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狙われていた“玉木雄一郎”


「そりゃ狙われるよね」
特別国会開会日、初当選で嬉しさあふれる新顔の中を縫うように近づいてきた古参の秘書がこう言った。「財務省を怒らせたよなぁ。これだけじゃ済まないって話も出てるってさ。」「それにしてもこのタイミングは最悪で最強だよな」

11月11日㈪朝。玉木雄一郎氏が週刊誌に報じられた女性スキャンダルで開いた謝罪会見。ご覧になった方も多いのではないでしょうか。玉木氏は会見の中で、先週金曜日にこの記事が出ることを知った、家族に謝罪した、叱られたと話していました。先週末から元気が無かったのはこのことだったのですね。さすがの玉木さんも選挙の疲れが出たのかと思っていましたが。

選挙が終わっても玉木一色

選挙期間中の玉木氏は、後半になるほど笑顔にも力が増していました。最終日の大阪では、応援演説に来る玉木雄一郎を見に来た人で歩道橋にまで溢れるほど人が集まっていました。
選挙が終わっても玉木フィーバーは熱を発し続け「負けた自民党より、野党第一党より玉木雄一郎」的なムードが続く中、首班指名という総理大臣を決める特別国会で「誰の名前を書くか」とのインタビューに「1回目も玉木雄一郎、二回目も玉木雄一郎」と本人が答えていました。私が生放送のテレビ番組で「それは裏自民党ということですよね」と言ったことへの怒りのSNSにも人気の高さを伺えました。

準備されていたスキャンダル


FNN報道から

でも、このスキャンダルは随分前から準備されていた気がします。地元高松の方には目撃情報もあり、知れた事実だったようです。取材さえ整えればあとは写真で読者にリアリティを突き付けたらスキャンダルの出来上がり。記事のそこかしこに玉木氏の後をつけ影から写真を撮り続けた跡がみられます。

玉木氏を恨めしく思うひとにとってはこのタイミングが最良の時だったでしょう。総理大臣を決める日にぶつけることができれば、首班指名に「玉木雄一郎」は書きにくくなりますし、将来の総理の芽を摘むのも今ならここがポイント。準備されていたとしか考えようがありません。

謝罪会見でもやはり脇が甘かった玉木氏

玉木氏の謝罪会見。コンサルが入っていたことは、玉木氏の手元の想定問答でバレてしまいましたが、その作り方は定番でした。

ダークグレーのスーツに白シャツと無地のネクタイ。国民民主カラーの黄色とブルーのストライプネクタイはしていませんでした。今回の謝罪会見は議員個人のもので、政党とは切り離したい。その明確な意思表示と受け取れるでしょう。引き算も含めて「謝る姿」はまぁまぁ。会場の設営は、記者席の他ご自身は終始立ち姿で質問に答えるスタイル。。謝罪会見の基本スタンスは、「今日雨が降ったのも自分の責任」と言い切る、自責で挑むのが必須ですから、どの質問にも「全て私が悪い」と言い切るスタイルも減点ナシ。答えられないのは、相手のプライバシーにかかわる部分と、奥様との個人的な内容に関する部分と切り分けていて、歯切れは悪くありませんでした。私も謝罪会見のプロとして、ここまではOKを出します。

残念な減点ポイント


FNN報道から

ただ、一点。謝罪会見は1回で完璧に終わらせるのが100点なのですが、玉木氏にはマイナスポイントがひとつありました。それは、相手の女性に関して自分の気持ちを言葉にしなかったことです。どこに魅力を感じたのか、なぜ惹かれたのかなど、ご自身の感情の範囲内のことは、答えられなくはなかったはず。聞く側も遠慮したかのようには見えましたが。ここが、モヤモヤするところです。特に国民民主の支持者層でもある30代以降の特に女性ではないでしょうか。特に相手の女性側に気持ちが持っていかれる同世代の女性には、同情が寄せられるのは避けようがないでしょう。あたかも自分が責められているかのような気がするのではないでしょうか。今日以降、相手の女性は世間から厳しい声を浴びせられることになるでしょうから。
今後も質問されそうな部分を残したのは痛恨のミス。

39歳・独身・女性という社会的立ち位置


議員食堂のテレビにて。右端が投票を終えた玉木氏

相手の女性は高松観光大使も務めておられたそうですが、この仕事はもうできなくなるでしょうし、他の仕事もやりにくくなるでしょう。そうと思うと気の毒な気もします。バレないように見つからないようにトイレに隠れたりしていたのは、その危険性を頭では理解していたからでしょう。悪いことをしたのだから当然のことなのかもしれませんが、女性の年齢を考えると、何か気の毒にも思えます。

39歳というと、子どもを産まないにしてその最後の境目の決定をする年頃。そして、今後も肌を露出する仕事のままで生きていけるはずはなく、仕事をどの方向でもっていくか、来る仕事とやりたい仕事の悩みもあったでしょう。私がなんとなく嫌だと思ったのはこの点です。

男性にとって「都合がいい」女性

女性のこの弱点が、玉木氏にとっては都合が良かったのではないかと思ってしまうことです。この女性はこの記者会見を見て寂しかったでしょうし、奥様は情けなかったでしょう。これまた私の悪い癖、深読みすぎではありますが、相手への気持ちがどうだったのか、個人的な感情ではありますが、便利に使っていただけなのか好きになってしまったのか、私があの場の記者だったら聞いてみたかった点でした。

SNSから拾い画像

浮気もダブル不倫も性癖も、個人的なことが社会を揺るがすことに直結するのはおかしいと思っています。だから、こんなこと、ご家族で話し合えば済むことです。でもそれだけを言っていたら、相手の女性だけが使い捨てられたまま悪く言われた気がして、なんとも気の毒にも思いました。

どちらにしても、今回のことは無かったことにはなりません。さて、首班指名も2回目の投票となりました。無効票が84票。こちらも前代未聞。
野党の分断に成功した石破茂氏が再び総理大臣へと。
さて、本件で得をしたのは誰でしょう。

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