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ベストパフォーマンスは思わぬ時に出る?2-2
(前回からのつづき)
県大会のタイムテーブルを見ると、200m(たしか準決勝)の前に4×400m(たしか予選)が組んである。
両方出る私にとってはとても悩ましかった。というのも、当時うちの学校は4×400mリレーでうまくいけばギリギリ入賞を狙える位置にいたからだ。
その時私は天秤にかけてしまった。
「どちらで上を狙うか」
そしてリレーの出走前には、「400mをほぼ全力で走った直後に200mを走るなんて、そんなのいい成績が出るわけがない」と思うようになっていた。
レース後、一緒に走った後輩に「リレーでいい線いけそうだから200mはやめておこうかな」と言ったくらいだ。
すると後輩から叱られてしまった。
「なんで200出ないんですか。リレーはもしもの時は別メンバーもいるし、すぐに行って走ってきてください。」
叱られて走ることにするなんてなんとも情けない話だけれど、最後の県大会だしなぁと思い直して招集に向かい、バダバタとスタートラインに付いていた。
結果は…勝ち上がれなかったけど自己ベストを、0.4秒更新。
結果だけ見れば、
・最も意識した県大会で
・自己ベストを更新
と個人レベルではいいように終わった。
でも、
・走るのやめておこうかなと思ったレースで
・後輩に叱られて臨んで
・400mを全力で走った直後
と自分が考える「ベストパフォーマンスが出る状態」とは真逆に近い状況での結果だった。
準備していたことがバチッと報われることもあれば、完璧だと臨んでも上手くいかなかったり、諦めかけていたところにいい結果が付いてきたり、スポーツも勉強も仕事もなかなか思い通りには進まない。
それが「面白い!」と思える人生だといいなぁと思いながら、毎日を生きていければ最高だよね。
あくまで願望だけれどね。
あ、そういえばリレーの結果は…
決勝に進出したものの7位でその上の地区大会進出を逃してしまった。
しかも進出できる6位とは1000分の7秒差とかそんなのだった。
俺の半歩か?と自分を責めちゃったよね。
スポーツをやっていて不覚にも泣いたのはこの時が最初で最後である。