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企業分析『イチケン』配当利回り5.5%

皆さん、
おはこんばんにちは!
kumazoです!

ここ最近、
相場に大暴落が起きていて、
投資家界隈では大騒ぎになっていますね。

株式投資をしている人は
年初来から20%以上目減りしている人が
多いのではないでしょうか。

私も長期投資のため大いに暴落のあおりをくらっていますが、
そんな時でも長期投資家としてコツコツと
積み立てていくだけですね。

高配当株への長期投資なので、
今まで手が届かなかった優良銘柄が安くなっているので、
優良銘柄を狙っていきたいですね。

昨日のnoteにも書かせていただきましたが、
高配当株は優良銘柄をいかに安く買うかです。

KDDI株やドコモ株などの優良銘柄を
10年前に買っておけばよかったと後悔する人は
沢山いると思います。

その悔しさを知っているから、
今暴落をしている時に
勇気を出して種まきが必要なのだと思います。

5年ぐらいは苦汁を飲むかもしれませんが、
10年後に花が咲くことを期待して、
気張るしかないですね。

そんな気持ちで、
日々企業分析をして、
優良銘柄を探し続けています。

そして、
今回は「イチケン」を分析してみました。
投資に値するのかを数字からひも解いています。

最後の方に私見をのせていますので、
気になる方は最後だけでも見ていってくださいね。

本編に入る前に、少しだけ自己紹介をさせてください。

Kumazoは一級建築士で不動産・建築業界で15年以上従事し、
マンション・ホテル・戸建て住宅などを設計してきました。
個人的にも不動産投資を行っており、
建築専門の立場から不動産コンサル等を行っております。
現在では、不動産投資用のマンションを設計する立場で、
不動産関係のいろんな方々と仕事をしていることもあり、
内情には明るい立場におります。

不動産投資を正しく理解し、
大失敗をする人やだまされる人が減ればと思い発信をしております。

Kumazoは建築オタクなので、
建築を通して人が幸せにすることができたらうれしいです。

自分で「不動産投資の基本のき」というブログも書いておりますので、
こちらもどうぞ。

では、本編に参りましょう。

※企業分析をしたい方にお勧めの本はこちら


1.企業概要

「イチケンの企業概要」について解説していきます。

最初に勤めていた設計事務所で、
名前を聞いた覚えがあります。

その時は、
かかわりはありませんでしたが、
企業分析をしてみたいと思います。

1930年創業の建設会社でもうすぐ100年になります。

建設業というものの、
「商業施設建築のエキスパート」をうたっており、
商業活動に関する基本構想からマーケティング、企画、設計、施工まで
商業施設をつくるためのサービスを一貫して提供しております。

一貫したサービスの中には、
環境配慮型の建物ZEBを提供したり、
産学連携で建設工法の技術開発をしたり
専門性の高いサービスを提供しております。

資本金は43億円です。

2022年5月23日の株価は1827円で
2018年5月2878円の高値を付けております。
その後、コロナショックで、
2020年4月に安値1016円を付けてから反発しております。

配当利回りが5%を超えており、
高配当株となっております。

この高配当を維持できるかを、
資料を見ながら情報を集めていきたいと思います。

2.バランスシート

「イチケンのバランスシート」について解説していきます。

1.バランスシートの大きさは540億円となり、
 これがイチケンの資産の大きさとなります。

2.流動資産が流動負債の2倍ほどあります。
 これは完成工事未収入金が240億程あるため、
 流動資産が大きくなっております。
 建設会社は、基本的に建物が完成しないとお金がもらえません。
 業界だと支払いサイトを「テン、テン、パー」と呼び、
 契約時、上棟時、完了時と3回に分けて、
 10%、10%、80%のように受け取ります。
 (比率は契約次第)
 そのため未収入金が大きくなります。

3.自己資本比率は45.5%となっております。
 かなり多めに現金を貯めております。
 これは支払サイトが悪く、
 上記に述べたように、
 建物が完了するまでお金がもらえないからです。

例えば
工事請負金額が10億円だとすると、
工事スタートのタイミングで1億しかもらえません。
ですが工事には鉄筋を購入したり、
コンクリートを購入したり、
職人さんを雇ったりとお金が出ていきます。
最初の1億ではまかないきれないため、
手出しが必要になります。
支払いが先で受け取りが後になるため、
現金がないと黒字倒産しかねないです。
そのため、現金を多く貯めております。

リーマンショックの時に、
建設会社が沢山つぶれたのもここにあります。
先払いしていたのに、
工事がとまり完了できないがために、
完了時のお金がもらえないので、
手元のお金が減っていき、
倒産というかたちになります。

ゼネコンが倒産すると、
その下のサブコンや職人さんも同じように倒産します。
これが連鎖倒産です。

コロナの時にも
連鎖倒産の危機がありました。

コロナショックでトイレや消防設備などが
入ってこないことがあり、
設備が設置できていないと完了検査が受けられない状態でした。

そこで政府が超法規的処置をとり、
一部の設備が設置していなくても、
完了検査を受けられることになりました。

この対応は本当に素晴らしいと思います。

話はそれましたが、
建設会社はリーマンショック以降、
現金を多く保有している会社が多く見受けられます。

(ファイナンスでカバーするときもあります)

3.損益計算書

「イチケンのPL」について解説いたします。

まず、画像の図は、
2020年4月~2021年3月第95期の有価証券報告書・株探より作成いたしました。

1.営業収益(売上高)は886億円

2.営業原価は809億円で原価率は91%

3.営業利益は47億円で営業利益率は5%

4.営業CFは7.5億円でFCFは6.2億円

上記のようになっております。

原価率がかなり高く、
建設業特有の高原価率となっております。
他の建設会社がここまで高いのか確認が必要です。
今後、他の建設会社も分析し比較していきましょう。

営業利益率が5%ということで、
かなり低い数値でした。
昨今の原材料高の影響も少なからずでているかもしれません。
原価があがると利益がどうしても圧縮されてしまうので、
今後の情勢の安定が求められますね。

また、
営業活動CFとFCFがプラスとなっておりますが、
2020年に大きなマイナスを出しています
このマイナスは固定資産購入とのことでしたので、
業績に影響があったわけではないので、
問題ないでしょう。

商業施設は住宅の建て替えサイクルが早いため、
住宅よりは工事件数は多いですが、
景気に左右されるため、
景気が悪くなったときは売り上げもさがります。
(どの業種も同じだと思いますが)

4.株価と指標

「イチケンの株価と指標」について解説していきます。

有価証券報告書と株探のサイトから数値を引用しております。

本日、2022年5月26日の株価 1,835円。
株価は、
2018年5月2878円の高値を付けております。
その後、コロナショックで、
2020年4月に安値1016円を付けてから反発しております。

PER 4.4倍。
日経平均のPER(荷重)だと13.19倍なので値ごろ感はありますね。
売上が2019年まで上昇傾向にありましたが、
2019年から、横ばいになっております。

PBR 0.50倍。
純資産が多いため
数値はかなり割安となっております。

配当利回りは5.45%で、
かなりの高配当ですが、
これを維持できるのであれば、
チャンスのタイミングですね。

EPSは413.4で直近3年では横ばいで推移しております。
総資産回転率は1.56となっており、
建設業だと1.3ぐらいが一般的なので少し高めとなっております。

最後に、
売上高のグラフを掲載しております。
1999年から2019年まで、
一度落ち込んでやっと2019年に更新できたところです。
住宅系の不動産会社はコロナバブルで売上を伸ばせましたが、
商業系は踏ん張りどころでした。
今後コロナ規制解禁してから、
商業系は売り上げを伸ばせるかが注目されます。

5.補足

今回、
高配当株ということで、
配当金について、
データをまとめてみました。

1.配当金推移
2.配当利回り推移
3.配当性向推移

についてまとめてみました。

1.配当金推移について
2010年から横ばいもしくは増配をしていて、
減配は直近でありません。

2.配当利回り推移について
2020年に一度、コロナショックで株価が落ち込んだ時、
7%台まで上昇しました。
商業系建設業だったのでコロナショックのあおりを受けた形です。
ただ、売り上げがそれほど下がったわけではなかったので、
株価は戻り現状で5%半ばで推移しております。

3.配当性向推移について
配当性向は2022年の段階で21%と低く
まだまだ余裕がありそうです。
2011年、直近で一番売上が下がった時に、
130%まで上昇しましたが、
減配せず頑張って配当をだしてくれました。
今後も頑張ってほしいですね。

大株主はマルハンが32%保有していて、
パチンコ店なども施工しております。

他にも、百貨店やスポーツクラブ、宿泊施設など
景気に左右されやすい施設が多いのが特徴です。

10年ほど売り上げを伸ばしてきましたが、
コロナ規制の解禁で景気を支えてもらえれば
イチケンも安定しているかと思います。

6.まとめ

ここまで分析をしてきましたが、
商業施設を専門的に設計施工しているゼネコンは
他に見かけません。

そういう意味では選択と集中をしているのかなとは
判断できます。

配当金に関しては、
利回り5.5%と株価がだいぶ割安で放置されているなという
感じがします。

決算資料にもありましたが、
市場から算出すると倍ぐらいの株価になっても良いのではないかと、
会社自身がプレゼンしていました。
(本人がいうのはどうかと思うのですが)

実際には
ここ数年は売り上げが伸びていないので、
投資家心理としては、
買いづらい状況ではあります。

金利の上昇や原材料の高騰も建設業には痛いところですね。

ただ、
配当性向には余裕がありますし、
2011年に3.11があった時商業系が自粛する時期にありましたが、
その時も配当性向が100%を超えても
減配することが無かった経緯があります。
なので、
すぐに減配もないと思います。

判断が難しいところですね。
もう少し動向を注視していきたいと思います。

今後も不動産投資で役立つ知識を投稿していきますので、
少しでも参考になったかたは、
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