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「ビジネスにならない」活動の価値とは

以前参加したイベントで、印象的な出来事がありました。その場で知り合った方に、自分が取り組んでいる英語トラックの支援活動やその他のプロジェクトについて話したときのことです。その方に、「実は、なかなか広がらなくて苦労しているんです」と言ったら、思いがけない言葉が返ってきました。

「それはビジネスにならないからかもしれませんね」。

その言葉を聞いた瞬間、まるで雷に打たれたような感覚がありました。その方はさらに、「ビジネスとして可能性があるものに人は注目し、そこにリソースを集中させるものです」と続けました。確かに、その観点から考えると、自分の活動が大きな支持を得られない理由も少し理解できるような気がしました。

実際にインターネット検索で「英語トラック」などと入力しても、車のトラックしか出てこず、この言葉自体がまだ社会に浸透していないことがわかります。ましてやその現状などは大学関係者も含めて、ほとんどの人が知る由もないでしょう。

しかし、それと同時に、心の中で疑問も湧き上がってきました。「ビジネスにならない活動に価値はないのだろうか?」と。

英語トラックの学生の現状を考える

英語トラックの学生を支援する活動をしていると、彼らが抱える課題がいかに深刻かを痛感します。確かに、英語トラックの学生数は増加傾向にあるものの、全留学生数に対する割合は圧倒的に低いのが現状です。その上、多くの学生が日本語を十分に話せないため、就職先が見つからず、エージェントからも対象外とされることが多いと聞きます。さらに、大学のキャリアセンターからも適切な対応を取ってもらえず、どこにも頼る先がないという状況です。
こうした現状を見ると、支援の必要性は明らかです。しかし、これらの活動が直接的な収益を生むわけではないため、周囲から注目されることは少なく、十分なリソースも集まりません。それでも、「お金にならないから価値がない」とは決して言えないはずです。

「広がらない」からこそ挑戦する価値

もちろん、「広がらない」現実と向き合うのは簡単ではありません。私自身、英語トラックの支援について呼びかけても、自分の活動が注目されず、賛同者が集まらないことに悩む日もあります。それでも、私はこうした活動を続けることに意義があると信じています。

なぜなら、誰もが注目する「ビジネスになる」領域ではなく、まだ十分に注目されていない分野こそ、真に困っている人がいる可能性が高いからです。特に、英語トラックの学生たちのように社会の中で埋もれがちな人々に目を向けて、何かしらの働きかけをすることは、小さな一歩であっても大きな変化を生むきっかけになると信じています。

最後に

イベントでのあの一言をきっかけに、改めて自分の活動の方向性や意義について考え直す時間を持つことができました。確かに、ビジネスとして成功する活動には多くの人が集まりやすい。しかし、ビジネスになるかどうかだけが、その活動の価値を決める基準ではありません。

これからも、私が信じる「価値」を大切にしながら、自分のペースで活動を続けていきたいと思います。同じように、「ビジネスにならない」と思われる活動に取り組んでいる方々に、この言葉が少しでも励みになれば幸いです。

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