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映画「忍たま乱太郎」感想その2 ※ネタバレ注意
こんばんは。KUMANOです。
前半、忍たま映画感想の続きです。
相変わらずネタバレしまくっておりますのでご注意くださいませ。
🐦⬛土井先生ときり丸くん🐦⬛
前半では触れなかったのですが、
今回の映画では、乱太郎、しんべヱ、きり丸の3人では、きり丸くんに特にフォーカスが当てられてました。
きり丸くんは戦災孤児で、忍術学園が長期休暇のときは土井先生のご自宅に居候しており、お掃除やお片付けが壊滅的らしい土井先生の代わりに、家事などを手伝っているらしく……
こんな設定あったんだ……
と驚きでした。
土井先生が失踪してからは、上級生や教員たちが必死で捜索している傍ら、乱太郎ら3人が所属している「1年は組」の生徒含めた4年生以下は、「土井先生は長期出張」という形にして、余計な心配をかけさせないようにしていました。
途中、生徒たちが「いつ土井先生帰ってくるんですか?」という問いかけに対して、学園長先生や山田先生がうまく誤魔化してくれていたのに、尊奈門先生が
「私が土井を倒したばっかりに……」
と、ちょっと空気が読めない発言をしてしまい、他の教員たちが一瞬眉を顰めるも、生徒たちが「土井先生が負けるわけないじゃん!!」と、尊奈門さんの話を、自分たちを元気づけるための嘘だと解釈してくれて滞りなく話は終わりました。
ここで大人が子どもたちを変に心配させないよう上手く切り替えてるのが流石だなと思いました。
そしてうまく切り替えられず雑渡さんに拳骨入れられる尊奈門さんもちょっと面白かったです。
アニメ原作未履修なので分からなかったのですが、尊奈門さんはどういう立ち位置なのでしょうか?
6年生たちも「尊奈門ごとき」とかめっちゃ舐めた口利いていたので、実力としては6年生たちよりも下? なのかな? でもタソガレドキの忍者集団はかなりの実力者が集まっている。とも聞いたので、尊奈門さんの実力が正直未知数です。
その後、きり丸くんはドクタケ領へ向かった6年生を追いかけ、ひと足さきに天鬼=土井先生である。という事実に気づきます。学園長先生や山田先生が、
「土井先生は必ず奪還するから安心して待ってなさい」
と言ってくれますが……
一人、土井先生の自宅に戻り、掃除を黙々としてるきり丸くん。でもそこには土井先生の面影があるんですよね……。きり丸くんと土井先生との絆が垣間見えて、流れているBGMも相まってちょっとうるっときました。
その後きり丸くんは最初こそは単独で行動しようとしますが、「は組」の生徒たちに説得され、事情を説明、事実を知った乱太郎くんたちも「自分たちで土井先生を取り返そう!!」と一念発起するのですが、きり丸くんは一貫して
「土井先生に会いたい」
という一心だったのが印象的でした。「取り返す」のではなく、ただ土井先生に「会いたい」と願うきり丸くん。彼の純粋な想いにまたもやうるっときちゃいました。
🐦⬛映画本編感想続き※ネタバレ注意🐦⬛
そしてそんなドクタケ陣営は何してんのか、というと……
唐突にミュージカルが始まるスーパー八方斎さまタイム
私は一体何を見せられているんだろう……。と宇宙猫になりました。
天鬼さんはというと終始真顔でガン見。あなたはあなたでどういう感情で見てんの?
でもあのシーンよくよく考えたら多分マインドコントロールですよね。天鬼さんがいた部屋には「愛と平和♡」だったり「絶対正義(うろ覚え)」と書かれた額縁がデカデカと飾られていたり、天鬼さんが読んでいたドクタケの書には、めっちゃ頭身あげられて無駄に美化された八方斎さまが、めちゃくちゃ悪意の込められた作画をされた忍術学園陣営を征伐する内容の漫画だったり……。やってることは一見ギャグに突っ走ったトンチキ展開でも、実際は記憶をなくした土井先生に対して
「ドクタケ陣営は絶対正義!! 忍術学園が絶対悪!!」
というドクタケ陣営にとって都合のいい意識を刷り込ませていたってことですよね。多分。
ドクタケ陣営にとって、忍術学園はかなり厄介な敵。という認識なんですかね。そこに記憶を失った土井先生をうまく手駒にすれば、自陣営がスッポンタケ(でしたっけ?)に攻め込むと見せかけて、背中を見せてタソガレドキ城に攻め込んでいる見掛け倒しの同盟関係を結んだチャミダレアミタケと、攻め込まれて疲弊したタソガレドキ城もろとも領地をぶん取る。というキレッキレの戦略を組めるってことですよね!
「あれ? 私の記憶の中にあるポンコツ八方斎さまはどこいった?」
とも思いましたが、これも物語の終わりどきに理由が判明して「いやお前もかい」となりました。
それはそうとあの部屋に貯蔵されていた書物の至る箇所に、付箋が貼られていたけれども……。もしあの書物のほとんどがあんな感じの漫画なら、天鬼さんはどういうシーンに付箋貼っていたのか気になりますね……。
そしてどうにしかしてドクタケ陣営から土井先生を奪還しようと奮闘している山田先生の前に現れた、3人の忍者。
つ、ついにでた〜男前利吉くん!!!
と、一緒にいた二人組は忍術学園OBの桜木清右衛門くんと若王寺勘兵衛くん。この3人は独自で依頼を受け、ドクタケ陣営に現れた謎の軍師(天鬼)について調べていたようで、山田先生から天鬼の正体が土井先生であることを知ると、明らかに動揺していました。そりゃあそうなるよな……。傍ら生徒時代の恩師、傍ら幼い頃からお兄ちゃんのように慕っていた人が、記憶をなくした上に敵として出てこようとしてんだから……。
利吉くんたち3人は、山田先生から雑渡さんの足止めを依頼されます。雑渡さんは雑渡さんでタソガレドキ城防衛のために色々と動いているようでした。
そんな利吉くん+桜木若王寺コンビVS雑渡昆奈門さんの戦闘シーンもかっこよかったですね!! 利吉くんに「これからどこへ?」と聞かれて
「ドクタケの軍師殿にご挨拶を……___「さようなら」と」
付近を張っていた5年生に対して
「気配を消した私に気づきませんでした。「もっと頑張りましょう」」
利吉くん+桜木若王寺コンビを一方的にボっコボコにした後、去り際に
「恨むなら「私だけ」を」
なんだコイツ。沼か?
桜木くんか若王寺くんかどっちかは忘れたのですが、鎖で腕を掴まれてもバランスを崩すことなく、逆に相手を腕力で引き寄せ足技で顔面をボコボコにしたり、その後ダウンした相手を片手で持ち上げて利吉くんへぶん投げたり、続いて向かってきた相手には飯綱落としで首を……と思いきや途中で蹴っ飛ばして木の幹にぶち当てダウン……。
あのまま行けば首へし折れたのに、そうはしなかったことから、めっちゃ手加減してくれてんだろうな……というのがなんとなくわかりました。
しまいには利吉くんを瞬足昇○拳で一撃ノックアウト。(ぶん殴った時のフォームが○竜拳にしか見えなかったんです……)
いや雑渡さん強すぎぃ!!
雑渡さんは実力もさることながら、ヘイトコントロールもお見事でした。去り際にはなった「恨むなら「私だけ」を」というセリフは、天鬼=土井先生を暗殺しても全ては自分の独断でやったことだから、復讐するなら自分だけにしてこい。っていう意味なんでしょうかね。万が一のことがあっても全てのヘイトを被る覚悟でいたと……。かっこよ……。
「は組」の子どもたちも知恵を出しあって土井先生がいるかもしれないスッポンタケの砦へと向かいましたが、ハリボテのお城に騙され、ドクタケ陣営にも見つかりあえなく拘束。その後八方斎さまたちがいる場所へと移送されます。
「蒸れたホットカーペット」は草
移送途中、道を張っていた5年生たちによって「は組」の子たちが捕まっていることを知った山田先生と6年生。
5年生は別途、理由は忘れたんですがどっかの道を3日張り込み続けていたようで、真面目にメモり続ける雷蔵くんと「飽きた〜」と愚痴る三郎くんが可愛かったです。
山田先生は「は組」の子どもたちの救出を最優先に、天鬼を見つけたら知らせるよう6年生に指示をだします。
その時に「私が戦う」と言っていたのは、山田先生ももしもの場合は天鬼=土井先生と戦う覚悟があったということなのでしょうか……。
それにしても山田先生がカッコ良すぎる……
幼い記憶には、女装が壊滅的なおじさん。くらいの印象しかなかったので、
失踪した土井先生の足跡を完璧に再現していたり、6年生や1年生が連携している中、孤軍奮闘していたシーンが多かったのも印象的でした。
トドメは隠し通路の中で、ドクタケ忍者の背後をとった後、
「痛いのと痛くないの。どっちがいい?」
と聞いていたのが最高に渋くてカッコよかったです。
その後息子の利吉くんも同じ文言で脅していたら最高ですね。
雑渡さんと留三郎くんはどう脅したのかちょっと気になるところ。
1年生救出と、天鬼さんを炙り出すために6年生が主軸となって、砦を錯乱させます。途中までは6年生たちが優勢のままことを運べていたのですが、高台から外の様子を伺っていた天鬼さんに「敵は少数である」ことを見破られてからは、次第に劣勢へと追い込まれていきます。
一方で小屋に幽閉されていた「は組」の生徒たちですが、空腹が限界に達したしんべヱくんが壁を食い荒らすというパワープレイで強引に脱出することに成功。しかしすぐ見張りに見つかってしまいますが、庄左ヱ門くん(よくみんなを仕切ってくれていた子の名前。合ってますかね…?)たちが見張りを引き受けてくれて、乱きりしんは拘束されたまま、土井先生の捜索を始めます。
ここの「は組」の生徒たちの絆がまた垣間見えて感動しちゃいました。
遅れて留三郎くんと伊作くんが無事「は組」の救出に成功しますが、その時に留三郎くんが見張りを「動くな、大勢で囲んでいる」と脅していたところがめっちゃカッコよかったです。
……忍たまってこんなに男前が出てくるアニメだったんですね……。
観にいこう! と誘ってくれた友だちには感謝です☺️
乱きりしんは、こらまたはらぺこしんべヱが美味しそうな匂いを辿るというスーパーファインプレーによって、隠し通路の奥で優雅にカステラを頬張っていた八宝斎さまの元まで辿り着きます。しかしすぐに再び拘束。
更に八方斎さまは、
「天鬼にこの子どもたちを斬らせよう」
というヴィラン顔負けのとんでもねぇ策を実行させようとします。
「天鬼=土井先生が自分の教え子を斬れば、仮に記憶を取り戻したとしても、二度と元には戻れない」
悪役としては100点満点の言動ですが、この発言には流石の側近さんもドン引き。
側近や他の部下たちが戸惑う中、八方斎さまは3人を天鬼さんの元へ連れていき、
「この子どもを斬れ」
と言います。
流石の天鬼さんも「こんな子どもを……?」と戸惑いますが、「にっくき忍術学園の子どもだぞ!」と八方斎さまがいえば、忍術学園=絶対悪であることを信じきっている天鬼さんの表情が変わります。
けれども乱きりしんは諦めずに、いつものボケを言うことで、土井先生からのツッコミを誘発させます。
もうこの辺りからヤバかったです。
必死にボケて、天鬼の中にいる土井先生に訴えかける乱太郎、しんベヱ、きり丸。
記憶はなくとも、長年の付き合いで積もり積もった胃痛がそう簡単に治るはずもなく、天鬼を襲います。
八方斎さまも負けじと天鬼に語りかけます。
天鬼が胃痛を抑えながら剣を抜き、大きく振り上げますが、きり丸くんは恐れることなく涙を貯めながら訴えかけ続け、最後に
「一緒に帰ろう」
と語りかけたところでもう涙が止まりませんでした。
天鬼=土井先生の脳内にこれまでの思い出がフラッシュバックしているような演出、
小学生以来の視聴でも、乱きりしんと土井先生のかけ合いは昔から変わっていなかったので、当時視聴していたことをも思い出して、ボロボロ泣きました。
砦の外では、明かりがついたことでこの場所に気づいた小平太くんと仙蔵くん、長次くんと文次郎くんが急いで駆けつけます。が、侵入しようとするも柵によって阻まれます。
天鬼が剣を振り上げ、仙蔵くんと長次くん、文次郎くん3人が感情的になっている中、小平太くんだけ冷静に苦無を使って柵を壊そうとしているところが印象的でした。多分6年生の中で、いざって時にすぐ割り切れるのは小平太くんなんでしょうね。
土井先生捜索時、中々見つからないことから「探し方を変える」か否かで6年生が揉めていたシーンから見るに、文次郎くんや留三郎くん、長次くんは多分ですけど、将来万が一仲間が敵として出てきたら絶対斬れなさそう。
あのシーンもね……「土井先生を生きている前提で探す」から「土井先生がすでに仏になっている」ことも加味して「探し方を変える」と、ここでもうまく表現をぼかしている所がお見事でした。小さいお子ちゃまもたくさん見に来られますから「仏を探そう」なんて言えない。
内容とは全然関係ないんですけど、映画終わった後にお母さんらしき女性が、お子さんらしき男の子に「七松先輩出てたね。かっこよかったね」と話しかけていました。お子ちゃまにも6年生は人気なのか……。それともお母さんの推しなのか……。あるいは双方か……。しかもちゃんと先輩呼び……。このお母さん(?)分かってるな……。と思いました。
というか小平太くん。6年生の中でも特に快活で、「いけいけどんどーん!!」な猪突猛進わんぱく小僧。なのかと勝手におもっていたのですが、一人称が「私」だったり、1人だけ冷静だったり……、大分最初の印象とは異なった男前でしたね……。
あとあのもふもふポニーテールかわいい。もふってしたい。
話がまた逸れましたが……入口からはしんベヱのヨダレを辿って追い付いた山田先生が押し入って、天鬼=土井先生を止めようとします。
更にその後、殺意マシマシの毒手裏剣を構えた雑渡さんが、これまた殺意マシマシの視線で任務を遂行しようとします。しかしすんでのところで追い付いた利吉くんが、毒手裏剣を持った雑渡さんの腕を掴んで制止させました。
このシーン。場合によっては天鬼=土井先生が子どもたちを斬ってしまう可能性もZEROではなかったハズなのですが、それでも利吉くんが雑渡さんを止めたということは……、
利吉くんは子どもたちの命と、土井先生の命を天秤にかけ、土井先生の命をとった。とも考えられますよね……。
お父さんである山田先生からの依頼が「雑渡さんの足止め」なので、利吉くんはあくまで任務を遂行しただけ。なのかもしれませんが、色々読み取れますよね……
忍たま……奥が深いぞ……!!!
天鬼=土井先生が勢いよく剣を振り下ろし、勝ったと確信した八方斎さまの高笑いもつかの間、乱きりしんを拘束していた縄だけが切れます。
土井先生良かった……ちゃんと思い出せたね……!!
柵の外にいた6年生4人も、長次くんが自らの身体をねじり込ませることで柵を破壊するというパワープレイで突破。そして土井先生が記憶を取り戻したことで勢いを失ったドクタケ陣営は、無事全員お縄につきます。
利吉くんも
「お兄ちゃん、無事でよかった」
お、お、お、お兄ちゃんだと……?
なんだお前かわいいな!?
この時近くにいた小平太くんが無表情のままフリーズしてたんですけど、彼も聞こえていたんですかね……?聞こえていたからあの無表情だったのか……?
土井先生が怪我を診てくれた恩もあることから、今回の八方斎さまの悪行は不問とされました。
でも反省の色なしな八方斎さまに、小平太くんが足を引っ掛けたことで、昔アニメでよく見た頭からすっ転ぶいつものパターンに。
すると、八方斎さまのまつ毛?アイライン?が次第に短くなり、すっとぼけた表情のまま「あれ?私は今まで何をやってたの?」
「いやお前も人格変わってたんかい」
側近たちも八方斎さまが元に戻って一安心した様子でした。
その後、後始末も終わらせ無事学園へと帰還。めでたしめでたし。でした!
その間兵糧を貧民に分け与えたり、途中甘味処で休憩したりと、和気あいあいなシーンが「勇気100%」と共に流れていました。
最後の方、後ろで5年生がぴょんぴょん飛び跳ねてるのがめっちゃ可愛かったです。
エンディング後では、雑渡さんらタソガレドキ陣営がドクタケ陣営に攻め入ってドクタケ領の一部をもぎ取った。という報告を最後に映画が終了しました。
雑渡昆奈門恐るべし……!!
しっかりとやることやっていらっしゃる……!
雑渡さんは「学園側を敵にしなくてすんだ」と仰ってましたが、どこの陣営も忍術学園を敵に回すのは極力避けたいと考えているんですかね。
そんなにすごいところなんですね……。ちょっとその辺アニメ原作未履修なので勉強不足でした。
🐦⬛総評🐦⬛
20年以上ぶりの忍たま乱太郎。懐かしいと思うシーンもあり、ギャグ、シリアス、戦闘。それらが上手くマッチしていて、かつ幅広い年層が楽しめるよう比喩表現を上手く活用したり、ぼかしたり……。大人になった今でもとても楽しめました。
エンディングに入る直前、幼いきり丸くんが雪の中、軒下で寒さを凌いでるシーン。微かに「勇気100%」のイントロが流れていたのは、もうすぐ新しい出会いと生活が待っている。という暗示?なんでしょうかね。
そして同じ境遇を持つきり丸くんと土井先生なのに、片や何も無い真っ白な雪景色。片や炎と〇体に囲まれた真っ暗な地獄絵図。という2人の対比が分かりやすく描かれていて、そんな2人が同じ屋根の下に暮らして絆を育んでいく。こういう対比表現、最高ですね。
じつは既に2回見に行っています。
Xで映画感想などを漁っていたら、ここのシーンではこのキャラがこんなことをしている!だったり、じつはこのシーンでは……といった考察も多く投稿されていたので、「これはもう1回観て確認しなければ!!」と、後日1人でみにいきました。そしてまた泣きました。
土井先生目当てに観にいったのに、気づけば雑渡昆奈門さんに落ちていたり、5年生や6年生の魅力、山田先生などの昔から見知っていたキャラの新しい一面が見られたりと、本当に素晴らしい映画を見ることができました!
思ったより内容が長くなりましたが、以上となります。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます!🐦⬛∗*゚