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さよならなんか、言わない。 ~あとがきにかえて

 3か月間連載してきた『愛なんか、知らない。』は、本日最終回となりました。
 この3か月間、毎日読みに来てくださった皆様、毎日スキをしてくださった皆様、ありがとうございます!
 とてもとても励みになっておりました。

 そして、みんなのフォトギャラリーのイラストや写真をたくさん使わせていただきました。私の作品を彩ってくださって、心から感謝いたします。何度も使わせていただいたクリエイターさんの作品もあります。
 毎日、どの作品にするか、時間をかけて選んでいました。使用したくても、ストーリーと合わずに泣く泣く見送った作品も多くて😥
 お陰様で、とても素敵な見出し画像が自分のページに並んでいて、見ているだけで私自身が幸せな気分になれます。

 この物語を書き始める前は、「このテーマだったら10万字ぐらいかな」と思っていたのですが、30万字を軽く超えてしまいました。。。
 投稿を始めたタイミングでnote大賞の告知があり、「これもご縁だし、応募しようかな」と思ったけれども、文字制限を軽く超えていて、秒で諦めました。トホホ。
 でも、一人の少女の10年間(正確には11年間)を描いたら、これぐらいのボリュームになるのかもしれません。

 ラストの、
「血のつながってない3人が、家族になる。
 そんな愛の形も、あると思うんだ。」
 この文章を書くために、この物語を書いたと言っても過言ではありません。

 この物語を通して描きたかったのは、「自分の居場所はどこかにきっとあるよ」というシンプルなメッセージです。
 葵だけじゃなく、葵の母親も父親も、親友の優や心も、望月圭も、みんな本当の愛を知らずにさまよう人たち。
 だけど、いつか自分が出会うべき人と出会い、自分の居場所が見つかるはず。今、自分には居場所がないと思っている人も、いつかきっと、居場所は見つかるはずなので、信じて待っていてほしいと思います。

 なお、3章で葵が訪れたミニチュアの展示会は、毎年夏に浅草の東京都立産業貿易センターで開かれている「東京ドールハウス・ミニチュアショウ」を参考にしています。
 展示会で葵が出会ったミニチュア作家さん達は、望月圭以外はすべて実在のミニチュア作家さんをモデルにしています。
 本当に数百万円でミニチュアを販売している方もいるんですよ。その時の驚きをそのまま文章にしました。
 ミニチュア作家さんとのやりとりも一部は、実際に交わした会話です。この場を借りて、ミニチュア作家の皆さん、いろいろ勉強させていただき、ありがとうございました!

2022年「東京ドールハウス・ミニチュアショウ」展示作品


 2年ぐらいかけてこの物語を書き上げてから投稿を始めたのですが、ミニチュアの作品を考えるのが、とにかく大変でした。
 何のミニチュアフーズにするかとか、圭さんはトルソーがウリだとか、そのつど、あれこれリサーチしながら決めて。
 それ以上に、葵のミニチュアハウスのテーマは毎回難題でした。
 自分のお気に入りは「夕暮れの図書室」と「さよならの家」。後は、100%満足しているわけではなく、そこがちょっと心残りだったりします。

 それでも、とにかく120%の力は出し切りました。
 もし、皆様がミニチュアの世界に興味を持ったら、ぜひ展示会に足を運んでみてくださいね。

2021年「東京ドールハウス・ミニチュアショウ」展示作品


 この3か月間、毎日毎日葵と向き合っていたので、すっかり同化していました。
 葵が傷ついているときは自分もつらくなり、葵が立ち直っていくプロセスでは、私も気持ちがパアアッと明るくなったり。
 葵が「文化祭、懐かしい」と振り返るときは、私まで「あの頃は楽しかったなあ…」と懐かしく思っていました。

 その葵を今日で手放すことになり、今の私はすっかり葵ロスです。

 葵はこれからもミニチュアハウスカウンセラーとして活躍していきます。
 いつか、その物語を皆様に読んでいただける日が来るといいなあ、と思いつつ、ひとまず筆をおきます。

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