読む絵本 『つばさ』③
自分も空を自由に飛べるかもしれない!
今まで味わった事のない、ワクワクでした。
とりさんは、体全体から溢れてくる力で、走りながら手を上下に思い切り動かしてみました。
うまく飛べずにいるとりさんに、ちょうが言いました。
「とりさん、あなたのその手は[つばさ]というのです。飛べると信じて楽しめば、きっとうまく飛べますよ。」
とりさんは、手をバサバサさせて息を切らせていましたが、チョウから[つばさ]というステキな名前をもらったことがうれしくて、体の重さや、今までの疲れがうそのように軽くなりました。
「ぼくは飛びたい!ぼくは飛べるんだ!」
と言って、ブンッとつばさを振り下ろしました。
すると、ふわっと浮かび上がり、地面がだんだん
遠くなりました。
「わわわ!ぼくは飛んでる!
おうちの屋根が見えるよ!あんなに小さい!」
チョウは、とりさんの横まで飛んできて、
「とりさん、もっといろんなものが見えますよ。
ほら、あそこにも、あっちにも。」
チョウが言う通りに、そぉっと首を動かして
あたりを見回しました。
「なんてきれいなんだろう。お花畑が虹のように
いろんな色をしている。
山はあんなに大きかったんだ。
もっと向こうには海が見えるよ!
ぼく、海を初めて見た!」
とりさんとチョウは、仲良く飛び回り、高く低く
速く遅く、その初めての感覚を体いっぱい感じては、笑い合っていました。
「ねぇ、チョウさん。ぼくはもっともっと
いろんなものが見たいよ!」
そう言って、うれしさが体いっぱい溢れ出し、一回転したりくねくねと飛んでみたりしました。
チョウはそのスピードについていけそうにありません。
「とりさん。とりさんはその大きな[つばさ]で
私よりももっといろんな所へいけますよ。
私はこれより先には行けませんが、どうぞ
気をつけていってらっしゃい。」
とりさんは、少しさみしくなりましたが、振り返って言いました。
「チョウさん、ぼくは行ってくるよ。
ぼくたちは友達だね。また戻ってきたら、
あの向こうで見た事を、きみにたくさん
話してあげるからね!」
そう言って、海へ向かって元気いっぱいつばさを広げて旅立ちました。
生まれて初めての冒険に心を踊らせて、とりさんの旅がスタートしたのです。
いったいどんな物語が、とりさんを待っているのでしょうか・・・。
つづく♡
あとがき*
第3話いかがでしたでしょうか(´∀`*)
自分のコンプレックスが、最大の魅力だと気づくなんて、とてもステキなことですよね。
子供の頃というのは、とにかく目が覚めたら、今、何して遊ぼうか。こうしたらもっと楽しいんじゃないかって、目の前のものを駆使して、遊び尽くしていましたよね。
これって無意識ですが、全力で自分自身を楽しんで味わって、今を生きてるってことです。
大人になる過程で、自信をなくしたり、あれはダメこれをしたら大変、こうしなくてはいけない、それは常識がない、等々、いろんな所から自分を抑えつけてなんとか社会で変な目で見られないように、バカだと思われない様に、とりつくろうようになって・・・。
この物語を書いていた十何年か前も、私にはつばさなんてないと思い込んでいて、ただただとりさんに憧れていたなーって思い出しました。
自分を許してあげるって言う事を、知らなかったのです。
世間の目を気にして、世間の評価が自分の価値だと、勘違いしておりました。
1年以上かけて少しづつ、自分はこのままでいい、このままで完璧なんだ。と自己肯定することに集中しました。
本当に本当ーに、自分を慰めていくと、内側から少しづつ溢れてくる幸せな感覚。
子供の頃の、あの全力のワクワクと似た気持ちに戻れることがあります。
ここまでくるのは、1人ではできなくて、親友や家族がいてくれて導いてくれたからだと思います。
とりさんが自分の手がつばさだと気付いて、自分自身の中から喜びが溢れ出すシーンは、とてもお気に入りです。
とりさんがこの先、どんな出会いと経験をしていくのか、一緒に楽しんでもらえたら嬉しいなと思っています。
あ、ひとつ言い忘れました。
見出しの画像、下手なりに自分で描いたイラストなど、オリジナルの写真を使っていこう!と決心しました。(おおげさ 笑)
あたたかい目で見守ってくださいね。(*´꒳`*)
今日も、ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました♡
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