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川崎大師大開帳参拝 25 赤札を飲む?
赤札は飲み物か?
赤札の信仰の一つとして,「飲む」というのがある.体の部位に応じて,上半身なら御札の上の方の文字,下半身なら下の方の文字を一文字ちぎって飲むと治るというのである.まぁ,わからんでもないという話である.
この記事の筆者は,飲んでも飲まなくてもいいという立場である.一応,手渡し,身のつける物とされているので,おそらく,人体に毒となるような成分は入っていないだろうという予測と,これぐらいの量なら,致死量にはならないだろうという希望的予想からである.ただし,赤色に水銀とかが使われていたら飲みたくないなと.
この言い伝えはいつからか
インターネット普及前,筆者が子どもの頃から言われていることなので,相当昔からだろうということがわかるが,特に文献を調べる気もないので,インターネット成立以前にさかのぼるとしておこう.
ただし,赤札は米粉でできているなどという言説は,今年初めて聞いた.ツイッター(エックス)上で検索してみると2014年の段階で書き込みがあるので,飲むという言い伝えから,米でできているから安心,赤色は食紅等の言説がどこからか出てきたのではないかと思う.見てみると,すべて伝聞である.噂の域を出ない.まぁ,信仰というのは昔からそう言われているからという理由でそういうものかもしれないが.
気になるツイッターでの言説
下記,赤札を食べないでくださいというツイートである.川崎大師門前の久寿餅屋のオフィシャルアカウントでのツイートであるが,運営者のリテラシーの低さがうかがえる.これは,情報発信側のリテラシーの低さである.門前の企業アカウントということで,もっともらしく見えるが,情報の出所が書いていないというところで,デマと大して変わらない.総務省の「インターネット上に流通する真偽の不確かな情報」というページを見ると,一番最初に「情報の発信元を確かめる」というのがあるhttps://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/special/fakenews/
最初からダメである.伝聞で,誰に聞いたか書いていない.「気になったので聞いたところ」とあるが,全く意味がない.誰に聞いたかが最も重要なのに,そこを出していない.
別の観点から見ると,食べ物を扱う企業が,オフィシャルのアカウントで,赤札を食べる食べないということを,情報の出所無し,つまり根拠無しで軽々しく情報発信しているのである.今回は,食べないでという,人体に影響がない方向なので問題にはならないが,もし,聞いたところ食べても大丈夫だったら,情報の出所も出さずに食べても大丈夫などと発信したのだろうか.食べ物を扱う企業がこのような短絡的な情報発信をするのは,はっきり言って怖いというレベルだろう.
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この企業は,コンプライアンスとか広報とかがないのではないだろうか.おそらく,ツイッターも,やったことある,できるからやってみるかという程度で始めたんだろうと思う.
赤札を飲むことに対して「昔から言われている迷信」というように,言葉を選べていないというのも問題がある.「迷信」などという前に,いずれにせよ信仰というデリケートなことを扱っていることを考えていないのだろう.赤札だって,科学から見れば迷信と言うことだって言える.日蓮からすれば,南無阿弥陀仏は謗法である.「勧められない」等で押さえておけばいいものを「迷信」と書いてしまうところが,なにも考えていないのだろうなと思えるところである.
企業アカウントではなく,個人アカウントでやった方がいいのではないか?企業アカウントでやるのは,少し恥ずかしいレベルでは?