【チッチッチ】中原くん「自問自嘲」で1.3倍ハードボイルドになれるnote
こんにちは!
アキレスと亀のともきです!
今回は
中原くん「自問自嘲」
について
焦燥のうた
30の壁
チッチッチのリズム
の3つのキーワードで勝手深読みしていきます!
焦燥の歌
「自問自嘲」はタイトルこそ中原くんらしい言葉遊びなのですが、歌の中身はひりひりするような焦燥感にあふれています。
ちょっと聞いてよ
のらりくらりと生きてきたツケがとうとう回ってきたようだ
いわば不感症 常に不完全燃焼
ねえ少年のころあんなに夢見てた深夜零時 今じゃ飲み足りなく仕切り直し
起きる時間も早くなった割りに割に合うほど働いてない
ねえ、君だよ?君に聞いてるよ?君はいい顔で笑うね?
僕なんて愛想笑いのし過ぎで目尻に痣ができそうだよ
ラップのように詰め込まれた歌詞が焦燥感をより強めます。「早くなった割に割に合うほど」とか言葉の繰り返しのリズムの良さが際立つ作り方はすっげぇの一言。
少年のころあんなに夢見てた深夜零時。これもわかる。
小さい頃は親に怒られたりしながら夢見て、起きてた時はなんかちょっと悪いことしているようでワクワクした深夜零時も別に今では普通に起きてる。なんなら飲み会なら盛り上がってくる頃かもしれん。
あれなんなんだろうね。純粋な体力的とか気力的にはなんなら子供のほうが元気な気すらすんのにね。いまは普通に起きて、何の感慨も抱かずに過ごしてる。そう思うとなんかもったいないな・・・
とこんなような感じで楽曲通して過去と今を比べてみるとどうなんだい!?というような表現がたくさん現れます。
30の壁
続きの歌詞も見て行ってみましょう。
今の笑うとこなんだけど?いいじゃんたまにはサービスしてよ?
君の見えてる僕と僕が演じる僕に摩擦はあるのかなぁ
なあなあふあんだなあなあなあにしてきた話をブリ返そうか
「30までに売れなかったら生きててもつらいのでクタバリます」
我ながら臭えし嘘臭えけどもその時は割と本気で
それが今でもアイワナビーアイワナビーアイワナビー
悲しいほどに現状維持も足がもたついてる これも音楽の魔法だよ?
逃げも甘えもたっっくさん覚えて偉いねえ凄いねえ
あっ
このタイミングで舌打ちは怖いからちょっと黙っててね
やっぱり圧倒的な言葉の波にながされてされてしまいます。
君が見えてる僕と僕が演じる僕の摩擦。深い。けど思い当たる節もある。
キャラクターなんて演じてるつもりないのになんか相手が望む自分を想像して返事をしてしまうあれなんなんだろうね?そのくせ答え合わせはしてくれないよね。
「30までに売れなかったら生きててもつらいのでクタバリます」
そんでやっぱりこれなのよ。夢を追いかけるのは30まで。みたいな話はよく聞くけどあれどこが発祥なんだろうね?余計なお世話じゃ!!と思う反面、ぎりぎり戻れるのはそこまでなのもまぁわかる。私もアラサー。
それでも、今でもアイワナビーを繰り返すこの歌。ついに現状維持までも足がもたつく。なかなかうまくいかないもんです。
言葉のリズムは溜めや抑揚含め音ハメがかっちりしててノリノリになれるのに、なんかこう心の奥がひりひりしてくるような、そんな歌。このバランスよ。
溜めの作り方声色の使い方が神の御業。そこにシビレる憧れるゥ。
そして楽曲の後半では、このひりひりを通り越して立ちあがる描写が秀逸なんだよなぁ・・・
チッチッチのリズム
さて、そんなノリノリなのに焦燥的な楽曲を象徴するようなフレーズを紹介しましょう。サビの歌詞です。
チッチッチのリズムに臆病になってる
僕は都会のさざ波に飲まれてる
チッチッチのリズムと君がふとこぼした
「ごめん」で僕は悦んでいる
チッチッチのリズムとは何なのか。さっきの歌詞とのつながりでみればたぶん舌打ちの音。
舌打ちをされることに臆病になってる。
でもある一点まで行くと舌打ちとか悪口って楽しくなってくる気がする(あくまで個人の感想です)
でもなんかそれだけじゃ面白くないよね。ということでさらに妄想を膨らませましょう。
ここまでの歌詞は過去と今を比べてしまうような描写が多かった。そう考えるとこのチッチッチという音は時間が過ぎる音。つまり時計の秒針の音。という見方はできないだろうか?
秒針が進む、時間が過ぎていくほどに不安になっていく。
でもひりひりの中で覚悟を決めれば、逆境にさいなまれるたび「面白くなってきたじゃねぇか・・・」とハードボイルドに不敵な笑みを浮かべちゃう。かっけぇじゃん。
なんかかってなイメージだけど中原くんにはそんなハードボイルドが似合います。
だからこそ後半の展開がめちゃめちゃ熱い。
夜はやがて朝に 破り捨てた記憶
書いて消してしてた あの頃の僕が消えない
全て嫌になって 誇張なく死にかけて
それでも書いて消して書いて消して書いて消して書いて消して
面白がられて ひどく煙たがられ
それでも信じてた イツカノヒカリ
朝がやがて夜を 迎えたとき気が付いた
偶像も 崇高も 手に届かないから愛おしい
説明なんてしたら野暮なんじゃないかってくらいハードボイルでロックンロールでブチアガリ確定演出です。
時間がたってもあの頃の自分の影が消えない。あこがれていたものは手が届かないから美しいと気づいた。
でもそれを歌にして歌ってることがそもそも答えなんだよね。かっこいいぜ中原くん・・・
まず一聴してほしい。ほんとシビレるから。
心に火はともっているかい?
そんな中原くんも参加するジョイミューことEnjoy Musicから
コンピレーションアルバムEnjoy Music New Wave Generations vol.2のリリースが発表されています!乞うご期待!
それではまた次回の記事でお会いしましょう!ばいばい!