Wicked! 〜ハロウィンにまつわるエトセトラ③〜
2004年10月30日の日記。
米国ヴァージニア州の片隅にある日系企業の現地法人で、日本人駐在員である「ぼす」の元、秘書兼通訳兼「やっかいごと よろず引き受け業」的な何でも屋さんとしてお仕事をしていた頃のお話。
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いよいよ明日はハロウィン。
ビザの関係できっと今年がアメリカ生活最後のハロウィンってことで準備には余念がないのである…と言いたいところだが昨夜遅かった為、ただただ惰眠を貪るばかりの一日。
と、いうのも。
あまり気乗りしなかった知人の送別会に出掛けたところ、3年以上音信不通だった友人に再会したのだ。
びっくりした。結果、ちょっと顔を出すだけのつもりだったにも関わらずついつい帰宅が遅くなってしまったのだ。主賓の筈の知人もそっちのけで異様に盛り上がるというまったくもって失礼な連中である。わはは。
3年以上ぶりに再会した彼はワタシがここヴァージニアの片田舎に越してきて初めてできた友人のひとり。学生時代に知り合ったという奥さんと一緒に、ごはんを食べたり映画を観たり、とっても仲良くさせてもらった。そうそう、1999年のこの土地最初のハロウィンは、彼等主催の仮装パーティに参加して過ごしたんだったよ、そういえば。
ところが、いつの間にやら彼等が住んでいた一戸建ての家には「FOR RENT」(貸家)の札が立てられ、二人は別居してるとの噂を耳にすることになり。
次に聞いた時には、ダンナさんの方は首都圏へ、奥さんの方はアジア方面へ移ったってことになっていて。それっきり。
なんでも奥さん(ぃゃ、「元」奥さんと言うべきか)は妻子のある人と恋に落ち、相手の離婚が成立した後に再婚。この再婚相手の仕事の関係でアジアのどこかの国へ移住したらしい。恋に落ちたのが別居前なのか後なのか、それは知らない。知ったところでどうなる訳でもないし、ワタシが口を出す問題でもない。いずれにしても。とにかく「元」ダンナさんと今でもも友人関係を保っており、こまめに
連絡を取り合っていると聞いてほっとしたのは事実だけれど。
で、「元」ダンナさんは「元」ダンナさんで左薬指に指輪なんぞしているので、もしや別れた妻を忘れられずにいるのかなぁなんて思いつつもやっぱり気になったので聞いてみた。
"...so, what’s up with that on your ring finger???"
(で、その薬指のそれは何なのよ??)
すると予想外のこんな答が返ってきた。
"Oh! It’s from my partner. HE has one from me just like this!!"
(あぁ!コレはねパートナーからもらったんだ。彼も俺から贈ったお揃いのやつ持ってるんだよ!)
思いっきりノロケが入っていて、こっちが照れてしまうほど幸せいっぱいの、とろけるような笑顔とともに、である。
彼があっち側に行ってしまったのは別居前なのか後なのか、それは、知らない。俗に言う「略奪愛」に「同性愛」だからって非常識だとか不道徳だとも思わない。
そうそう、不道徳と言えば WICKEDって単語があるけど、これって若者コトバで「素敵な」とか「最高の」って意味にもなってしまうからスラングってのはなかなか奥深い。
格好いい女の人をほめる時に使う
She is BAD!!
ってのと同じノリである。
そういう意味では、ワタシの友人達は(元)夫婦揃って
THEY’RE WICKED!
二人とも、なかなかやるじゃん、って感じなのだ。
何はともあれ。思いがけず再会できた友人が、幸せそうで、良かった。
ほんとに ほんとに よかった。
画像はハロウィンの時期になるとよく着ていたロングTシャツ。ベティちゃんが魔女。「Wicked」のフォントが好き。
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