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来た、とおもった。
数日前にニュースを読んでいた。
固定電話機から、深夜や不在の時間帯にお家の方にはおぼえのない119番通報があいついだというニュースを数日前に読んでいたのです。
それでも、実際に起きてみると「(なにか)来た」とちょっとだけおもいましたことを告白いたします。
早朝、居間から電話機のボタンを押す音が。
手元に控えた番号を確かめながら押しているような、ためらいの間を感じさせるぎこちなさで聴こえてくるのです。
明かりもつけずに。
すりガラス越しにあるべき場所に見えない影と気配の静かさで誰もいないとわかりました。
換気のため開いていた扉から居間をのぞくと、誰もいない部屋のすみで電話の液晶が光っていました。
そしてまた、ボタンを押す音。
操作に慣れてゆくかのように音の間隔はだんだんと短くなり、次第にイライラしながら連打するように変わってゆきました。
これ、後で話しても信じてもらえないかも。
まさか数日前にニュースで読んだその現象が、目の前で起きるとは。
液晶に番号が並んでゆく様子を見ながらそう思い、スマホをとりに行き動画を撮影しました。
で、受話器を取り上げて置き直し、じっと待つこと約5分。
同じ番号を連打しつづけた電話機は静かになりました。
電器店さんかプロバイダさんが営業時間になったらお問い合わせしてみよう、とその場を離れた、そのすぐ後から、電話機ふたたびの番号連打。
これを見つけたのは、続いて目を覚ましたくま母で、くま母は受話器を取り上げては置き直し、受話器を取り上げては置き直しをくりかえしたのち電話機の電源を抜きました。
夜が明けて、
電話機に集うくまの巣の愉快な仲間たちと不可解な現象。
むかしむかし、インターネット回線を経由してダイヤルをさせて有料サービスの番号にかけて高額な利用料を請求するケースがあるとこれもニュースで見たことがあったので、まずはインターネット回線でお世話になっている会社へお電話。
始業早々、電話口であまりできのよくない怪談を聞かされてとてもめんどうくさいですという空気と、そのような事案は把握しておりません、というご回答。
くまとて不本意。
もう少し練って怖い感じに仕上げたかった。
では、電話機壊れた?
こんな壊れかたするものですか?
くまの巣の家電のほとんどをお世話になっている電器店さんにお電話。
電話機の故障ですね。取り外してお持ちいただけましたら修理対応できるかと思いますが。
と、あっさりと解決。
電話機自体が旧いものだったのでこの機会に買い替えようということになりました。
新しくなった電話機と静けさを取り戻した居間。
こちらは今日買った愛犬の寝床。
※くまの巣の場合、電話機の経年劣化による誤作動が原因でしたが回線異常の場合もあるそうですので、最寄りの電器店さん、あるいは電話会社さんにお問い合わせを※