二階の境界線。
昨日、不思議な夢をみたのです。
目が醒めて幾つかの出来事をおぼえているうちにTwitterに書き留めたのは判断力がだめな時にSNSにあげるのはとても危険なのでやめた方がいいですよ、わたし。
そこに書いたおかげでまだ夢の輪郭だけはかすかになぞることができるくらいに、儚くぼやけて消えてゆこうとしている景色のあのころを思い出して不思議だった猫の思い出をnoteに書きました。
祖父母が先代より受け継いだ田畑を耕し、農機具を収納したり収穫した作物を保存したりときには夜なべをして出荷や翌日の作業に必要なものの準備をしていた建物があり、それを長屋と呼んでいました。
その長屋の二階がお気に入りで全身に真っ赤なぶつぶつができるまでは入り浸っていた子ぐまであったころ、長屋の中のどこからなにかをもってきて遊んでいても鷹揚に見守ってくれていた祖父母にただ一つだけ、二階のここから向こうへは入ってはいけないよと何度も聞かされていた境界線があったのです。
建物を仕切って幾つかの専用の部屋をつくり、そのなかで作業をしていたのですが作業をするでもなく、誰が寝起きするでもない畳が敷かれた部屋があり何のために空けているのだろう、とおもっておりました。
境界線はその部屋の手前に指定されていました。
くまはご近所のおじいちゃんおばぁちゃんが農作業の合間に休憩しているときにお話をしてもらったり、お友達が聞いたという昔のお話を教えてもらうのが大好きでした。
友達は野山で遊び学んできた大先輩でありましたので、一つの山を何人かで所有しているとそれぞれに小さな茶畑があったり、畑があったり、手で切り拓いた道の奥に墓地があったりする箇所を、ひとが一人通れるくらいの細い道が結んでいるのを熟知していて「こっちこっち」と上ったり下りたりを繰り返しこれはかなり遠くへきてしまったのでは、と不安になり始めたころ、出発地点に出るという最高にカッコいい技を一度だけ見せてくれました。
これにもルールがあって二人以上でゆくこと、道がどこに続いているのかを知っているところまで、きちんと引き返して戻ることができるところまでしか行ってはいけないのです。
怪我をしたり迷子になってしまった時のために。
時々、畑で作業をしている方にお会いしましたが私有地の中の私道で遊んでいてとがめられたことはなく、こちらから挨拶をし向こうからはどこからきた子かとたずねられました。
万が一、迷い込んで出られなくなったときに、いつ頃どこでみたという安全対策として備えてくれていたのでした。
どこの子だね?
そうきかれて答えて良いのは、畑で作業をしていたり、木を切っていたりする人にだけで通りすがりの人にたずねられたら適当な方向を指差してそれ以上は口をきいてはいけないよ、とも教えられていました。
一度だけ、友達二人と山道をあるいていて、頭が今ならわかるアフロヘアに近い髪型で全体的に変なおじさんから腹巻を引いたような服装の女性がしゃがみ込んでいるのが見え、思わず足を止めました。
同時に友達も。
顔を見ると「これはダメだ」と表情にはっきりとあらわれていて、来た道が上りであったので帰り道は下り坂。
過去最速の速さで駆けて逃げ、民家のならぶあたりまでもどり、なにを見たのかお互いに話し出すと、まず性別から髪型、服装まで何一つ一致しないのです。
絶対にやってはいけないことだったのですが、どんなひとだったかだけ二人で確かめようと近くまでもどりましたが、そのひとはいなくなっていました。
いま思うに、その方はいわゆる露出系の不審な方でとても細身の後ろ向きにしゃがみ込んだ姿だったので男性か女性かがわからなかっただけだったのではないかと。
子どもが二人、びっくりして逃げて行ったので満足して帰ったのだろうと思うのです。
ノスタルジーもファンタジーも
ノスタルジーもファンタジーも吹き飛ぶ展開でごめんなさい。
でも、たぶんそうです。
危機管理、大事。
大人になった今は地域の子どもさんに声をかけないように気をつけております。
自転車の前カゴから手袋が片方落ちた少年の進路の手前で車を停めて窓を開け、声をかけようとしたら全力の立ち漕ぎで逃げられたことがありますが、彼の判断は正しいです。
ぜひ、そうあってください。