フリーランスの妊娠出産。仕事がなくなる不安について。
に、ついて。つらつらと書きます。
フリーライターが妊娠・出産しました
2019年1月、わたしはフリーランスのライターとして活動を開始しました。
フリーライターになって、さまざまな記事を書きました。書く機会をいただきました。
たくさんの出会いがあり、別れもあり、うれしいことがあり、楽しいことがあり。もちろん、悲しいことや、苛立つこともありました。
それでも、フリーライターというお仕事は、今のわたしにとても合っている。これからも続けていきたい。そう思っています。
フリーランスになってから、私生活でも変化がありました。同棲していた恋人と結婚。彼氏と彼女から、夫と妻と呼ばれるようになりました。
わたしたちは、子どもを望んでいました。実際に妊活を始めるまでに引っ越しなどのあれやこれやはありましたが、お互いに「そろそろいいよね」というタイミングを見計らい、いざ! 幸運なことに赤ちゃんを授かり、無事に出産。本当にありがたいことです、奇跡的なことです。
2022年6月。我が家は3人家族となりました。
仕事、どうする?
妊活を始める前も、妊娠した後も、何回も話したこと。それが、お互いの仕事についてです。わたしはフリーランスのライター。夫は会社員。
どうしよう、どうしよう。どうしたらいい?
答えのない問いを、夫婦ふたりでたくさん話し合いました。ああでもない、こうでもない。喧嘩もたくさんしました。喧嘩というより、わたしがたくさん怒りました。不安で、不安で、夫に八つ当たりもしました。
結局は、堂々巡りでした。答えがないからです。答えがないから、不安でした。夫のことはだいすきです。だから、この人との子どもがほしいと思いました。子育てをするなら、絶対にこの人とがいいと思いました。
けれど、仕事を失うかもしれない不安は、夫への愛情でも、まだおなかの中にいる赤ちゃんへの愛おしさでも、ほかのどんな癒しでも、拭えないものでした。今まで積み上げてきたものが、すべて崩れてしまうかもしれない恐怖、虚しさ、やるせなさ。はじめての感覚でした。
妊娠報告に返ってきた言葉
そんなわたしを支えてくれたのは、励ましてくれたのは、それまで一緒にお仕事をしてきた方たちからの、あたたかな言葉や態度でした。
そんな、報告なのか言い訳なのか、なんとも的を得ないわたしの連絡に返ってきたのは、やさしい、やさしい言葉たちでした。
大げさではなく、涙が出ました。こんなにやさしくしてくれるんだと思いました。
今までやってきたこと、無駄になんかならない。まだまだがんばろう。妊娠生活を乗り越えて、赤ちゃんをがんばって産んで、たくさんたくさん愛して、育てて、そして、お仕事だってやめずにがんばろう。この人たちとまた働けるように、自分ができることをやろう。そう思えたのは、いただいた言葉たちのおかげでした。
ただ、心のどこかで、こうも思っていました。
この人たちなら、今まで一緒に働いてきたこの人たちなら、きっと、待っていてくれるんじゃないかな。期間が空いても、また一緒に働きましょうって言ってくれるんじゃないかな、って。
「この人と働きたいな」の直感
仕事を受けるとき、選ぶとき、お断りするとき。記事の単価や納期など、最低限の確認事項はありますが、わたしが最終的に考えていたことは、いつも「この人と一緒に働きたいか?」でした。
つまり、とてもとても単純に言うと、「すき」か「きらいか」です。この人のことが、すきだ。そう言える人と働きたいと願って、その願いのままに行動しているうちに、気づいたら、周りにすきな人たちがたくさんいました。
わたしから、離れてしまった人もいます。自分から、離れた人もいます。妊娠してからは、新しく関係性を結ぶ機会も減りました(あくまでわたしの場合です)。お仕事のご依頼をいただいた際に、妊娠していることを伝えたら、「ではまたの機会に」と話が流れたことも何度かありました。
それは、それでよかったのだと思います。あそこで追わなくて、すがらなくて、正解だったのだと思います。お相手が悪いのではありません。お仕事の条件が合わなかった。それだけのことです。それに加えるならば、お互いに、お互いを大切にしたいと思える関係ではなかった。それぞれが心配りできるところまで、縁をつなげなかった。ただ、それだけのことなんだと。
妊娠中の、仕事の不安。将来の不安。それを拭ってくれたのは、「この人と働きたいな」の直感に従って行動して、少しずつ、少しずつ関係性を結んできた方たちからの、やさしい言葉でした。
今後、もしもお別れすることがあっても(お別れいやですけど)、励まされた言葉、それをわたしにくれた方たちのことは、絶対に忘れたくないなぁと思います。だから、ここに書いています。
復帰後、今のわたしについて
2022年6月に出産。お仕事自体は、その年の10月からゆるゆると再開していました。10月の時点でも、やさしい言葉をいただきました。その言葉を励みに、よし、保育園のスタートまで、もう一踏ん張りするぞ。そう思えました。
これを書いているのは、2023年1月。今月から保育園が始まりました。慣らし保育もあるので、お仕事を本格的に再開するのは、2月からにしようと思っています。できる限り無理なく、心に少しでも余裕が持てる量を意識して。自分を追い込まずに、楽しみながら働きたいです。
2月になったら(かつ、赤ちゃんが保育園に元気に行けていたら)、「待っています」と言葉をくれた方たちにご連絡しようと思っています。「復帰しました。また、よろしくお願いします」。そして、あたたかな言葉が励みになったこと、しっかり、自分の言葉で伝えたいです。
そして、これからに関して。新しい縁をいただけた際は、できるだけ素直にお話ししたいと思っています。今まで、自分の心を開くことで、人をすきになってきました。だから、これからも、自分の気持ちをできるだけ隠さずにいたいです。
単価や納期は厳しい。でもやりたい仕事だな、この人と話していると楽しいなと思ったら……
子育てをする中で、迷惑をかけてしまうこともあるかもしれない。絶対にいつだって、短期間でなんでもできます! とは言えない。それを言ったら、関係が切れてしまうかも。それでも……
「いや、それではダメですね」
「うーん、その条件だと難しいです」
そう言われてしまうかも。でも、それはそれで、いいのです。仕方のないことです。お相手に非はなく、そして、わたしにも非はないのです。
妊娠して、出産して、子どもを育てる。赤ちゃんとの日々を楽しみたいと願う気持ちに嘘はありません。子どもがいることで見限られてしまうなら、それはそれでいいのです。そこでつながらなかった縁は、たとえわたしに子どもがいなくても、交わるものではなかったと思うから。
これから、気持ちの変化があるかもしれません。でも、とりあえずのところは、自分の心に正直に働くことを楽しみたい。そして、すきな人たちと、また一緒にお仕事したいと思うのです。