
[My Career] 海外帯同者のキャリアマネジメント
海外帯同や駐在妻として新しい国での生活が始まると、「仕事を辞めることになったけど、今後のキャリアはどうしよう?」「帯同期中のブランクは、将来の転職で不利になる?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。わたしもそのように感じた一人です。
海外帯同者・駐妻にとって、キャリアの継続や再構築は大きな課題です。配偶者の海外赴任に伴い、自身のキャリアを一時的に中断せざるを得ないケースも少なくありません。しかし、海外帯同の期間をキャリアのブランクではなく「新たな成長の機会」と捉えることで、柔軟なキャリアマネジメントが可能になります。
今回は、海外帯同者がどのようにキャリアをデザインし、将来に向けて準備できるのかについて考えていきます。
(※お住まいの国や地域、お持ちのビザの種類、就労ビザの取得可否、配偶者の勤め先の規定、お子さんの有無、配偶者の家事育児の協力有無など、それぞれのご家庭によって様々な環境の違いがあり、一概に言えないことは承知しております。念のため。)
1. 海外帯同者のキャリアの課題
① 就労ビザの制約
海外で働くためには、適切なビザが必要です。配偶者ビザの種類によっては就労が認められない場合があり、思うようにキャリアを継続できないこともあります。
例えば、アメリカのJ-2・H-4ビザ(J-1・H-1Bビザ保持者の配偶者)は、EAD(就労許可証)を取得しなければ働くことができません。これには時間がかかるため、すぐに働きたい場合の障壁になります。
(これ、わたしのケースです。早く就労ビザが手元に届いてほしいです。)
② 配偶者の企業の社内規定
配偶者の勤務先によっては、帯同者の就労が制限されることがあります。
・企業の規定により、配偶者が現地で仕事を持つことを禁止されている
・帯同手当が「配偶者が就労しないこと」を前提に支給される
こうしたルールがある場合は、事前に確認し、働ける可能性があるのかを調べることが重要です。特に配偶者が日本からの駐在員の場合は、必ず事前に確認してください。
③ 言語や文化の壁
現地での就労を希望する場合、言語の壁が大きなハードルになることがあります。また、職場文化や労働環境の違いに適応する必要もあり、特に日本の職場環境に慣れている人にとっては大きなチャレンジになります。海外の日系企業で働く場合、日本企業ならではの文化とアメリカの働き方が融合していたり、そのギャップに驚くことが多かったです。
④ キャリアのブランクと再就職の不安
海外帯同中に働かない場合、帰国後の再就職がスムーズにいくかどうか不安に感じる人も多いです。ブランクが長くなると、これまでのキャリアが評価されにくくなるリスクもあります。海外帯同中だからこそできることをはじめてみませんか?
2. 海外帯同中のキャリア戦略
キャリアを完全に中断するのではなく、海外帯同期間を「スキルアップや新たな挑戦の期間」として活用することがポイントです。
① 日本企業の海外拠点で働く
海外でも日系企業の現地法人や日本関連の仕事を探すことで、比較的スムーズに就職できる場合があります。現地の日系企業の人材紹介会社の求人情報から探してみましょう。海外帯同者や駐在妻を対象とした求人もあります。
🇯🇵 メリット
・日系企業の現地法人や日本関連の仕事は言語の壁が比較的低い
・日本で働いていた企業の現地法人へ転籍ができる可能性がある
職場環境が完全に日本人のみの環境で、あまり英語を使う機会がない職場もあります。一方で私の場合は半分以上がノンジャパニーズだったので、入社後の研修やマニュアル、試験、OJTの全てが英語で行なって、勿論日々のミーティングやメールも全て英語でした。対日本人の場合のみ日本語で会話や対応をするという環境でした。慣れるまでは大変でしたが、逆にこの環境でとても恵まれていたと思います。
② リモートワークやフリーランスという選択肢
近年では、オンラインでできる仕事が増えています。海外にいても、日本企業の仕事をリモートで受けることが可能なケースもあります。自分のスキルを活かして、在宅ワークの選択肢を探るのも有効です。
💻 海外帯同中にできる仕事の例
・ライター・翻訳:ブログ記事やウェブコンテンツの執筆、翻訳業務
・SNS運用・マーケティング:InstagramやXの運用、企業のPR業務
・データ入力・事務サポート:クラウドソーシングを活用したリモート業務
私自身は前職の仕事と並行して、海外生活のブログかYouTubeを開設しようと思っていましたが、早朝勤務や日々の忙しさと疲れでそんな余裕はありませんでした。そのため、4年半経ったこの今に至ります。
③ 帰国後のキャリアを意識して行動する
海外帯同中にできることとして、以下の準備を進めておくと、帰国後の再就職がスムーズになります。また語学力を磨いたり、新しいスキルを身につけたりすることで、帰国後のキャリアの選択肢を広げることができます。
🌱 海外帯同中にできること
・履歴書の作成(これまでの経歴と経験を振り返る)
・語学スキルの向上(現地での生活を活かして学ぶ)
・資格取得・スキルアップ(オンライン講座を活用)
私の個人的な感想としては、履歴書は退職直後、渡米直後に一度仕上げて書いておいた方がいいです。新鮮な記憶のうちに職務経験やスキル、経験談などを思い出して書き出しておいてください。渡米してからであると海外生活に慣れるまでに色々と大変で、働いていた時の記憶が完全に薄れてしまいます。面接で使えるエピソードトークまで記録しておいた方が安心です!
(実際にアメリカでの2度目の転職面接で、1社目の会社での経験について深掘りされて、完全に思い出すのに苦労したから!こんな記憶が遠くなるとは)
3. 海外帯同をキャリアの「資産」に変える
海外生活は、一見するとキャリアの「ブランク」に思えます。しかし、見方を変えれば「グローバルな経験を積める貴重な時間」でもあります。自分が海外で経験したことを、どのようにキャリアに活かせるかを考えることが重要です。帰国後にスムーズに転職できるよう、帯同中から情報収集を始めましょう。
🌷海外での経験を強みにする方法
・異文化対応力 → 帰国後の仕事で活かせる!
・語学力向上 → グローバル企業への転職に有利!
・多様な環境での適応力 → 新しい職場でも活躍できる!
日本へ帰国後にどのような業界で働きたいか、どのような働き方をしたいのか、など具体的にゴールを見据えて、今から動けること出来ることから始めてみるのはいかがでしょうか。
4. 海外帯同中も「キャリアを自分で創る」意識を!
海外帯同はキャリアを諦める期間ではなく、「新しいキャリアを築くチャンス」でもあります。
✔ 「海外だからこそできること」を考える
✔ リモートワークやスキルアップを活用する
✔ 帰国後のキャリアも見据えて行動する
キャリアは一つの道筋だけでなく、柔軟にデザインすることができます。海外生活の中で得られる経験やスキルは、必ず将来のキャリアに活かせます!
私自身もこれからのキャリアをどのようにしていきたいかを悩み考えている一人です。ロールモデルの少ない人生の選択肢を歩む私たちだからこそ、この海外帯同期間を「新しいキャリアを築くチャンス」と捉えて、出来ることから一緒に挑戦していきましょう!