだすのは当然だし、綺麗事を言うつもりはありません。
薬剤師のミッションは薬剤師法第1条にこうあります。
調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする
国民の健康な生活を確保する。これを軸に価値を提供していきたい。
そんなの綺麗事だと言われるかもしれませんが、「綺麗事を言って何が悪い」と言い返します(笑)
ビジネスではよく言う話みたいですが、人と同じことをしていてもだめとのこと
商売は、常に、お客様が他店ではなく、自分のお店に来てくれる理由、他社ではなく、自社の商品を買ったり、サービスを使ったりしたくなる理由を、常に提供し続けなければならない。
あなたの会社とお客様が付き合う理由はなにか?
あなたの会社の商品やサービスを使う理由は何か?
同じ利益を出すのなら、薬局、薬剤師という専門性を駆使して、患者様または利用者に、向けて価値を提供していきたいなと思います。
私は11月から勤務し始めました。在宅医療を専門に受けているので外来患者様は少ないです。
それでもかかりつけ薬局・薬剤師の推進のために、利用していただけた全ての方に顔写真名刺を渡して顔と連絡先を覚えていただこうと思ってます。
田舎で小さい地域ですが、スーパーで買い物していた時に声をかけてもらえることを目標にしてみます
小さな取り組みですが、一歩一歩コツコツとやっていこうと思います✨
いかがだったでしょうか?
このnoteが皆さんの「気づき」と「学び」に繋がり、明日からの仕事にお役立ち出来れば幸いです✨
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![薬剤師くみ(在宅薬剤師×元大手調剤薬局エリアマネジャー)](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/49335249/profile_a23feeadcf8aac9459e78f0e5f1f07ee.png?width=600&crop=1:1,smart)