土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域の指定に係る説明会。(愛川町日記 2016年1月8日より転送)
遅くなりました。
あけましておめでとうございます。
私も愛川町民になり結構な年月が経ちました(5年かな?フェードインしてきたのでよくわかません((笑))
で、今年も
八菅神社、地神社、龍福寺とまわりました。
しかし、まあ・・・
相変わらずの八菅神社の宮坂。
胸突き八丁で登ります。一人「Aikawa Adventure」です。
そういえば。
龍福寺も地神社も「崖の上ぎりぎり」や「崖の下」にあります。
八菅山の麓には人家もあります。
愛川町のみなさんも外に出たときにぐるりと見渡してください。
見渡す限り遥かなる地平線。
というのはアメリカの中央部の話で、国土の70パーセントが山である日本の中にある愛川町。
屏風のように仏果山や高取山がそびえ、半原山や三増の山々は津久井地域へ綿々と続く山地を想像させます。
そこから中津川が流れ、相模川と同様に長い年月をかけて、愛川町の中津台地に大きく渓間を作り出しています。
俯瞰的に見れば。
愛川町は山に囲まれ、そこから流れる川沿いに文化を形成している、という感じです。
山と川。
それが織りなすのは自然が作り出した「崖」です。
そして、そこには少なからずの危険が存在します。
土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域の指定に係る説明会。
「 県では、土砂災害から皆さんの生命および身体を守るため、土砂災害防止法に基づき、「土砂災害(急傾斜地の崩壊・地滑り)警戒区域」の指定のための調査を進めていましたが、調査が完了しましたので、法に基づく区域の指定を予定しています。
住民の皆さんに区域を指定する目的などをご理解いただくため、説明会を開催します。
なお、説明会は、同様の内容で6回開催しますので、ご都合の良い日にご出席いただきますよう、ご案内申し上げます。」
(愛川町役場ホームページより)
がんばって朝五時から仕事して、「都合」をつけて、誘われるように行きました。
ちなみに6回の日程は
1月 8日(金曜日) 19:00~ ラビンプラザ(体育室)
1月13日(水曜日) 19:00~ 文化会館(3階大会議室)
1月17日(日曜日) 13:30~ 文化会館(3階大会議室)
1月19日(火曜日) 19:00~ レディースプラザ(プレイルーム)
1月23日(土曜日) 13:30~ ラビンプラザ(体育室)
1月31日(日曜日) 13:30~ レディースプラザ(プレイルーム)
です。
私は
ご覧の通りラビンプラザです。
この時期の「ラビンプラザ体育館」は鬼のような寒さであることを体が覚えているので、完全防寒です。
今回はいつもの「審議会」とはちょっと違います。「説明会」です。
担当である神奈川県厚木土木事務所河川砂防課、愛川町役場から危機管理課、道路課のみなさんも完全防寒。
「土砂災害」といえば。
私も以前、愛川町ハザードマップを片手に歩いたことがあります。
今でも日本各地で一年間で1000件以上の土砂災害が起き、少なからずの命が失われています。
昭和42年から平成23年までの自然災害による死者・行方不明者総数(阪神・淡路大震災、東日本大震災を除く)の41パーセントが「土砂災害」によるものです。
犠牲を少しでも減らすための「最初の入り口」として「土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域の指定に係る説明会」。
まずは、「土砂災害防止法」から。
(国土交通省 ホームページより)
図内の「基礎調査の実施」が終了し、「区域指定」の前の「住民説明会」です。
法面の整備や土石流堰の工事などは「ハード面」しかしそれは全く追いつかず、「ソフト面」として「みなさまにも避難の心構えを」として「土砂災害防止法」があります。
(国土交通省 ホームページより)
「土砂災害」と一口に言ってもいろいろありますが、土砂災害防止法では以下の3つが挙げられます。
①急傾斜地の崩壊
・傾斜地が30度以上である土地が崩壊する自然現象
②土石流
・山腹が崩壊して生じた土石等又は渓流の土石などが水と一体となって流下する自然現象
③地すべり
・土地の一部が地下水などに起因して滑る自然現象またはこれに伴って移動する自然現象
今回の区域指定の基礎調査の対象は①と③です。②はすでに終了しています。
それでは、指定される「区域」ですが
①土砂災害警戒区域
②土砂災害特別警戒区域
の二つです。
ま、細かいことは
(国土交通省ホームページより)
こちらがわかり易いですね。
今回の基礎調査の結果、愛川町内では
①急傾斜地の崩壊
土砂災害警戒区域指定予定 96か所(土砂災害特別警戒区域指定箇所は今後の調査による)
③地すべり
土砂災害警戒区域指定予定 2か所(土砂災害特別警戒区域指定箇所はなし)
(②の土石流は34か所土砂災害警戒区域指定済み)
となっています。
つまり同じ「土砂災害警戒区域」であってもその区域要因が違うということです。
上記の図を見ても、箇所の形状が違いますね。
①に関してはすでに「ハード面」として大塚下で大規模な工事が行われています。
①土砂災害警戒区域
②土砂災害特別警戒区域
このふたつの意味も大きく違います。
①土砂災害警戒区域
・土砂災害の恐れのある区域
→警戒避難体制の設備など
②土砂災害特別警戒区域
・土砂災害警戒区域のうち、建築物に損壊が生じ、住民に著しい危害を生じる恐れのある地域
→特定の開発行為の許可制、建築物の構造規制や移転勧告など
まずはこれらの言葉を「理解」することです。
①②③の災害と①②の区域名を併せるとそれぞれ違う災害の可能性重度です。
自分の地域がもし区域内にあるならばどのような災害の恐れがある地域なのか理解することです。
それから
「地図」を見る。(写真は説明会でもらえるものです)
同じものが愛川町のホームページから見れます。
たとえば
ここからも、急傾斜地や地滑りの土砂災害警戒区域が互いに入り組んでいることがわかります。
そして、その黄色い枠の中には確かに生活をしている人々がいます。
「土砂災害警戒区域」を指定しないでほしい、と言っている人もいるそうです。
土地の価値が落ちる事や世間体ででしょうか?
今日の説明会でも「土砂災害警戒区域の指定基準を緩めてほしい」という要望がありました。
しかし、どうでしょう。
これらの指定はいたずらに「土地の価格」を決まるものではなく、「土地の形状や性質を把握し、生命と財産を守る為に必要な調査の結果」であることを忘れてはいけません。
すこし厳しいかもしれませんが、「急傾斜地の整備」などは本来は土地の所有者がやるべき事柄だそうです。
区域指定はおおむね5年で見直されます。災害の恐れがなくなれば区域の指定も外れます。(整備事業が進めば、申請で解除可能)
どのような「区域」に指定されたのか把握し、整備し、避難を迅速にできるためにこの地図は存在しています。
東日本大震災から私たちは「地震」への対策は常日頃から準備するようになりました。
しかし、「土砂災害」への備えはどうでしょうか?
私が取材した津久井地域や半原地域の人々が口をそろえて「土砂災害」への不備を訴えていました。
今回の説明会。
まだ5回あるということもあるからでしょうか、参加した人は10人もいませんでした。
われわれは自然に勝てません。
それは、浸水箇所は愛川町の面積とほぼ同じであった昨年の関東豪雨による被害でもわかると思います。
今回指定された「区域」。
土石流はその流れの速さは規模によって異なりますが、時速20~40kmという速度で一瞬のうちに人家や畑などを壊滅させてしまいます。
急傾斜地崩壊は突然起きるため、人家の近くで起きると逃げ遅れる人も多く、死者の割合も高くなっています。
地滑りは10~20度という緩やかな勾配の斜面でも発生します。
そのスピードと破壊力はほかの自然災害よりも強力です。
地図上だけではなく現地で目に見える形で「表記」(看板やいっそのこと地面の色を塗り替えていい)する必要があります。
ハザードマップを基にしたウオーキングイベントの企画などもいいかもしれない。
土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域の指定に係る説明会。
被害が起きてから「知らなかった」では済ませれません。
行政は「知らせる努力」をする必要があります。
そして。
私たち住民は「知る努力」をする必要があるのではないでしょうか?
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