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「東京サーキュラー(循環)生活」始めます

二拠点→地方でリモート→東京に引越

世の中がまだコロナに支配されていた2年前の3月。市ヶ谷の大学院に行くことが決まり、オープンしたばかりの浅草橋のコリビング「THE DAY」に入居した。コリビングとはリビングの共有という意味で、ビジネスホテルをリノベした個室型のシェアハウスである。キッチンつきの広くて開放的なリビングルームが魅力の施設で、現在も満室が続いている。

単位を取り終えて大学院に通うことがなくなってからは福島の家に戻ってリモートワークをしていたのだが、ここにきて対面のミーティングなどが多くなり、週に2回、多いときで3回、福島と東京を往復する日々が続いてJRに無駄に貢献するのがばからしくなってきた。体力的にも大変なので、腹を決めて東京に引っ越すことにした。完全自炊派の私は本格的に住むとなるとシェアハウスの共有キッチンはきつく、いつでも料理ができるキッチンが必須。そうなると部屋を借りるしかない。

物件探しは一発で

思い立ったら吉日、すぐに物件探しを始めた。予算はシェアハウスと同じぐらい、場所もシェアハウスがある浅草橋周辺がいい。住みやすくて便利で超気に入っているのだ。土地勘もあり、友達もまだいる。

ネットで下調べをしたら条件にかなう部屋があったので、取り扱いしている浅草橋駅前の不動産屋さんに訪問、担当のHさんに候補をいろいろ出してもらった。実は私のキャリアのスタートは東麻布の不動産屋の時給1000円のアルバイトで、その後六本木で住居や店舗の仲介をしていて宅建も取っていた(更新忘れで失効)ので、コスパの良い部屋の見方には自信があるのだ。

たくさんの候補の中から内見したのは、ネットで見つけた部屋と、その近くのもう一つの部屋だった。両方とも古いマンションの上階で居室が和室、間取りはよく似ている。しかし実際に見てみると、ネットで見つけたほうは共有部分の掃除が甘くていかにも古い。部屋の中もキッチンの導線が悪すぎてNG。

二番目のほうは当たりだった。前が完全に抜けている南西角部屋で、開口部が広く、明るい。キッチンもシンクが大きくコンロも3つ口、使い勝手も良さそう。最高なのがロケーションで、一番近い駅からは徒歩3分、20分圏内に使える駅がなんと6駅もあるいう便利な場所だ。江戸時代から中心地だったためにたくさん電車が乗り入れている台東区ならではだ。なのに家賃は予算以下。ちょっとないぐらいにお得物件なのは明らかだった。Hさん見つけてくれてありがとう。

ということで即決。さらに交渉を入れて1ヶ月のフリーレントまでつけてもらった。

廃棄を出さない「サーキュラー生活」に挑戦

さて、終の棲家ではない賃貸物件の問題は、「次に引っ越す時が大変」なことである。2年前になぜシェアハウスを選んだのかというと、冷蔵庫やら洗濯機やら家具やらを新しく買って、引っ越す時にまた処分しなければならない面倒さを避けるためだった。お金もかかるけど、何より嫌なのが「処分」である。大物家具家電は特に、リサイクル屋さんに持って行くにも大変だし、粗大ごみとして廃棄しなければならなかったり。何を隠そう私は仕事も研究もサーキュラーエコノミー(循環経済)をテーマにしているので、自分の生活から循環をすべきだと考えた。じゃないとやっていることすべてが説得力がない。

サーキュラーエコノミーとは何か。簡単にいうとそれは「廃棄を出さない」ということだ。CO2を排出しまくり、あちこちで環境破壊を生み出した、大量廃棄を前提とした大量生産のビジネスモデルが限界に来て、廃棄を出さず、資源を循環させるビジネスモデルへの移行が世界的に求められている。移行のためには、製品設計の段階で廃棄を出さないように考えなければならない。長寿命の製品にすること、リサイクルの際に簡単に分別できる作りにすること、リユースできるものであることなどなど。そしてサブスクのようにモノを必要な期間だけ使用できる「モノのサービス化」は、サーキュラーエコノミーの代表的なビジネスモデルである。

これを個人の生活に置き換えると、退去(引越)の時にごみを出さないようにするにはどうしたらいいか、入居の段階で考えておく、ということになる。モノを持たないことを信条とする、いわゆるミニマリストになろうというわけではない。生活する上では家電も家具も必要だからあってよいのだが、そのかわり「廃棄を出さない」ことを信条とするのだ。

廃棄を出さない家財品の調達方法

では具体的にどうするか。いくつか方法があるので列挙してみた。

1,サブスクサービスを利用する。

「レンタルサービス」というのは昔からあるが、最近はオシャレな家具家電を扱う月額制の「サブスクサービス」が増えている。期間によって価格が変わり、長期(3年)を最長にしているところが多い。引越の時にはサブスクを止めるだけなので手軽だが、全般的に高めなのが難点。

2,レンタルサービスを利用する。
サブスクとレンタルの違いは、サブスクが月額課金であるのに対し、レンタルの場合は(会社によるが)1年なら1年の前払いであることが多い。月額にする場合は割賦販売契約を締結するなど、手続きが面倒。さらに1年の契約で例えば半年で終わっても基本返金はなし。そのかわりサブスクと比べるとかなり料金がお得。

3,リユース品を利用する。
いわゆる中古品。今はネットで中古専門ショップがあって、特に家電は市場が成り立っている。ザブスクにない商品も、リユースで見つかることもある。ヤフオクやメルカリでもいいが、個人取引ではなくリユースの業者さんとつながっておけば、不要になったときにまた引き取ってもらいやすいので廃棄のリスクが減る。

4,再販市場のあるブランド品を購入する。
家具のリユース市場ではブランドが強い。海外の有名ブランドはもちろん、無印良品や大塚家具なども再販に強いので業者さんに引き取ってもらいやすい。これがアマゾンや家具量販店などで買った格安品だと、再販しても二束三文なので、輸送費で赤が出るため廃棄になってしまいがち。その点ブランド品なら購入価格は高いが、再販業者さんがウエルカムでいくらかお金も戻るし、何より廃棄を避けることができる。

このほかにも方法があるかもしれない。もしあったらコメントなどで教えていただけたらうれしい。

「東京サーキュラー生活」を発信します

ということで、来週から始まる東京サーキュラー生活。ひとつひとつのモノの「出口」を考えたり、「そもそもこれ必要か」という自問自答を繰り返す日々になると思う。これもひとつの挑戦だけど、楽しみながらやっていこうと思います。具体的に何をどこで調達したか、かかったお金、やっていく上で気づいたことなどをこのnoteで発信していこうと思っているので、興味のある方はぜひ読んでね。


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