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文系学部出身は就職で不利になる??そんなことはありません


外国人学生の就職活動において、大学の学部名がどれだけ影響を与えるかというのは、留学生の多くが感じている課題です。特に、文系学部や社会系学部など、職業系学部とは異なる分野を学んだ学生は、「就職に不利になるのではないか」と心配することが多いです。学生によっては自分の専攻を隠すこともありますが、実際にはその学びをどのように伝えるかが重要です。今回は、外国人学生の就職活動で学部名に囚われず、その学びを効果的に伝える方法について解説します。

学部名よりも専攻内容を強調する

まず最も大切なのは、外国人学生が自分の専攻を「学部名」ではなく、より具体的な「専攻名」で伝えることです。日本の大学でよく見られる「文学部」や「経済学部」「歴史学部」などの学部名は、あくまで学問のジャンルを示すものに過ぎませんし、また、「グローバル・コミュニケーション学部」のように「流行りのことば」を入れているだけで名称から中身が見えないこともあります。そこで、学部名ではなく、具体的な「専攻名」を伝えることで、相手に自分の学びがどのような内容だったのかを明確に伝えることができます。専攻とは、ここではある学問分野を研究することを指します。さらには、もし決まっているようでしたら、「卒論」のテーマも加えるとより具体性が増します。

イメージとしては「〇〇大学、△△学部、□□学科、××専攻、卒論テーマ」となります。

教育学部、教育学科、教育政策専攻 
卒論テーマ:『日本の中学校におけるベトナム人学生への支援体制とその効果』
法学部、法学科、移民法専攻
卒論テーマ:『日本における外国人の入国管理制度とその法的課題』
文学部、外国語学科、翻訳・通訳専攻
卒論テーマ:『日本のビジネス文化と中国人通訳者の役割』

「日中のコミュニケーション」、「ベトナム人への日本語教育」など、学生が実際に学んだ内容を中心に話すことが有効です。学部・学科名に専攻名を加えて伝えることで、より具体的なイメージを持ってもらうことができます。
さらに、これの良い点としてはキーワードが増えることで、企業の持つ理念や、担当者の個人的な興味と重なる点が多くなることです。(逆にまったく重なる点がなければ、自分からその会社を選ばないという選択もできますね)

学問を選んだ理由をしっかり伝える

次に、学生がその専攻を選んだ理由を伝えることが大切です。多くの外国人学生は、なぜその学問を選んだのか、どのような問題意識や背景があるのかを伝えることを避けがちですが、実はこれが大きな強みになります。学生がどのような動機でその分野を選んだのかを話すことで、面接官や採用担当者はその学生の意欲や成長の意識を理解することができます。

例えば、「日本語教育を選んだ理由は、地元で日本語を学ぶ機会が少なく、学生たちが将来の可能性を制限されている現状を変えたいと思ったからです」というように、選んだ理由を具体的に説明すると良いでしょう。動機をしっかり伝えることで、学生がその分野にどれほど真剣に取り組んできたかを印象づけることができます。

重要な科目を具体的に伝える

その次に、学生が特に力を入れて学んだ科目(授業名)を伝えることが有効です。自分がどの科目に注力していたかを具体的に伝えることで、学びの深さを示すことができます。例えば、「教育政策論」「多文化教育論」「教育改革とイノベーション」など、その学生が取り組んできた具体的な科目名を挙げると、より具体的なイメージを持ってもらえます。

この段階で大切なのは、学生がどの科目に興味を持ち、どのようにその知識を深めてきたかを伝えることです。科目名を挙げることで、学生がどの分野に特に情熱を注いできたかを簡潔に伝えることができます。

まとめ

結局のところ、外国人学生が就職活動で重要なのは、学部名ではなく、その中でどれだけ自分が成長し、どのような経験を積んできたかです。学部名や専攻名に囚われることなく、学生が学んだ内容や実際に経験したことを具体的に伝えることで、企業の採用担当者に自分の強みを理解してもらうことができます。

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