都内大学法学部受験の解像度を上げる
いつもお世話になっている方の娘さんが来年大学受験をされるとのことで都内大学の法学部受験を想定して文章を書いた。
結構長くなってしまったのでいったんこちらで共有。
後々非公開にするかも
想定条件
MARCHレベルの私学と国公立の法学部法律学科を併願
予備試験→司法試験の法曹ルートを志望
推薦入試やAO入試は想定していない
今回のサンプル大学
国公立大学から2つと私立大学から1つの合計3校を選択。自宅から通う想定で都内の大学のみ検討した。MARCHからは法学部が最も有名な中央大にした。(知名度だけでなく在校生の予備試験合格者も最多)
一橋大学 法学部
東京都立大学 法学部 ※長いのでTMU
中央大学 法学部
MARCHより難易度の高い私立大学は早稲田、慶応、上智、ICUの4校しかない。法曹志望ならICUは除外される。
受験方式とそれぞれの合格者
一橋
募集枠 154人
指定校推薦:10人
共通試験+大学個別試験:144人
TMU
募集枠 193人
指定校推薦:28人
共通試験+大学個別試験:165人
中央
募集枠 636人
大学個別試験:385人
共通試験:145人
共通試験+大学個別試験:52人
その他:54人
ポイント
そもそも募集枠の数が全然違う。私立は大学による差も激しいがMARCHなどは割と多く学生を採る大学。
大学のレベルが低いほど、合格者は募集枠より多く出す。合格したけど、ほかの大学に逃げられる可能性が高いため。
中央は募集枠が636だが合格者は2倍以上は出すと思う(イメージ)
国公立の2校が8-9割「共通試験+大学個別試験」なのに対して、中央は1割以下
中央は半分以上が「大学個別試験」での合格者
国公立大学の受験科目と配点
一橋
共通試験:270点
国語(50)、数学IA(25)、数学ⅡB(25)、理科(50)、英語(50)、地歴(35)、公民(35)
大学個別試験:730点
国語(110)、数学(180)、地歴(160)、英語(280)
TMU
共通試験:750点
国語(200)、英語(350)、(地歴、公民、数学IA、数学ⅡBから一つ選択(200))
大学個別試験:300点
国語(150)、(数学、地歴から一つ選択(150))
ポイント
共通試験と個別試験の比率
一橋は個別試験重視であるのに対して、TMUは共通試験重視の配点
一般に難易度の高い大学ほど個別試験の比重が高くなる傾向にある
英語
文理を問わず受験において最重要科目、共通試験でも個別試験でも必須となることが多い
一橋は両方で必要かつ最大配点
TMUは個別試験で英語がない代わりに共通試験の英語の配点が高い
数学
一橋は法学部受験(文系)にもかかわらず個別試験でも数学があり、しかも配点が社会以上に高い
TMUは共通試験、個別試験ともに数学なしでも受験をすることが可能
一般に国公立大学法学部を受験しようとすると、共通試験では数学が必要、個別試験では不要、となるケースが多い印象だが、今回の2校はどちらも違う
私立大学の受験方式の複雑さ
マジで複雑です。びっくりするくらい複雑です。質問あれば個別に下さい。
大前提として私立大学は受験料で儲けている側面があります。ゆえにいろんな学生が受験できるように様々な受験方式を設けるし、何回も受けられるような仕組みになっています。
中央大学の法学部では下記のように合格者が出ます。
大学個別試験:385人
共通試験:145人
共通試験+大学個別試験:52人
その他:54人
これを詳細に記載すると
大学個別試験
学部別 4教科 60人
学部別 3教科 269人
学部共通 4教科 20人
学部共通 3教科 36人
共通試験
5教科 115人
3教科 30人
共通試験+大学個別試験:52人
その他:54人
スポーツ推薦
英語運用能力(帰国子女入試)
チャレンジ入試(AO入試)
その他の受験方式を除いても7回受験することが可能
個別試験のところに記載のある「学部共通」は他学部と同じ試験問題、「学部別」は法学部専用の試験問題で選抜されるという差があります。
ここからすべての方式の説明を長々と行うのも大変なので、合格者の多い2方式「個別試験のみ 学部別 3教科」と「共通試験のみ 5教科」に絞って配点などの話を進めます。
個別試験のみ 学部別 3教科 350点
英語(150)、国語(100)、(地歴、公民、数学から一つ選択(100))
ポイント
英語と国語は必須、残りの一つは得意科目を一つ選択できる
地歴と数学を受験して高得点だったほうを採用してもらえる
英語だけで全体の4割以上になる
共通試験のみ 5教科 600点
国語(100)、英語(200)(地歴、公民、数学、理科から3科目)
ポイント
国語と英語は必須だが他教科も必須
地歴、公民、数学、理科から3科目は私立のみを受験している人間には科目数が多いため、国公立志望の学生が併願するように設計されている
各大学の難易度
難易度の表記について
共通試験は合計得点の割合が%表記される。ここで書いてある合格ラインとは、その点数がとれると合格率50%
大学個別試験は大学間の単純な比較が難しいため、各予備校の模試の成績などから便宜的に偏差値がつけられる。
一橋大学
共通試験 82%
個別試験 67.5 (受験生の上位4%)
TMU
共通試験 78%
個別試験 60.0(受験生の上位15%)
中央大学
個別試験のみ 学部別 3教科 62.5(受験生の上位10%)
共通試験のみ 5科目 80%
最終まとめ(個人の感想を含む)
大学や受験方式によって必要な科目や、各科目の重要性が大きく変わるので、事前のリサーチはある程度必要
自分の得手不得手、どの科目をどのくらい頑張るのかの把握
現役の最後の一年は思った以上にいろんな科目の成績が上がるので模試などで自分の実力を客観視
志望校のランクを途中で下げるのは簡単だが、上げるのは至難の業なので高望みくらいで受験スタートしてよい
ここでは記載していないが、大学個別試験も大学によってカラーがかなり異なるので過去問などを触ってみるのもよい
記述式が多いとか、問題数が少ないとか、結構大学による好みもある
親目線で行くと費用の試算も必要
受験料や入学金をいくつもの大学にはらうと百万くらいすぐいくイメージ
私立大学に一度合格したら、すぐに(3日以内くらい)入学手続きと入学金を支払うことになります
払わないと入学の意思なしとして、入学できなくなる。
国立受験前に受かった私立の入学の権利をキープするためにいくつもの大学に入学金を支払うケースもある…
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