【中学受験:算数】論理パズル「ブロック分け Ⅱ」の解き方 (ここはこれしか無いよね理論)
今日は「ブロック分け Ⅱ」という論理パズルの解き方です。
ただ、この問題の難易度は高いので、慣れていない方は、私の過去のコラム「ブロック分け」や「道をつくる」の解き方で、論理パズルの解き方に慣れてから読んでいただくことをお勧めします。
なお、出題は天才脳ドリル(上級)より引用です。
【ルール】
①空いたマスすべてに1ケタの数字(1~9)を入れます
②全体をいくつかのブロックに分けます。
③1つのブロックは必ず、たて又は横につながります。
④1つのブロックにはすべて同じ数が入ります。
⑤ブロックに入る数は、そのブロックに含まれるマスの数と同じです。
⑥同じ数の入る異なるブロックが、たて、横に接することはありません。
さて、この問題でも、「ここはこれしか無い」ところを探しましょう。
やはり、選択肢の限られる端っこから見ていくのが基本です。
一番簡単そうなのが、右下の2ですね。
2の両サイドが別の数字なので、上に行くしかないので、上のマスを付けて2のブロックが完成です。
そうすると、右下の5もヒントが増えやり易くなっています。
左下の5のブロックは5マス必要ですから、とりあえず上につなげるしかないので上の2マスは同じブロックになります。また、黄色5もルール⑥より同じブロックになります。そうすると後1マスで完成です。選択肢としてはピンクのマスのいずれかですが、現時点では確定しないので、飛ばします。
次に左下に注目すると3からは右に出るしかないので、右となりは3になるしかありません。ただ、そこから右ピンクに行くか、上ピンクに行くかは確定しません。
次は、その上の5です。
ここは、以下の3パターンのブロックが考えられます。
つまり、ピンクのマスについて、それぞれ3つの選択肢があるのです。
逆に考えれば緑のブロックはいずれのパターンでも5のブロックに含まれるので、緑ブロックは5で確定します。
次は、左上の4ですが、ここはパターンを考えることで確定させられます。
左上の4を含む4マスのブロックは以下の3パターンです(ピンクの2マスのいずれかがブロックに入ります)。
このうち、パターン1・2はルール⑥によって否定されます。4のブロックと別の4のブロックが、となり合うことは禁止ですからね。
従って、ここはパターン3になります。
そうすると、その下の2については右に出るしかないので、ここも確定します。
また黄色4は上に行くことができないので、黄色4の上側はブロックを隔てる「かべ」になります。
次は、緑3の上下とも別のブロックに囲まれているので、ここに注目しましょう。
ここは、緑3から右に3マス付けるしかありません。
これにより、黄色3が左に行けなくなります。これもルール⑥で禁止ですからね。
そうすると、黄色3の右の緑マスをつけて、そこからどちらかのピンクマスを付けることになります。緑3の上の×マスは付けられません。×の上の3と付いてルール⑥に反してしまいます。
ここで、2つの選択肢になったわけですが、もし下のピンクにしてしまうと、不都合なことが起きます。それは、青の4がルール⑥に反して4なのに1つのマスのブロックになってしまうのです。
従って、緑の右のピンクのマスが3となるのが正しいです。
次は、緑3の上のマスには3は入らないことに注目しましょう。
下の図を見てください。
緑3と黄3は隣り合っているので、同じブロックになるのですが、緑3の下には3は入らないので、残りの1マスはピンクマスのいずれかになります。
ただ、もしピンク「い」を3にしてしまうと、青5がルール⑤に反してしまうので、ピンク「あ」が正解です。
次は、その左側の5のブロックに注目しましょう。
ここは、もう緑の5マスで5のブロックを作るしかないんじゃない?
と思われるかもしれないですが、もう1つ別パターン考えられるので一応検証しましょう。
別パターンというのは、黄マスに1を入れるというものです。
これは、青4のマスがルール⑥に反するので結局否定されます。
とはいえ、1マスに1を入れるパターンは見落としがちになるので気を付けましょう。
次は、その下の緑4が3方を囲まれることになり、右に出るしかないので、緑4の右(黄色)が4になります。同じ理由で青4の横も4です。
さて、ここで一見して、「ここはこれしか無い」と決められる場所がなくなってしまったように見えます。
そうした時には、「このように仮定すると矛盾が起こる。だから、これじゃないのが正解だ」という背理法のような手法を使いましょう。
じゃあ、これをどのような場所で使うかというと、選択肢が少ない場所で行いましょう。ここでは、青とピンクのマスがポイントになります。
まず、青ですがここには3か5が一見入りそうです。4は下の4のかたまりとつながって、4以上のマスのブロックになり、ルール⑤・⑥に反するので禁止です。あと、1という選択肢もあるので、忘れず検証しましょう。
【仮説1:青に3を入れてみる】
青に3を入れるとその上の緑の4のブロックがピンクを取らないといけません。ただそうすると、黄色の5のブロックが5マスを確保できなので、矛盾を起こします。従って青に3を入れることは否定されます。
【仮説2:青に1を入れてみる】
青に1を入れた場合も、仮説1と同様の矛盾を起こします。
従って青に1を入れることは否定されます。
【仮説3:青に5を入れてみる】
よって、青には5を入れるしかありません。
「3も1も矛盾を起こすから、ここは5を入れるしか無いよね」ということです。
そうすると、ピンクは4で確定されます。
さて、ここまで理解して頂いた皆さんならば、後は、迷わず解答できると思います。なお、ヒントとしては、次に着目するのは緑のマスです。
いかがでしたでしょうか。かなり長くなってしまったので、大変だったと思いますが、この問題の一番のポイントは仮説1~3を立てたところです。
これは、背理法という数学の考え方に近く、大学入試でも使われる手法ですので、是非使い方に慣れてみてください。
小学生も使うドリルでこのような考え方を学べる天才脳ドリルは大変お勧めの教材なのですが、子供が自力でやるには難しい部分もあります。
子供に教える際にこのコラムが役に立てば幸いです。
なお、一応解答を以下示しておきます。
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