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キャリコン理論シリーズ②キャリアアンカーで相談者の価値観を知る
キャリアアンカーとは?
キャリコン理論シリーズ第2弾は、シャインの「キャリアアンカー」についてです。キャリアアンカーとは、心理学者でありキャリア理論の先駆者でもあるエドガー・シャインが提唱した概念で、海底に下ろす重り「アンカー」にたとえられています。これは、自分の行動や意思決定の拠り所となる価値観や動機を指します。
シャインはキャリアアンカーを8種類に分類しており、人それぞれ異なる価値観や優先事項があることを示しています。これを理解することで、他者の行動や考え方に対する理解が深まり、人間関係がよりスムーズになるというメリットがあります。
他者の価値観を尊重できるようになったきっかけ
私はもともと、自分と合わない意見に対してイライラしてしまったり、時には衝突してしまうことがありました。たとえ口に出さなくても、心の中で不満を抱えることが多かったのです。
しかし、キャリアコンサルタントの勉強を進める中で、「人が大事にしていることはそれぞれ違う」ということを深く学び、それが自然と身に染みるようになりました。この学びを通じて、他者の価値観を受け入れることが当たり前になり、今では意見が合わなくてもこう考えられるようになりました。
「この人はこういう考えなんだ。私とは違うけど、〇〇を大切にしているんだな。私にはできない。すごいな。」
このように尊敬の気持ちを持てるようになったのは、自分自身にとって大きな成長でした。その根底にあるのが、シャインのキャリアアンカーの理論です。
キャリアアンカーの8種類
シャインが提唱したキャリアアンカーは、以下の8種類に分類されています。
専門・職能別コンピテンス
専門的なスキルや知識を活かして活躍したい。全般管理コンピテンス
管理職やリーダーシップを発揮して全体を統括したい。自立・独立
他人に縛られず、自分の裁量で働きたい。保障・安定
経済的・雇用的な安定を優先したい。起業家的創造性
新しいものを生み出すことに情熱を持つ。奉仕・社会貢献
社会の役に立つことにやりがいを感じる。純粋な挑戦
難しい課題に挑み、達成感を得たい。生活様式
仕事とプライベートのバランスを大切にしたい。
人それぞれ、どれを重視するかは異なります。これを知ることで、自分や他者が何を大切にしているかを理解しやすくなります。
キャリアアンカーを活かす方法
キャリアアンカーを知ることは、個人の自己理解だけでなく、職場でのチームマネジメントにも役立ちます。たとえば、誰かに仕事を頼む際、その人が「どんな価値観を重視しているか」を把握しておくと、より効率的に協力してもらえるかもしれません。また、管理者が部下のキャリアアンカーを把握しておくと、適材適所の人員配置がしやすくなり、働きやすい環境を作ることができます。
キャリア相談への応用方法
キャリアアンカーは、キャリア相談の場面でも非常に有効に活用できます。相談者が自分の価値観や動機を理解できていない場合、この8つの分類を使って質問を投げかけることで、自分にとって何が大切かを整理する手助けができます。また、相談者のアンカーを把握することで、適した職種やキャリアパスの提案がしやすくなります。たとえば、「保障・安定」を重視する人には長期的な安定が見込める職場を、「純粋な挑戦」を求める人にはやりがいのあるプロジェクト型の仕事を提案する、といった具体的なアプローチが可能です。相談者自身が納得のいくキャリア選択をするための強力なツールとなります。
私の場合
ちなみに、私自身がどのキャリアアンカーに該当するかは内緒にしておきます。ただ、「保障・安定」ではないことだけは言っておきますね(笑)。
キャリアアンカーの考え方を知ることで、他者を理解する手がかりになるだけでなく、自分自身の行動や意思決定の基準を見つめ直すきっかけにもなります。これからもキャリアアンカーの考え方を活かして、より良い人間関係や仕事の進め方を模索していきたいと思います。
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