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読んだ・観た・聴いた

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本や雑誌などを読んで思いついたこと。書評とか感想は上手にまとめる人がたくさんいるので、そういうものはそういう人たちにお任せする。本の内容とは全く関係なく見えることも少なくないが、…
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#岩波新書

梯久美子 『戦争ミュージアム 記憶の回路をつなぐ』 岩波新書

著者は1961年生まれ、私と同世代だ。ノンフィクション作家として戦争に関連したテーマの作品を…

熊本熊
2か月前
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大野晋 『日本語の教室』 岩波新書

本書は『日本語練習帳』の読者から寄せられた質問に答えるという趣旨でまとめられたものだそう…

熊本熊
8か月前
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大野晋 『日本語練習帳』 岩波新書

母語が思考を規定する。本書でも以前に読んだ田中克彦の著作でも、日本語が所謂「民主主義」に…

熊本熊
10か月前
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大野晋 『日本語の起源 新版』 岩波新書

言葉のそもそもに興味がある。人類は30万年ほど前にアフリカ大陸で生まれ、6万年ほど前にアフ…

熊本熊
10か月前
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勝俣鎮夫 『一揆』 岩波新書

4月、新学期、新年度。「イッキ、イッキ、イッキ、、、」というのは今はやらないらしい。強要…

熊本熊
10か月前
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三杉隆敏 『やきもの文化史 景徳鎮から海のシルクロードへ』 岩波新書

長崎に行ってきた。長崎県美術館で開催している「永田玄の眼」というタイ古陶の展示を観るため…

熊本熊
1年前
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長谷川櫂 『俳句と人間』 岩波新書

長谷川の書いたものをこのnoteで取り上げるのはこれが2冊目だ。今のところ、長谷川の本は他に読んだ記憶がないのだが、これら2冊に関して言えば、長谷川は熱量の大きい人との印象を受ける。似たような熱量は梅原猛の本を読んだ時にも感じた。遡及的錯覚をものともせず、信じる道を歩み続ける強さのようなものは、私のような軟弱者にとってはただただ憧憬の対象だ。 尤も、五七五で何事かを表現するには、強固な意志と世界観が必要不可欠であることも確かであろう。たとえば本書での芭蕉の句の解説にただ感心

エドワード・キエラ 著 板倉勝正 訳 『粘土に書かれた歴史 メソポタミア文明の話』 …

古本で手にしたのだが、ポスト・イットの付箋を貼って、貼り直そうと剥がしたら紙の表面まで一…

熊本熊
1年前
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山本義隆 『近代日本一五〇年 科学技術総力戦体制の破綻』 岩波新書

過去において地球上に現れた生物種の99%が絶滅しているという。その数字がどのようにして弾き…

熊本熊
2年前
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田中克彦 『ことばと国家』 岩波新書

『ことばとは何か』の約20年前に刊行されたもので、『ことばとは何か』の中に本書に言及した箇…

熊本熊
2年前
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村松貞次郎 『大工道具の歴史』 岩波新書

先日、復刊された岩波新書の『沖縄』を買いに丸善に寄ったとき、たまたま目に入って一緒に買っ…

熊本熊
2年前
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大江健三郎 『沖縄ノート』 岩波新書

先日、丸善で岩波新書の『沖縄』を買う時に、たまたま目についたので一緒に買った。もともと小…

熊本熊
2年前
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比嘉春潮・霜多正次・新里恵二 『沖縄』 岩波新書

青版の限定復刻。初版は1963年1月25日発行なので、執筆されたのは私が生まれた1962年だろう。…

熊本熊
2年前
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蛇足 『百年の手紙』

『百年の手紙』に紹介されている手紙の筆頭が田中正造の天皇への直訴状だ。田中は足尾銅山による鉱毒被害の救済に尽力した元代議士だ。先日訪れた群馬県館林市に足尾鉱毒事件田中正造記念館があるのだが、今回は立ち寄らなかった。足尾銅山鉱毒被害は渡瀬川流域の広い範囲に及び、農業被害と健康被害が深刻で生活に困窮した農民が大挙して東京に陳情に行くが民衆の真の声が権力に響かないのはいつの時代も同じことである。栃木県会議員を経て衆議院議員となった田中はこの問題を取り上げ度々国会での質問にも立つが政