世界で一番美しいとおもった

写真を買いました。

もう10年くらい前になりましょうか。

旅先の蚤の市で色々なものがつまった段ボール箱が並んだテントで、欲しいものが見つかると店主さんにお見せしてお値段交渉する方式。

格安でゆずっていただけることが多く、とくにわたくしが欲しがるものは両手に抱えて2〜3ユーロくらい。

日に焼けた使いかけのメモ帳や、梱包資材。

商いをたたまれたのだと思われるお店のお名前が入った未使用の立派な台帳は少しお値段がはりましたが。

その中に、古い街並みを背景に立つ幼い女の子の写真がありました。

企業のロゴが押されたクリアファイルに入っていて、裏には残念ながらわたくしには筆記体で判読出来ないメッセージが書かれ、四つ葉のクローバーがはいっていました。

世界で一番美しい写真かもしれないとおもいました。

日本へ持ち帰って良いものか迷いましたが、段ボールの中へかえすことができず他のものととりまぜてお代をお支払いしました。

くまの背景になっている街並みも、骨董を並べられたテーブルの脇に置かれた段ボールから見つけた写真集です。