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Wasted Efforts???

2005年3月9日の日記。
米国ヴァージニア州の片隅にある日系企業の現地法人で、日本人駐在員である「ぼす」の元、秘書兼通訳兼「やっかいごと よろず引き受け業」的な何でも屋さんとしてお仕事をしていた頃のお話。
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もう、やるしかないのである。

「......クミさん、本気っすか?」

突然の提案に、唖然とするナカガワ氏。
ほんのちょっぴり怯えた目をしていたように思うのは、おそらくワタシの錯覚ばかりではないだろう。(これまでのお話は こちら から)

実際、かなり無謀な賭けとも言える。

でも。本当ならとっくに来ているはずのAAAのトラックは、待てど暮らせど現れず。気配すら感じられない。このまま何もしないでおとなしく時間切れを迎えるのは悔しいではないか。どっちにしろ、いつまでもここにとどまる訳にはいかないのだ。それなら、ワタシは今のワタシにできるコトをやろう。

ただの悪あがきに終わったとしても、構わない。ただただAAAの到着を、指を咥えて待っているよりはマシではないか。やれるだけのコトは、やっておきたい。スニッカーズからもらったパワー、無駄にしてはいけないのだ。

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しかし。実際問題として、スコップどころか、道具は何ひとつ持っていないのである。ナカガワ氏に至っては、手袋すらしていない。そして、無情にも雪の勢いは衰えず。相変わらず振り続けている訳で。

掘っても掘っても、ちっとも状況は改善されず。小刻みに前進と後退を繰り返し、「ぽんこつ」君でラッセル走行を試みるが、アクセルを踏んでも踏んでも、きゅるきゅるとタイヤは空回りするばかり。トレッドにはみっしり雪が詰まっていて、これじゃあ溝の無くなったつるっつるのタイヤをはいているのとおんなじだ。ぎゅうぎゅう詰めの雪は、ちょっとやそっとではタイヤの溝から出てきてはくれない。軽く蹴飛ばしたくらいでは、なぁんの役にも立たないのである。

そういえば以前観た That '70s Show (註) で猫用トイレの砂を使って雪から脱出してたエピソードがあったよなぁ...。

(註) 
FOXチャンネルの1970年代を舞台にした
"sitcom"こと、シチュエーション・コメディ。
10代の若者たちの日常を面白おかしく描く人気番組。主演は Topher Grace だけど、日本では友人役の Ashton Kutcher の方が有名か。1998年8月放送開始。現在7シーズン目を放送中(2005年3月当時)。

「トイレ砂」は無いとしても、何か摩擦係数をおっきくするモノ、積んでなかったかなぁ。そう思ってトランクを開けてみたが、見事に空っぽ。普段ならごちゃごちゃ色んなモノが入っているのに、つい最近大きな荷物を運ぶ時に全部出したんだった。う──。

「無駄無駄無駄無駄無駄ァ────ッ!」

ジョジョ だっけ?これって。
頭の中でひたすら繰り返される「無駄」ってコトバの響きに、すっかり負けそうになるワタシ。「あがいても あがいても 人間の度量には限界があるのさ!」不敵に笑う宿敵DIOの顔まで脳裏に浮かぶ。所詮スニッカーズひとつではとても太刀打ちできない相手だったということか。ナカガワ氏が頑張って「ぽんこつ」君を押してくれるが、ほんとうにちょびっとしか動かない。数インチ進んでは空転するタイヤ。もう、駄目かも。

諦めムードが漂い始めていたその時

"No, no, no, no, no!!! You are doin' it all wrong!!!"
(ダメだダメだダメだ───っ!そんなやりかたじゃぁダメだっ!!)

どこからともなくいきなり飛んできた怒号に面喰らうナカガワ氏とワタシ。

だ、誰っ???

<つづく>
次回ぃょぃょ最終回 ──!?


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