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「横須賀水道半原系統」 (愛川町日記 2015年5月12日から転載)

先週は時間があったのでいろいろと


平成27年第一回文化財保護委員会傍聴

歴史好きな私にとっては有意義な傍聴だった。
歴史をわかりやすく正確に伝え留めることは大切な事だ


議会意見報告会

時間の都合上、三つの日程のうち半原公民館に参加した。
いつもは文字でしか見ていない半原地区の問題点を実際に聞けた。
議員の方々とも言葉を交わせた



人・農地プラン話し合い。

愛川町の農業の未来への体験談、移住者の話。
最後まで入れなかったのが残念だが、やはり「生」の声はいい。


詳細な内容は後日配信されるであろう議事録などを見てほしい。



ところで、半原公民館の近くには宮ヶ瀬ダムがある。

半原は水とともに歴史を刻んできたといっていいだろう。

半原公民館の別名「ラビンプラザ」の「ラビン」は「渓谷」という意味があるそうだ。


「横須賀水道半原系統」

のまた、そんな「水の集落・半原」を象徴する施設だと言ってよい。


明治時代、日本の軍拡は急速に進んでいた。
そうなると工業・飲料両面で「水」が足りなくなる。

日露戦争後となると従来の走水系統だけでは、ますます水量が足りなくなり、
海軍は、相模川の支流中津川に新しい水源を求め、明治45年(1912年)に工事に着手し、大正10年(1921年)に半原系統を完成させた。

上流に宮ヶ瀬ダムを建設し、より安定した流量を保つことができるようになった中津川から取り入れた水は、約500m離れた半原水源地の沈殿池で沈殿した後、内径500mmの鋳鉄管で逸見浄水場まで送られる。
この、半原水源地と逸見浄水場は、標高差が約70mあるため、ポンプを使わずに53kmを自然流下させている。

といっても、水需要の減少、水源水質の悪化、施設の老朽化により平成19年(2007年)4月からは取水を休止、 平成27年2月28日付けで廃止さえれていた。

横須賀としては愛川町にあるのだから愛川町に保存してほしいし、愛川町としては財政などと話し会わなくてはならず即答ができない状態だろう。(あくまでも愛川町が受け入れない理由は、私の憶測である)

つまり、そういう「横須賀市の歴史的遺物」が愛川町にあり、法律上廃止された現在愛川町と横須賀市での「宙ぶらりん」の状態で存在している。


これは状態は意外と知られていない事実だ。

実は私も、「平成27年第一回文化財保護委員会」中で議題とは別に聞き、その後の「議会意見報告会」の質疑応答中の半原の方の言葉としてきいた。

議員の方、役場の方は方向性には言葉を濁したが、半原住人にとっては管理下にない歴史的遺物は廃墟となる可能性もあり、それよりも何よりも大正以来の歴史的なものとして町で保護し「水の集落・半原」の観光資源としたいであろう。

私は「平成27年第一回文化財保護委員会」の次の日の「議会意見報告会」だったので、半原公民館では「なるほど。やはり」と聞けた。

半原水源地は漫画「げんつき」などで取り上げられているため、町外では知られている施設である。

これを53㎞すべてを保護しろといういうわけではない、半原水源地周辺だけでも利用すれば愛川町にとって大きな資源になるであろう。


しかし、それは「半原」ではできないのだ。「愛川町」としてやることなのだ。

文化財保護委員会では保護を町に要請するため視察に行くそうだし、愛川町の歴史に少しは興味のある議員の方なら保護に動くであろう。

町の問題とはそういうものなのだ。

今回の半原水源地に関していえば「歴史」と「観光」(「半原の生活」という要因も若干ある)という二つの問題があり、それが二つの場所で別々に話し合われ、二つの場所でべつべつに解決方法を模索している。

そこには連動性は、今は、ない。

この二つのベクトルがひとつになれば大きな力になるのではないか。


「議会意見報告会」で議題に上がった「空き家バンク」は、「人・農地プラン」の「農業移住者」の利用を促進させたらどうであろう。


町の問題が、「点」で存在している。

これをつなげれば「線」になる。

その「線」に解決の糸口があるんではないか。


審議会があり、議会があり、行政区単位の話し合いがある。

それが連動して動き、問題点を共有することで力を発揮するのではないか。

今は、それらが最新の情報を共有しているとは思えず、個々で動いているように思える。

走り書きや箇条書きでもいい、速報の情報を共有するツールをつくることはできないだろうか。


町の問題点は根っこは一つではなく、多数に分かれ、それがほかの問題の根っこと絡み合っていることがある。

他の問題とつなげることにより意外なところから解決策が見えるかもしれない。


愛川町のさまざまな情報を一つにつなげることにより、53㎞をつなげた横須賀水道半原水系を守ることができるのかもしれない。

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