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#連載小説
第四章 黒葡萄 - Kopyright Liberation Front Ver.
――刳り貫きし眼窩を浄む黒葡萄――
――甘露舐めゆく蛆の白さよ――
――Josephine, 貴腐乾酪のにおひあり――
――Rimbaud's right leg metaphor.――
――[Thich Quang Duc] 師は絶え間無く燃え滾る――
息子は爽やかにほくそ笑む。
「それは『レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン』のファースト・アルバムで知りました。お坊さんが本当に燃えて
序章 ハミルちゃん、チュンセ童子とポウセ童子に出会う。
「宇宙人なんていないよ! リアジューだったら宇宙人なんて信じちゃダメっ! パパがそー言ってたもん!」
ハミルちゃんが元気な声でdisりました。……でもハミルちゃんはまだ小さいから、disるの意味がわかってないかもしれません。リア充という言葉をやっと覚えたばかりですからね。新しい言葉を覚えると、ちょっぴり大人になった気分になりますよね。
ここは、渋谷の松濤と呼ばれる街にある、森のように大きな公
第二章 Earthy, Analoy, Attieke, Samoai.
――青胡桃からはじまった結晶化
しぐるる蝉の声は霊歌に――
渾身の力を込めた措辞が上滑りする。砂を噛んだ気分で酩酊する。動物実験されたアルジャーノンのように、人体実験されたチャーリー・ゴードンのように。裸足。轍。ブリコラージュ。焼き付いた人影。
マスター・オブ・リアリティ。涙を入れ忘れたカクテル。
マスター・オブ・ポエトリー。お月さまが笑っている。誰にも見られないように、ひとり
第三章 伯父がペンでペンギンを書いたら、翌日それが冷蔵庫の中に入っていた。
伯父は文字ではありません。伯父は人間です。ここで、「伯父は文字だ。文字通りに」と言い切ってしまうと、言葉遊びの領域を超えてオヤジギャグになってしまいますからね。
何よりもハミルちゃんは、「伯父」という言葉よりも、「おじさん」という言葉の響きのほうを好んでいました。……ひらがなで「おじさん」と言ってしまうと、子供っぽさを感じてしまいます。何よりもハミルちゃんが渋谷の松涛の公園で双子の宇宙人と出会