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朗読劇「胡蝶の手紙」感想

こんにちは!くまゑです。

掘り出せ!推しメディア、今回は朗読劇「胡蝶の手紙」。2024年10月3日現在、公演中です。

表題、朗読劇「胡蝶の手紙」を観劇してきました。

良かったところ、「観にいこうか悩んでる」方に向けてのポイント・情報などを項目に分けてお伝えしたいと思います。


グループ/キャスト/スタッフ紹介



(グループ紹介)



・朗読劇シリーズ「スーパーミヤジマンヒーローズ」


ニチアサ好きでも知られる宮島咲良さんが座長をつとめる朗読劇シリーズ。
本作「胡蝶の手紙」は昨年の旗揚げ作品であり、今期は再演に当たります。



(キャスト紹介)



・宮島咲良さん

(X,Twitter/Instagram)
アナウンサー出身の活舌の良さを軸に、「多趣味」と底抜けの明るさが魅力の才女。マルチに活躍しているが肩書はフリーアナウンサーとのこと。
ニチアサ(スーパー戦隊シリーズ・仮面ライダーシリーズ)好きでも知られていて、TTFC(東映特撮ファンクラブ)動画での司会・MCなどでもお馴染みです。

人となりを知れるYoutubeチャンネル「スーパーミヤジマンタイム」ではニチアサ俳優たちもたくさんゲスト登場していて超楽しい。



・阿澄佳奈さん

(X,Twitter)
「WORKING!!」の種島ぽぷら役など「元気で幼い印象を受ける少女役」が多い人気声優。今期(10月3日から)始まる「結婚するって、本当ですか」の小宮夏海役は元気だが大人な部分もあるキャラクターで、新しい阿澄佳奈像が描かれそうで楽しみです。



・CHiCOさん

(公式サイト/X,Twitter/Instagram)
元々いわゆる覆面での活動を長らくつづけていた人気歌手。銀魂(第三期「銀魂゜」表記)オープニング「プライド革命」などアニメソングの提供も複数あります。来年4月にワンマンライブも決定していて、ますますの活躍が期待されます。
近年はソロ・顔出しでの仕事を精力的におこなっていて、舞台活動は今劇が初めてだそうです。

・タカハシシンノスケさん

(公式サイト/X,Twitter/Instagram)
スーパー戦隊シリーズ「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」の敵幹部ソノザ役での活躍も記憶に新しい人気俳優。同作で戦隊メンバー・雉野つよし役をつとめた鈴木浩文さんと二人でつづけるラジオ「タカハシシンノスケ鈴木浩文はラジオがやりたい。」(というタイトル)では二人の赤裸々な日ごろの様子なども聴けます。



・前田玲奈さん

(X,Twitter/Instagram)


「ウマ娘 プリティーダービー」シリーズでのグラスワンダー役を代表作に、「ももくり」の早柿莉央役、「HUNTER×HUNTER(第2作)」のマチ役など、いわゆる「お姉さん」的な役どころが得意なイメージが強い人気声優です。
X(ツイッター)を拝見すると楽しく最新の競馬情報にも明るくなれます。

(スタッフ紹介)



・岩田光央さん

(X,Twitter)

「AKIRA」の金田正太郎役をはじめ数々の主演・メインキャストをつとめる人気声優。役どころからはイメージつかないほど楽しいトークを繰り広げ、Abemaで放映される声優トーク番組「声優と夜あそび」に登場するたびにお腹かかえるくらい笑わせてもらっています。
今作では演出という立ち位置で舞台の登板はありませんが、朗読劇に世界により入りこめる演出をつとめてくれています。

・正岡謙一郎さん

(X,Twitter)

オールナイトニッポン」からはじまり放送作家や脚本家、作詞家など言葉にまつわる仕事をマルチにこなされている人気作家。声優やタレントが主体となるラジオ番組や、現行のPodcast番組「科学のラジオ ~Radio Scientia~」では専門知識を幅広く楽しく聴かせるような構成など、テーマに応じてベテランの手腕をみごとに発揮されています。

※初演公演時のツイートより。
左から正岡謙一郎、タカハシシンノスケ、前田玲奈、宮島咲良、CHiCO、阿澄佳奈、岩田光央(敬称略)


・K'sukeさん(※追記)

(X,Twitter)

今作、舞台端にて劇伴を生演奏するミュージックプレイヤーさんのようです。(若干曖昧な表現で申し訳ありません。)
アコースティックトリオ(トリオやデュオで活動)「Monologue」など現役フロントでの活動も活発なようです。
弾き語りや打ち込みなど全方面での活躍されているらしく、イベントの記録ブログなどを読ませていただくとライブ感を重厚に味わえるようで、どこかで機会があれば立ち寄ってみたいです。

朗読劇「胡蝶の手紙」の観劇感想


・あらすじ(公式引用)


時に台湾から日本まで、
風に乗ってやってくる蝶がいる。

「迷い蝶」と呼ばれるその蝶は
小さな羽で1000キロもの距離を飛んでくるという。

家族との間に心の傷を持つ女性、林田美佳が訪れた台湾。
そこで出会った、台湾人の友達、
そして心優しい少女と老人。
彼女たちの交流の中で知る「台湾と日本の過去」。
語られる78年前の悲しい恋の話。

誰もが必死で、誰もが傷ついて、
誰もが優しさを求める。
時を超えた再生の物語。

https://miyajiman.net/


・物語の感想(※ネタバレなし)


コロナで世界が変わる少し前の2016年に友人たちと行った台湾旅行(※)のことを暖かく、そして微笑ましく思い出しながら観れました。

下調べもせずに訪れた観光地ではロープウェイが休みだったり、ふとはいったお茶屋さんのおじいさん(ご存命ならいま96歳前後)が日本語で美味しいお茶の説明をしてくれたりした思い出と通じるようなエピソードもあって、「台湾のあたたかさ」や「無計画に旅することのある種の楽しさ」などをうなづきながら受け取りました。

あらすじにもあるように初演年(2023年ごろ)からみた「78年前(1944年ごろ)」当時のエピソードにふれるので、戦争・戦後・当時の政治と切っても切り離せない部分はありますが、ほとんどが「個人単位」のエピソードにフォーカスしていて、観ていてストレスになる展開はありません
(「戦争モノ」のようなイメージから、そうした作品を忌避される方に向けてのメッセージです。)

同年代を描いた最近作の小説・映画「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」などもそうですが、「戦争と乖離した世代」と「当時の人や文化」との遭遇について、戦争の悲壮な部分だけでなくもっと身近な「感情の動き」にフォーカスした最近のジャンルの一作なのだと感じました。

わざと(少しの)言葉足らずに終わらせているエピソードもたまにあり、「気になったところはあとで調べてみて」というメッセージもあるのかなと感じました。

全体的に「淡い青春」を体現したキャラクターとエピソードで構成されており、前向きな淡さに心打たれました。


※村栄龍司「グランプリ・台北2016 レポート」

https://mtg.bigweb.co.jp/article/2016_1
(ゲームイベント参加を兼ねた旅行だったので同行の友人が旅行記を挙げたものが残っていました。観光に関しては第3・4項目です。いま総額費用みたら安すぎて目ん玉とびでました)

・キャストへの感想(※ネタバレなし)



座長をつとめる宮島咲良さんが主演であり、出ずっぱりの形です。
宮島咲良ファンとして、非常に満足の行く構成でした。
普段YoutubeやMCなどで(主に)見せる楽しく元気な様子だけでなく、胸詰まる感情的な表現なども存分に観れます。

また助演女優のような形で阿澄佳奈さんの登場・発言シーンも多いです。
宮島咲良さんとふたり、「元気な女の子のタッグ」といった様相で、キャスティングからイメージできる魅力をたっぷりと表現しつづけてくれます。
いわゆる「笑いどころ」の担当もしていて、脚本の軽やかな部分を阿澄さんらしい形で示してくれました。

ChiCoさん、タカハシシンノスケさんも物語上重要なキャラクターをつとめます。特にソノザの不気味な高笑いの印象も強いタカハシシンノスケさんですが、「腰の曲がった高齢の台湾人のおじいさん」役というパッ見でも難しい役どころをほとんど声一つで演じており、声の演技の幅広さをみせてくれました。

台本を手に台詞を読み上げるという朗読劇の性質上、極端な身振り手振りでの演技が難しいからこそ声の演技に求められる要素が多いので、語調や語尾、それこそ沈黙にまで込められたものが沢山ありました。アニメのようですが、アニメよりもそうした声にならない声や沈黙を活用することを意識していることを感じ、朗読劇ならではの部分も楽しめました。

終演後のアフタートークにて「自分だけ声をメインにしたプロではない」と話していたタカハシシンノスケさんですが、けして他の皆さんに見劣り(聴き劣り)するものではありませんでした。歌手であるChiCoさんも同様です。目の前の作品にかける熱量の高さが、演技という形で可視化されていました。

前田玲奈さんの出番は時間でいえば短いともいえますが、この「胡蝶の手紙」という作品が作品として完成するために最も重要な役どころをつとめています。「優しいおねえさん」という声優としての印象を強みに、高齢のおばあさんを演じきりました。

プロの声優として阿澄佳奈さんとふたり、元々のキャラクターイメージより高めとなる年齢層を演じていたと思いますが、良い意味でイメージを崩さずにキャラクターを演じ切っていました。

今タイトルが初舞台というChiCoさんを含めて、演技が幼い・拙いというような印象を受けるタイミングはスタッフみなさん全くなく、老舗の劇団のように安心して観続けられました。

またステージ全体を盛り上げる劇伴を生演奏してくださっていたスタッフの方もいらっしゃいました。(※K'sukeさんです。スタッフ欄に追記しました。)

・イベントへの感想

・ステージと観客席について

今回のステージ舞台「恵比寿エコー劇場」自体は全150席ほどと大きすぎるわけではないので、S席・A席として販売されているどこの席からでも観劇は全く問題なく楽しめると思います。

特に待機できる広いロビーがあるわけではないので、開場より早く来るメリットも必要もあまりなさそうです。

駅からそう遠くはないですが、閑静な通りの方になるのでコンビニなどは若干距離があります。

・物販について

開演初日時点ではステージ入り口近くの物販の在庫も充分量ありそうでした。いわゆるアクリル、ステッカーの他、台本とマフラータオルなども良心的な価格で販売されてまいました。

普段あまり舞台の台本は購入しないのですが、少し気になった点があり今回入手しました。(多くのことが解決しました。細かいことで、特に演技の不足などに起因する部分ではありません。)

・アフタートークについて

千秋楽公演以外についている「アフタートーク」ですが、たっぷり15分ほどあり、都度完全アドリブで回ごとに内容が違うようです。初回はタカハシシンノスケ回として彼の掘り下げエピソードがあり、次回以降はそれぞれのキャスト(順序未定)の掘り下げとのことです。次の「お見送り」を含めて、推しキャストがいるようでしたら、本当に今イベントはおすすめです。

・お見送りについて

こちらはS席特典となりますが、アフタートーク後にキャスト5人によるお見送りがあります。
宮島咲良さんがX(ツイッター)にて「キャストとお話できるよ」と告知されていたので存在は理解していたのですが、軽く一言という一瞬ではなく、イメージよりもめちゃくちゃハッキリ会話できます。結構ほんとにびっくりしました。
今劇の感想だけでなく、各自の活動にふれてお話してる方も沢山いらっしゃいました。

席の都合上、一番最後にお見送りしていただけて、待ってる時間も含めてそわそわしっぱなしでした。
(案内などの都合もあると思いますので、具体的な座席位置については記載しません。)

プライベートな話題をお伝えしたキャストもいますが、劇の生の感想と普段からの応援も直接伝えられる機会はやはり相当に貴重です。

キャスト5人のうちだれか1人でも気持ちを伝えたいファンであれば、このお見送りイベントをメインの目的に、朗読劇もあわせて楽しめるというような気持ちで参加することもオッケーだと思います。

・⭐︎時間・夕食について

イベントの直接の感想ではありません。
今回参加した平日回は19時開演で自分(たち)は18:45ごろ入場し、最終的に会場を出たのが21時頃と、なかなかダイレクトに夕飯時でした。
席での飲食はできません。ロビーではキャップのついたペットボトルのみ飲めるとアナウンスがあったと記憶しています。
食事については事前に軽く済ませるか、イベント後に感想会を居酒屋などですることをベースに動くと良さそうかなと感じました。

友人と一緒に自分たちは事後に「香川一福」さんにてうどんをいただきました。タイミングによっては行列のようですが、するっとはいれました。
日に三回うどんでも良いくらいうどん好きなんですが、つるつるしこしこの讃岐うどんでめちゃくちゃ美味しかったです。
(感想会をするスペースには全く適してません)

「香川一福 恵比寿店」(食べログ)

・総括

安定感のある内容で、二作目以降も観に行きたいな、と素直に思せてくれるキャストでありスタッフでした。さらにイベントとしての魅力はプラスな部分が大きく、満足の一言です。

公演中の舞台の感想としては少し長いものになってしまい、もしかしたら見る予定の方は見る前の楽しみの時間を奪われたと感じる方もいるかもしれませんが、それ以上に見ようかどうか悩んでる、こんなのあったんだ、どんな感じなんだろうと思ってる方々に、必要な部分だけでも届けばと思い、書かせていただきました。

宮島咲良さんのX(ツイッター)でもあけすけに語られてますが、席、日によってはまだまだあいてるようです

(チケット販売ページ)

https://t.livepocket.jp/t/c63jb


再演とはいえまだ初日が終わったばかりです。楽日を含め、まだ複数公演を残しています。行けそうな方はぜひスケジュールと相談して、観に行ってみてください。

#スーパーミヤジマンヒーローズ
#胡蝶の手紙


・(後書き)知らなくても楽しめる情報



最後に、"劇中で必要な分の説明がある"用語に関連する可能性のある補足・補完情報です。直接言語化されてない項目を含みますので、背景理解をほんの少し助けられれば、と思います。注意ですが、「物語を楽しむ上で特に事前に知っておかなくても良い情報」です。

・「胡蝶」表記


日本語においては古い「蝶」の表記で、現代中国語における「蝶」です。
源氏物語(1008年ごろ)での表記で登場するほど古くから使われ、俳句の季語としても用います。

・アサギマダラ


蝶の一種です。漢字表記「浅葱斑」。全体的に透ける水色がまだらぽく、黒い筋様の翅脈が走っています。後翅は茶褐色で、まだら部分に浅葱(薄い藍・青緑色)を思わせることからその名前がついています。

成虫は、春から夏にかけて南から北へ移動し、移動先で世代を重ねた後、秋になると南へ移動します。
長距離の飛翔、海を渡ることが知られています。
漫画「鬼滅の刃」に登場する胡蝶しのぶの衣装のデザインイメージにもなっています。

・台湾桃園国際空港


台湾最大の国際空港です。現在第3ターミナル建設中。日本との直接便も多く、台湾旅行の際には基本的には利用することになります。
台湾旅行の際に自分もお世話になりました。

https://www.taoyuan-airport.com/?lang=jp

台湾旅行の観光スポットなどを紹介したサイト


・神奈川県相模原市


県北部に位置する現在約72万人が住む市です。調べたところJAXA(宇宙航空研究開発機構)の相模原キャンパスがあります。初めて知りました。少し行きたいです。

・台湾夜市


台湾の各市の主要な活動圏では夕方から始まり、夜遅くまで営業するお店、屋台がたくさんあります。 原宿のようでありお祭りのようです。観光客向けの要素もありますが現地民の利用も多く、混然としています。

ネットフリックスシリーズ「ミッドナイトアジア:食べて・踊って・夢を見て」での特集回も印象的でした。夜市が夜だけ開催される理由などにも言及があり、勉強になりました。ミッドナイトアジア、全体を通してファンキーな作りで良かったです。

・ビンロウ



アジアやアフリカの一部に群生するヤシ科の植物です。中に含まれる成分、アレコリンによってタバコのニコチンと同様の作用(興奮、刺激、食欲の抑制など)を引き起こすとされています。
普及している利用法では歯や口の周りがべとっと赤くなります。
台湾では2002年ごろから台北を含む大都市での販売はおおむね禁止されていて、利用は地方の文化として認識されつつあるようです。

(インドネシアで実際にビンロウに挑戦された方のブログ)

・映画「ハナ子さん」


1943年に公開された日本のミュージカル映画です。
漫画「ハナ子さん一家」(シリーズ)原作、轟夕起子主演。元々漫画自体、轟さんをモデルに描いたものとされているようです。

当時人気の女優(元宝塚)であり黒澤明監督による「姿三四郎」にてヒロイン・小夜役などもつとめていました。

作品としては戦意高揚映画の要素が強いこともあるのか、いまだに快作との呼び声も多いなか、配信・現行販売などはされていません。
元々、監督が映像化することを決めたラストシーンは検閲されてカットされているなど、時代を感じさせるエピソードもあるようです。
轟による主題歌「お使ひは自転車に乗つて」は当時人気を博していた様子。

(平成24年度岐阜大学公開講座/地域科学部企画「戦争と平和を考えるIV」講義テキストより「ハナ子さん」について引用部分)


※追記
千秋楽開演後にネタバレ有りの感想を別記事にして公開しました。




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