4歳児の想い
保育所に行っていた時に、大人に想像力がなくて嫌になったことがある。
ある日、時間割り通りに保育の進行ができない日があった。どなたか先生がおやすみになって、2クラス合同で、絵本紙芝居か映画を観ることになった。
たぶん、大人側からすると、何時間かの枠を何人かで保育するのに、映画がよかろう、となったのだと思う。
何本か用意された映画があった。
ひとつ目が終わり、大変面白い作品で、私は満足した。
その後、
「もっとみたいですかぁ~?」
「はーい」
と言うやりとりがあって、私は今見た映画を咀嚼したくて、「観たくありません」と言った。
経緯は忘れたが、一人で部屋を出された。
乱暴な。
映画をいくつも観たら、話が混じって感動が薄れると言うことを、直感的に知っていた、やなガキだったのか、私は?
どうして欲しかったのかと言うと、感想を話したかったのだ。
聴いて欲しかったのだ。
なぜ、私一人が「これ以上みたくない」と言った言葉を、誰も聴いてくれなかったのかは謎だ。
別に手が足りなかったのならば、それでいい。
一人放っておかれた私は、空想に飽きて本を読み、眠ってしまった。
帰って両親に話したかどうかは、覚えていない。
55年経っても、誰かに言いたくなるほどには、根に持っている。
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