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ナレーションを極める41 聴き力

ナレーターの熊崎友香です。テレビ東京WBSやNHKアジアインサイトなどでナレーションを担当しながら4歳と6歳の子供を育てています。

ナレーターは文章を読む、伝えるのが仕事ですが、実はコミュニケーション能力が必要だと考えています。スタッフの皆さんとのコミュニケーションでは、番組の方向性、どんなナレーションを求めているか、話したり聞いたり、映像を見る中で、想像する力がいります。また視聴者の皆さんとの心のコミュニケーショションもあると思っています。実際に直接お会いしてお話をするわけではないけれど、そこにテレビを見ている人を想像し、話しかけ、理解しているか、伝わっているか、どう感じているか、を想像する。これはコミュニケーション能力がある人の方が、得意なのではないか。と考えています。

では、コミュニケーション能力で必要なことはなんでしょうか。私はまずは聞く力だと考えます。「聴き力」です。

人の話を聴くのは簡単ではありません。自分に意識が向いてしまう、心の余裕がない、人に関心がない。いつも自分はそんなことで自己嫌悪に陥ります。NHKのリポーター時代は、人に話を聴くのが仕事のようなものでした。取材をして、組み立てて、伝える。そんな時でさえ、今振り返れば、「番組のために」都合の良いところ、もう少しマイルドに言い換えても、必要なところだけを聴き、その方のお話を本当に聴けていたのだろうか。と思うのです。

逆に聞いてもらう立場はどうでしょうか。お話を真剣に聞いてもらえる。というのはとても嬉しいことです。聴き力を上げるにはどうしたら良いか。

「聞いてもらえているなぁ」と感じるプレゼントを渡す意識を持つこと。

そのための相槌の方法をご紹介します。

1、うなづく

2、座り直す

3、メモとペンを取り出す

4、手を使う

5、足を開く(受け入れる)

6、目を見開く

7、姿勢を良くする

8、肯定の言葉(そうだね、いいね、なるほどね、本当だね、私もそう思う、最高だね、そうなのか、すごい、それから?、面白いね、ほー、ちょっとメモいいですか)

9、受け入れるが肯定はしない(興味深い考えですね、新しい視点。○さんならではだ。そうかもしれないね。そういう考え方もある。独自の視点を持ってるな。これまでにない、斬新さがあるな)

10、ページング。相手の言葉を繰り返したり、仕草をまねる。

「聴き力」は、コミュニケーションを取る上で、欠かせない要素であり、自分を助けてくれるスキルだと思います。人は話を聞いてもらえると嬉しい。認めてもらえると嬉しい。承認欲求を満たすと、心を開いてもらえ、相手との距離がグッと近づくのではないでしょうか。

特に、ここぞというときは、メモをし始める。が有効です。

よければ活用してみてください。

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