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熊本市長によるPFAS汚染源についての臨時記者会見     2024年12月6日

2024年12月6日、熊本市長の臨時記者会見が行われました。

昨年からの定点観測井戸測定によるPFAS汚染。
熊本市は、プロジェクトを組んで各地の汚染源を調査してきたそうです。
記者会見時の資料は熊本市ホームページに掲載されています。

ただ、今回の発表は植木駅周辺(鎧田川、井芹川上流)に限っていました。
井戸水の汚染が発表された轟地区についてはまだ原因が特定されていないようです。

<産業廃棄物の最終処分場が北区に集中>
施設の放流水など高い汚染がわかったという産業廃棄物処理業者マップに発表された企業をポイントしてみましたので、ご覧ください。
熊本県内にこれだけの施設があることに改めて愕然とします。
さらに、埋め立てで処理する最終処分場が北区に集まっています。
(拡大してみてください。)
ご近所に記載のある施設があって、井戸水を使っている方は、水の調査をしてもらってはいかがでしょうか?

2024年熊本県産業廃棄物処分施設マップ

<欧米の基準に比べて日本の暫定目標値は安全なの?>
大西市長の発表では、日本の暫定目標値50ng/L以下だから、水道も農産物も安心してください、とのことでしたが、2024年アメリカではPFOA,PFOSの合計で4ng/L以下となり、EUでは、さらに限りなく0に近づけるべきという発表がありました。
第3回目の水、土壌の分析結果にPFNAというPFASが高い数値で、出ていたことも気になります。
  引用元 eurofins(PFNAは、日本の化審法(化学物質の審査及び製造等の
  規制に関する法律)で規制対象にされているPFOS(ペルフルオロオクタン
  スルホン酸)やPFOA(ペルフルオロオクタン酸)と同じPFASの一種です。
  PFNAはPFAS(有機フッ素化合物)の一種。PFNAを含むPFASは、撥水性
  撥油性や熱・化学的安定性の高さを活かして、撥水剤や消火剤など日常生活
  の様々な場面で使用されています。)

日本の基準値は、50ng/L。
50kgの大人が一生涯にわたって、毎日2Lの水を飲んでも、健康に影響はないとした、あくまでも暫定的な目標値です。
赤ちゃんや、幼児などにとって、この数値は安全でしょうか?

<水道水で20ng/L 安心と言われても・・>
熊本市が公表している「水道水におけるPFOS PFOAの検査結果一覧」では、改寄配水系統にある改寄公園にて20ng/Lが検出されています。

有機フッ素化合物は、活性炭が使われている浄水器であれば、除去の効果があるというデータもあります。浄水器の利用も選択肢の一つかもしれません。
そして、日本政府に対して暫定目標値の見直しをもとめるための活動も、考えなくてはなりません。

<くまかんでの独自調査の結果>
熊本の環境を考える会(くまかん)では、以前から京都大学准教授の
原田浩二先生に協力をいただき、独自で熊本市界隈の水、土壌の検査をしてきました。
原田先生の最新ご著書
「水が危ない!消えない化学物質「PFAS」から命を守る方法: 身近に潜む危険な有機フッ素化合物」

は大変分かりやすく、また健康を守るためにはどうすればよい?という方法も記載されていますので、お勧めです。

京都大学准教授 原田浩二先生 著

その検査において、井⼾⽔の汚染が公表されている轟地区において、農業用水路で100ng/L、近くの轟地区にある埋⼟場直下の土壌から630ng/kg(土壌の単位は水とは違っています。ng/kgです。)という高い数値がでました。
この数値が、轟の井⼾⽔の汚染の原因究明につながる可能性もあるので、
熊本市長宛、轟地区にある埋⼟場近隣の⽔、および⼟壌の検査をしていただきたい旨、2024年9月19日、要望書を水保全課に検査結果のデータとともに提出をしています。

<国の基準値より市民の安全を優先して!>
熊本市の水保全課の担当の方は、
「国による土壌の基準値がないので、立ち入り調査はできない」
と言われました。
でも、汚染の原因が分かれば、対応策もみつかるはずです。
1日も早く、轟地区の原因究明をお願いします。

岡山県の吉備中央町では、住民の血液検査や健康調査を公費で実施しています。
熊本市だけでなく、熊本県全域の汚染の高い地域の住民の方への健康調査をぜひ実施していただきたいと願っています。

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