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JLPT、BJT以外の日本能力証明のための試験
就職・転職希望者から日本語能力試験について聞かれることが多いのです。日本語能力試験を受けたことがない人が、就職や転職のときになって初めてその必要性を感じるようです。就職先だけでなく、転職エージェントでも、JLPT(日本語能力試験)の受験証明書を求めることが多いようです。
しかし、JLPT(日本語能力試験)は年に2回しか実施されず、結果が出るまでに2ヶ月ほどかかるため、就職・転職の際に日本語能力を証明する手段としては現実的ではないかもしれません。
日本語能力試験以外では、BJT(ビジネス日本語能力テスト)が最もよく知られていると思いますが、実はとても難しく、その人の日本語レベルを正確に把握することはできません。少なくともN2レベル以上でなければ、受験する意味はあまりないと思います。
私が調べたところ、法務省出入国在留管理庁が公的な試験として認めている日本語試験のリストがあります。
参照:出入国在留管理庁「日本語教育機関への入学をお考えのみなさまへ」
すべてのテストが就職時の日本語能力の証明として有効かは不明ですが、少なくとも「JLPT〇〇(レベル)相当」といった記載は可能でしょう。また、試験内容は公式サイトで確認できるため、採用担当者が完全に拒否する可能性は低いと思われます。さらに、JLPTに似た形式の試験を選ぶことで、より説得力が増すでしょう。
相談者の転職時のタイミングや、住んでいる場所によって受験可能かどうかなどを調べて、いくつかピックアップしておくといいと思います。
1 JLPT
実施団体:公益財団法人日本国際教育支援協会及び国際交流基金
判定:合否
実施時期:年2回(6月、12月)
2 BJTビジネス日本語能力テスト
実施団体:公益財団法人日本漢字能力検定協会
判定:スコア
実施時期:随時
3 J. TEST
実施団体:日本語検定協会・J. TEST事務局
判定:上級者向けの「A-Cレベル試験」、初級~中級者向けの「D-Eレベル試験」、入門者向けの「F-Gレベル試験」があり、各試験で一定の点数以上取ると「認定証」発行
実施時期:「A-Cレベル試験」と「D-Eレベル試験」は年6回、「F-Gレベル試験」は年2回実施
4 NAT-TEST
実施団体:専門教育出版
判定:合否
実施時期:年6回(偶数月)
5 STBJ標準ビジネス日本語テスト
実施団体:一般社団法人応用日本語教育協会
判定:CEFRに準拠したレベルで判定
実施時期:年6回(偶数月)
6 TOPJ実用日本語運用能力試験
実施団体:TOPJ実用日本語運用能力試験実施委員会
判定:CEFRに準拠したレベルで判定
実施時期:年6回(奇数月)
7 J-cert
実施団体:公益財団法人国際人財開発機構
判定:合否
実施時期:年6回(奇数月)
8 JLCT外国人日本語能力検定
実施団体:一般社団法人外国人日本語能力検定機構
判定:合否
実施時期:年6回(奇数月)
9 実践日本語コミュニケーション検定・ブリッジ(PJC Bridge)
実施団体:株式会社サーティファイ
判定:A+~E-の10段階でレベル評価
実施時期:団体受験のみ。いつでも受けられる。
10 JPT日本語能力試験
実施団体:一般社団法人日本語能力試験実施委員会
判定:スコア
実施時期:年12回