謝罪会見を泳ぎ切る ー言葉と覚悟ー
謝罪会見での失敗例として、選び方と服装の選び方について豊田真由子元衆議院議員の例で、2回に分けてお話ししてきました。この方を例に選んだ理由は、ご本人が、注意深く選んでいる会場、服装、言葉のそれぞれが、やってはいけない例に挙げられる教科書事例だったからです。
謝罪会見の原則
「謝罪会見」というと、お偉いさんやその当事者が一列に並んで長々と頭を下げるもの、というイメージが固まりつつありますが、そこに落とし穴があることを知らなければなりません。ワイドショーなどでも、何秒頭を下げたのかを評価されます。でも大切なことは、秒数でもなければ「一列に並ぶこと」でもありません。最も重視すべきは、謝罪される側が「謝られている」と実感することです。そのため、会見場の背景となる壁紙の色や柄、会場案内や司会の服装も重要な要素となります。
さらに、忘れられがちなのが、その会場にいる記者たちがどう思うかです。当然ですが、記者は仕事でその場に来ています。謝罪会見を開きますという案内を見て、指定された場所に指定された時間に来ています。記者たちはその時間を選ぶことはできません。だからこそ、発表してから記者会見場まで駆けつけるための移動時間を含めて常識的な時間帯に開催することが必要なのです。「早い方が良いから」「この時間帯にすると夕方のニュースに載らないから」「記者たちに来てほしくないから」などという理由で、告知直後に会見を開いたり、会見場を地方にしたりするなど、不便な要素を付け加えることは絶対にしてはなりません。この点も豊田真由子元議員の会見の設定の仕方が間違っていました。
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