秘密にしておきたくないご馳走 - 大衆中華というカテゴリー

最近、美容院を変えた。

昔から誰かに固定したいなという気持ちはあった。別にカラーをしているわけでもなく、男性で短髪にするだけなので、作業自体は一時間もかからないのだが、その時間の中で毎回新しい人にしていると何を会話していいかわからない。ただ、どうせ何もしないのであれば、話している方が生産的だ。とはいえ、特に誰がいいというわけでもないので、いつも行く美容室でただカットしますとだけ伝えて毎回適当に切ってもらっていた。

ただ、この前仲がいい飲食店で店長に紹介してもらった、彼女の大親友の美容師に数か月前から、散髪をお願いしてもらっている。もともとフリーランス的に動いていたようなのだが、ついに箱(美容室)をオープンしたということで、それがある浅草橋まで会社帰り行ってきた。もともと日本橋エリアに会社があるのですぐ着く距離だ。

街歩きが趣味なので都内はすでに歩きつくしている感があり、地図には自信があるのだが、何も考えず浅草線の出口を出たのだが、出なければいけない場所が全然違うことに気が付いた。早めについたのとようやく夜の気温も下がり始めたので少しはいいかなとフラフラ歩こうかと思っていたところ、地上に出てすぐある大衆中華料理屋がとてもいい感じで、またいい店を見つけたので今度また来たら行こうかなと、美容室まで向かった。

最近同年代の人が独立してお店、主に飲食店を開くことが多いが、コストを浮かすため自分たちで店を塗装したりと工夫したりしているが、そういう雰囲気が結構好きで、この美容室自体もそういう感じでクラフト感が良い感じだった。そして美容室自体、一人でやるには少し広めだが、定期的にほかのフリーランスの方が来て、マッサージしたりネイルしたりといろいろやっているようだ。自分はサラリーマンとして安定した収入を毎月会社からいただいているので、フリーランス界隈の事情はわからないけれど、技能を持った人たちが、箱にあつまっていろいろな掛け算のValue Propositionを提供するっていうのもこれからの時代の流れなのかもしれない。

髪も素敵に切っていただき、さてと帰ろうかと駅に向かったのだが、先ほどの中華料理屋が頭から抜けない。浅草橋を使用した方ならわかると思うが、同じ駅でも出る方向が違うだけでそれなりに歩かないといけない。ただ、せっかくだしということで向かった。それが今日紹介する水新菜館である。

いわゆる中華というと、中国人の方が家族経営していそうな感じお店か、高級路線か、一品突き抜けている系(麻婆豆腐か担々麺か餃子か的な)に結構いくのだが、ここは日本人の方が昔から大衆的にやっている系(ちなみに本当かはしりません)なイメージが勝手にしていて、なんか系統としては東銀座にある萬福みたいな歴史を感じる感じ。

お店に入ると、蝶ネクタイをした人の好さそうなおじさんと、昔のお姉さんが愛想よくふるまってくれた。メニューとしてはカウンターの上にいっぱい縦長長方形で貼ってある感じ。どれも美味しそうで迷ったが、だいたい中華行くときは五目そばか麻婆豆腐頼んどけみたいなところが個人的にあるので、五目そば(あんかけ焼きそば)をいただくことに。そのあと、ネットを見たところもともとあんかけ焼きそばの有名店だったみたいで偶然ドンピシャなのであった。

さてお味はというと、並大抵の言葉を使うなら美味しいという感じで、残念ながらそれ以上形容する語彙は持ち合わせていないのだが、昔チューボーですよ!であんかけ焼きそばを作るとき中はしっかり蒸して外はカリっと焼くという工程をやっていたのを思い出したのだが、お手本のような仕上がり。あんも脂っこくなく野菜もしっかり触感があって、味のバランスも好みの感じ。もう少し何かをやりすぎると胸焼けしそうな予兆がしたが、おいしく食べられる一番いいところにとどめてくれている感じがした。

先ほどの中華屋さんというカテゴリーで考えると、中国人の方が家族経営でやっている系は、割と人件費が抑えられるのかかなりお手頃価格なところが多い印象だが、こちらはそれよりは少し値段設定が高め、とはいっても1200円とかそんくらい。やっぱりデフレ思考ってあまりしたくないので、値下げ値下げで価値を感じるより、価値のあるものは等価交換で堂々と値段がとれる世の中ヘルシーだなと思う次第です。

水新菜館
東京都台東区浅草橋2-1-1
JR総武線 浅草橋駅下車 東口改札より徒歩3分。
都営浅草線 浅草橋駅下車 改札より徒歩4分。 

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