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阿部真央のライブに行った話

この記事は、阿部真央ファンに向けて書いたものではない。むしろ、日々の生活に追われる社会人の皆さんにこそ読んでほしい内容だ。阿部真央を知らない人も、ぜひ最後まで読んでみてほしい。

初めてのライブ参戦

まず簡単に自己紹介を。私は地方公務員1年目の30歳である。
先日、阿部真央好きの妻に誘われ、ライブに初めて足を運んだ。正直なところ、私は「阿部真央」という名前と代表曲をいくつか知っている程度で、今も活動していることすら知らなかった。

しかし、ライブの感想を一言で言うならば、「度肝を抜かれた」に尽きる。

そしてライブ後に感じたのは、人の心を動かすことがどれほど大変で、どれほどの覚悟と努力を必要とするかということだった。

心を動かす仕事の重み

私は普段、公務員として働いている。公務員を含め、世の中の多くの仕事は「誰かがやりたくないことを代わりにする」か、「専門知識や技術を生かして代わりに行う」ことで成り立っていると思う。
つまり、それらの仕事は生活を維持するために必要不可欠なものであり、そこに対価が発生している。

一方で、野球選手や歌手、画家のような職業はどうだろう?
彼らの仕事は、生活のために必須ではない。にもかかわらず、彼らにお金が支払われるのは、「人の心を動かす力」があるからだ。文明が発達し、物やサービスが充足する中で、心を動かす職業の価値が生まれたのだ。

だが、その「心を動かす」行為がいかに難しいことか。

才能だけでは不十分で、そこに魂を削るほどの努力と覚悟が求められる。阿部真央のライブを目の当たりにして、私はそのことを強く実感した。

魂を削る仕事

例えば漫画家を思い浮かべてほしい。超人気漫画家でさえ、その名声を維持するために、毎週毎週納期と戦い、睡眠時間を削り、時には身体を壊しながら作品を生み出している。
こんなにも才能に溢れた人が、凡人である私よりも寿命を削って仕事をし、私の方が健康体である現実は、なんとも皮肉だ。

阿部真央のライブを通じて、それが視覚的にも感覚的にもリアルに伝わってきた。彼女がステージで魂を削り、一曲一曲に全力を注ぐ姿を目の当たりにしたことで、「人の心を動かす」ことの重みと代償が鮮明に感じられたのだ。

伝えたかったこと

この記事を通じて私が伝えたいのは次の二点だ。
1. 才能でお金を稼ぐことは、非常に難しく過酷な道であること。
才能があるだけでは不十分で、それを形にし、人の心に届かせるためには、魂を削る覚悟が求められる。
2. 時間を切り売りするだけで生活費を稼げる仕事が多くある現状は、実は非常に恵まれているということ。
才能や創造性を問われない仕事があることで、私たちは平穏に生活できているのだ。

たまには才能に触れてみよう

日々、生活に追われていると、こうした才能に触れる機会は少ないかもしれない。だが、たまにはその世界を体験してみてほしい。ライブや美術館、演劇など、才能が結晶化した場を訪れることで、新たな視点や感動を得られるだろう。
あなたも一度、心を動かす才能に触れ、そのエネルギーを自分の人生に活かしてみてほしい。

ちなみに一番良かった曲は「morning」である。時間のある方は一度聞いてみてほしい。

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