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熊本県知事選を前に 大事なものはなに? <「TSMC熊本進出」の本当の理由>を読んで!!

ソニーとTSMC、そしてアップル


 東洋経済オンライン、2023年12月12日づけで、「『TSMC熊本進出』のあまり語られない本当の理由 当然、背景にはアメリカIT大手の存在がある」という記事が掲載されました。

 TSMC熊本進出の理由については、日本政府の大きな補助金があったからとか、熊本の豊かな水が目当てだとか、IT人材を求めてだとか、様々に言われています。どれも当たっているのでしょうが、東洋経済オンラインの指摘はとても重要だと思いましたので紹介します。

① TSMCの売り上げの66%はアメリカで、日本向けは5.5%にすぎない。
② 日本向け売上高(5.5%)の半分以上がソニーの半導体子会社向け。
③ ソニーのイメージセンサー(スマホのカメラなどに使用)は、ソニーが内製する画素部と、TSMCから調達する回路部の両方を使って作られている。
④ ソニーは、拡張を見込んで隣接地に工場用地を確保していた。
⑤ ソニーの人員は半導体工場の運営に経験があり、協力が見込める。
⑥ 日本政府からの4760億円の助成が決まった。
⑦ TSMCはこれまで、海外進出の場合、自社100%出資だったが、熊本のケースでは顧客(ソニー、デンソー)を少数出資者として迎え入れ、誘致元の理解を得やすくした。

 以上のように、TSMC熊本進出は、ソニーのためと言ってもいいほどの構図であることが指摘されています。
 また、さらにその背景に、大手IT企業のアップルの存在があるのです。アップルは、TSMCの2022年売上の23%を占める最大顧客です。アップルは購買力がずぬけているだけでなく、アップルの将来計画にもとづく技術開発計画や設備投資計画、生産計画の実行を、サプライヤーに迫るのです。
 
 東洋経済の記事では、最後にこう書かれています。

 「TSMCもソニーも、もちろんほかのサプライヤーも最大顧客のアップルの要求を満たすために、それこそ馬車馬のように走り続けるしかないのである。要求を満たせなった場合、ジャパンディスプレイのようにシビアな判断が待っており、その厳しさから、サプライヤー企業の中からは『毒まんじゅう』になぞらえ『毒リンゴ』と揶揄する声もあるほどだ。
 毒リンゴを食べたウェーハ姫のハッピーストーリーは、はたして描けるだろうか。」
 

  (詳しくは、ネットで「東洋経済オンライン」をご覧ください)
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 ジャパンディスプレイは、アップルのスマートホンの液晶画面を引き受け、一時は小型液晶(LCD)で、出荷額世界一となりました。アップル向けが出荷の半分を占めるほどでしたが、有機ELの登場で、「ゾンビ企業」と言われるまでに衰退しました。 

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来るべき知事選に際して


 TSMCの進出で、いま、熊本は沸き立ち、なおかつ激しい変化にさらされています。経済効果が高らかに叫ばれる一方で、地下水や環境への影響、農業への影響、渋滞や地価高騰など生活への影響が深刻となっています。
 莫大な資金を投じての、TSMC進出は、本当により多くの人の生活向上と幸せにつながるのでしょうか? もっとほかにお金の使い道があるのではないでしょうか?

 熊本県でも、少子化が心配されて久しいのに、改善は全く見られません。農林水産業は危機的状況で、県南や天草、中山間地の地域格差も放置されています。これ以上の一極集中は、将来的には大きな不安を残すものではないでしょうか。各産業や地域のバランスのある発展こそが、長期的に見て最良の道だと思います。

 来るべき知事選は、より将来を見通して慎重に政策を実行する人を選ぶべきです。また、一部の利益関係者だけでなく、より多くの県民の声を聞き、より自立した熊本を目指す候補者を応援しましょう!!
 友人、知人、多くの人に投票への参加を呼びかけましょう!!

 

 

 

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