偏見で曇っていた眼鏡 ~シャウトするイスラム教国の女性に気づかされたこと~
行ってみたかったけど行ってなかった地域や島や国に行けるなら行こう、と思いついたワーケーション
観光とか大げさなこと考えず、仕事をしながら一日を過ごし、仕事終わったら外に出て、その地域をのぞき見するという程度の旅は、4日もあれば疲れずに過ごしてこられます。今年の8月からは、オーストラリア(まだ書いてない)、ベトナム、そしてこの旅となりました。
今回は、
仕事終わりに成田を出発し、到着したのは夜中のマレーシアの首都クアラルンプール空港。
到着後の入国手続きなどは20分程度でサクサク進み、予約していたタクシーを探しに空港ビルの自動ドアを出たとき、一瞬でメガネが真っ白に曇りました。
湿度が高く、気温は30度。もうじき11月というのに、蒸し暑い夜でした。
👓
ムワンとした空気に包まれ、頼んでいたタクシーをみつけてホテルへ。
ホテルは中心街にありながら落ち着いた雰囲気で、真夜中なのに笑顔で迎えられてホッとして部屋へ。
泊まる部屋ではいつもの通り「お部屋さん宜しく」のご挨拶をします。
四方向へパンパンッ!!!!と柏手を打つのが私のきまり。気休めでしかありませんが、いつもどおりにすると、その部屋が私の部屋になる気がします。
次もいつも通り。
トランクからシャンパンを出して、
ホテルに頼んでいた氷が入ったアイスペールへどぼん。
さっさと荷解きして、PCを机に置き、コードを繋げ、着替えをクローゼットに掛けて、バスルームにはいつものシャンプーを並べ、化粧品もそこに並べます。
トランクを空にしたらシャワーをあびて、
私の部屋になったソファで
乾杯
🥂
その日はもう午前3時をまわっていたけど
東京に居てもそんな日はあるし、気にせず4日間楽しもう♪と思って眠りました。
🍾
私は、実はイスラム教の国には、少し抵抗感がありました。
それは紛れもなく宗教の歴史やその戒律の厳しさからくるイメージに対してです。
イスラム教徒の女性は、ヒジャブと呼ばれるスカーフを被り、スカートやパンツで身体を覆います。家族以外の異性には手のひらと顔以外を見せません。
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1日5回のお祈りを欠かさず、食事は豚肉とアルコールは摂取しないハラール料理。
イスラム教の国は戒律が厳しくて自由が少なくて、という印象です。私はこれ以上のなんの根拠もなく、女性は険しい表情をしているイメージをもっていました。
そのせいか、マレーシアに行きたいと思えるきっかけもなく、私にとっては遠い国になっていました。
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クアラルンプールは賑やかで華やかで♪
宿泊先のホテルが中心街にあったこともあり、辺りは華やかで賑やかです。表通りに出れば、どこまでもどこまでも続く超巨大ショッピングモールが連なり、暑くても雨でもお天気に関係なく楽しめる巨大モールには、世界各国の料理店や、大手ファッションブランドの店舗が立ち並び、上にも下に歩いても、華やかなスペースが続きます。
朝も夜も人でごった返していて、お祭りイベントやショーが行われていました。
表通りに出ると、ストリートライブっぽい演奏と歌声が聞こえてきました。
クアラルンプールで最初の衝撃はこれでした。
ヒジャブと呼ばれるスカーフを被った女性たちが、バンドを背にマイクを持ちシャウトしているのです。一瞬これはテレビのショーか何かだろうかと思いましたが、どうも違うようです。彼女たちの周りでは楽しそうな人だかりができていました。
しばらく立ち止まり、スマホでそのバンドの写真を撮っていて、私は気がついたのです。
そう思ったあと、彼女たちを見てもう一度驚きました。
シャウトしている彼女たちのヒジャブから現れているくっきりとした顔には、オリジナリティあふれるメイクがされていました。周囲を見渡すと、思い思いにメイクアップした女性たちが、手を叩き一緒に歌を口ずさみ、楽しんでいるではないですか。グリーンのアイシャドウに真っ黒な太いアイライン。クッキリと縁取りされた濃い赤の口紅。太い付けまつげ。そして手先にはジャラジャラと音のなるのアクセサリー。色とりどりのヒジャブと流行の洋服。彼女たちは、規律の中で思い思いの美と人生を楽しんでいるのです。
私はなんて失礼な先入観を持っていたのでしょう。
イスラム教の女性たちが笑う姿さえ想像できていなかったのですから。
先入観とは恐ろしいものです。自分で気づかないうちに、何の根拠もなく自分の知識として取り入れている情報。その情報によって物事を判断しているのですから、たまったものではありません。
私は、このシーンに出会ったとき、恥ずかしいと思いました。
うちのクミ員達にも言い続けてきたことなのに、その私が先入観でこんな偏見をもっていたのです。嫌になってしまいます。
行ったことのない国、会ったことのない人たち
でも、そうは言っても、世界中のすべての国や民族に実際に会いに行けるわけもありません。ある程度は予備知識として情報を得て自分の考えをまとめてゆくことはやむを得ないことです。
だから、
心しておかなければならないのは、
「私は実際に見てその人たちと話したことはない」、
すべて周辺情報として報道などで知っている程度の知識である、
ということを自覚していることです。(自分がね
ワーケーションスタイル
観光らしい観光はしませんでしたが、2時間程度のHOPON・HOPOFFという街中をぐるぐる巡り自由に乗り降りできるバスに乗りました。
バスの中から有名な建物の外観を見たり写真を撮ったりしてきました。今回も私の好きなスタイルの旅、暮らしているかのようなのんびりした4日間を過ごしました。
最終日は気に入ったスタバで7時間仕事をしてましたしね。
今回のマレーシアの旅は、私の知ったかぶり知識の曇りを拭き取りに行った旅になりました。知っているつもりになっていることを見せつけられた旅。
空港を出た途端に眼鏡が曇って慌ててふきとったのは、私の知ったかぶりでした。偶然ではなかったのかもしれません。
やはり、現場が一番。
現場でしかわからないことは、何よりも「大切なこと」でした。