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50m9.7秒の自分が持久走で上位層だった

二月の頭に持久走大会をやった。

会場である近所のでかい公園に向かう赤と青のジャージの列はとても邪魔なものである。
みんなこれから走るからか足取りがすごく重い。そして私も鎖がついたかのように重い。
だって今日は練習の時よりも距離が伸びるから。
そしてルートが全然違うらしい。お願いだからルートを事前指導してください、本番に急に走らせないでくださいと思った。
男子は女子が走る距離の二倍近くあり、これが少ない「女子でよかった」と言えるメリットである。

小中めっちゃ足が遅かった。持久走なんて下から数える方が早かったし表彰台なんて夢のまた夢。絶対歩くか!という気持ちによってゆっくりながら走って完走はしたがいい順位はついてこず、ただ疲れて終わるだけの最悪なイベントだと思ってた。高校に入って行われた持久走は小中とは距離が2キロくらい増えて拷問だと思ったが、それまでの早かったであろう人たちはだらくして友達と楽しく走ってるし意外と早く走り切ることができた。むしろ最初の2キロくらいまではクラス女子2位という記録でめっちゃ調子に乗った。

しかし2キロ地点でいつもすごい抜かされる。
ペースを落としてるわけではなく周りがペースを上げてきてるだけである。

最初の数回というのはこんな距離無理だわみたいな感じです数回歩いていたが回数を重ねるごとに小中の頃の歩かない気持ちが復活してきて四回目以降からは歩かずに完走できるようになった。しかし2キロ地点でいつも6人くらいの団体に抜かされることには変わりなかった。記録は伸びてるのに順位は何も動かなかった。たまに一緒に走る友達にラストスパートで抜かされたり抜かしたりするだけである。

そして持久走最終回の2月頭も結局同じ順位だったが記録を見たら初回からタイムが2分も縮んでた。すごく嬉しかった。あー順位が変わってなくても私は進化してるんだなとテンションが上がった。でももう無理、出せるだけの最高記録だと思う。まあ来年の私に期待ということにしよう。

迎えた持久走大会当日は9時開会式で走るのは10時からのスタートで無の時間が30分もあった。この無の時間はほぼjk達の写真撮影タイムである。各々のグループでギャルピして地べたに座って可愛い子みんなで写真を撮っている。この波に乗るべく貴重品として預けられたスマホを回収し仲良い人たちとギャルピで写真を撮った。撮れた写真は意外とよかったのでメモリーのお気に入りに保存しておいた。

スタートダッシュはインドリは攻めておきたかったがデカすぎる二年生の壁に一年の私は諦めた。仕方ないがここは諦めよう。そして真ん中よりは前目でインドリとは言えないところにいた。
スタートはダラダラ話してたら合図の銃声が鳴り響き唐突なスタートになった。もちろん姿勢も作ってないので焦った。
一位争いの人はスタート20秒ですでに大きな差を作ってた。でも忘れてはいけない私は50m走9.7秒でクラス最下位である。私がどんだけ全力で走ってもクラス全員に抜かされるのである。
しかし持久走はほぼ体力勝負と精神論なので同じペースで絶対歩かないと心に誓えばいい順位は取れる。いつもは後半に入るところでまだ半分あるのかと気が重くなりすぎてペースが落ちるがいつもと違うコースに今半分なのかまだまだなのかあとちょっとなのかわからなかった。
先生達がたくさん立っていたのに心にこもってない頑張れを言ったり言わなかったりして先生には腹が立った。

カメラマンがいてパシャパシャカメラを向けて撮っているが走ってる時の顔なんてろくな顔ではない。最初の方は冷静にクールな顔で行ったが後半の方はもう不細工顔とかどうでもいいみたいな感じでキメ顔も作らずひたすらゴールのことを考えていた。よく考えたら友達と走ってるだから最初の1枚くらいポーズ取ってよかったなと反省する。

何一つ花が咲いてない枯れ枯れの桜並木を通り
下り坂で楽して上り坂で苦労し道ゆく散歩わんこに癒され保育園カートに積まれている小さい子に振られた手を全て返す。そして気づいたらあとちょっとだよーと知らないおじさんに叫ばれあと少しで終わることを知る。まだまだあると思ってて温存していた体力が「今が出しごろだぞ」と言わんばかりで急に足取りが速くなった。クラス一の美女がずっと前にいてこの子に足だけでも勝ちたいと思ってエンジンをかけたが最後の100メートルで吐きそうになったので攻めるのはやめた。

美女は抜かせなかったが最後の200メートルトラックで8人くらいは抜かしたと思う記録は1,2年生350人中81位だった。今までの人生にない好成績である。こんな好成績は人生で今日と来年にあると期待して華やかに寝ようと思う。

来年は50位狙います

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