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外国籍の方へのキャリアコンサルティングの基本――「助ける」でも「教える」でもなく
キャリアコンサルタントとして働く中で、私が大切にしていることがあります。それは、相談者自身が「自分の問題」に気づき、そこから動き出すためのサポートをすることです。決して「助ける」でも「教える」でもなく、自己対話を促進する――それが私の考えるキャリアコンサルタントの役割です。
1. 多様化するキャリア支援のあり方
現代の働く環境は多様化しており、個々の価値観や生き方も実にさまざまです。そのため、キャリアコンサルタントの「役割」も一つの形に縛られるべきではないと感じています。
たとえば、「こうすればうまくいく」という正解を提示することは簡単かもしれません。しかし、それでは相談者が本当の意味で自分自身と向き合い、納得感を持ってキャリアを選択することにはつながりません。重要なのは、相談者自身が考え、気づき、行動を起こせるように支援することだと考えています。
「問題を解決してあげる」のではなく、相談者が自分自身の中にある答えを見つける――そのプロセスを丁寧に支えることが、キャリアコンサルタントの本質ではないでしょうか。
2. 自己対話を促す支援
私の支援の軸は「自己対話の促進」です。相談者が抱える問題や悩みは、表面的には「転職したい」「キャリアに自信がない」といったものに見えますが、その根底には価値観や自己認識、環境とのミスマッチなど、さまざまな要因が絡んでいます。
自己対話を促すことで、相談者自身が「本当は何を大切にしたいのか」「自分はどうありたいのか」に気づくことができます。そして、その気づきが、具体的な行動へとつながっていくのです。
支援の現場では、相談者が一つの答えにたどり着いた時、「ああ、そうか!」と自らの中で納得する瞬間があります。その瞬間こそが、次の一歩を踏み出す力になるのです。
3. 外国籍の相談者への支援――基本を忘れないこと
日本で働く外国籍の方を支援する場合、言語の壁や文化の違い、制度の理解不足といった課題が生じることがあります。日本語が十分に伝わらない状況では、基本的な情報提供や制度の説明、場合によっては生活面での支援が必要になることもあります。
しかし、そうした「別の支援」が必要な時でも、私が忘れないようにしているのは「基本に立ち返る」ことです。つまり、自己対話を促し、相談者自身が問題に気づき、主体的に動き出すことを支えるという基本姿勢です。
たとえ言語や文化の違いがあっても、相談者自身が考え、行動する力を引き出すという軸がぶれてはいけない――それが私の支援のスタンスです。
まとめ:自己対話を促す支援の大切さ
キャリアコンサルタントの役割は、単なる「助ける人」や「教える人」ではありません。相談者自身が問題に気づき、主体的に行動できるように支える――そのプロセスを大切にすることが、持続的で意味のある支援につながると信じています。
どんな状況でも、基本を忘れず、相談者の「気づき」と「行動」を引き出す支援を心がけていきたいと思います。