【9/17の日記】描いて飾る展2と四人怪をハシゴしてきたよ

 描いて飾る展2、二日目である。何故連日通っているかというと、在廊するアーティストが日によって違うのである。このイベントはアーティストがその場で絵を描いて増やしてゆく、という内容であるから、つまりアーティスト本人が在廊していない日は新しい作品が増えないのである。二日目ははまなかひろむさんと井上いくらさんが新たに加わるというので見に行った。井上さんは特に関西在住のアーティストなので、東京でお見掛けすることはあまりない。しかもその場で絵を描くところが観られるというのだから是が非でもゆかねばならぬわけである。
 会場は非常にのんびりした雰囲気だった。イラストレーターという同業者が何人も集まっているわけだが、全員特に張り合う事もなく、各々呑気に絵を描いている。客も、壁に貼られた完成品を眺めたり、製作途中の絵が出来上がっていくのを除き込んだりしながらぶらぶらしている。長閑な光景である。絵御描いている最中のイラストレーター諸氏に時折話しかけてみたりすると気さくに応じてくれた。集中している所を邪魔してはならぬとなるべく一息ついたところで話しかけてはみたか、やはり邪魔くさくはあったろうと思う。SNSでしか会話したことのない井上いくらさんや、よくイベントに出入りさせてもらっているのうてんきな青二菜の御三方にご挨拶をした。さかもとさんには、くすくす笑いながら「二回目の方ですよね?」と言われた。私が「常連面なんぞはしたくない。いつでも『二回目に来た』くらいの客で居たい」とSNSに書いたのを読んで下さったのである。嬉しいような照れ臭いような、である。
 皆使う画材が違うのだなと当たり前の事に今更驚いたり、色を重ねて段々影を濃くしてゆく様を見て感心したりしているとあっという間に時間が過ぎてしまった。慌てて会場を出て次のイベントへ向かう。昨日に引き続き、今日もイベント二つをハシゴするのである。楽しいイベントというものは何故重なってしまうのか。時間のズレだけが救いである。

 次に向かったのは高円寺であった。怪談師四人の、その名も「四人怪」というイベントである。うち一人は本業が映画監督、一人は俳優であるせいか、演出の面白いイベントであった。幽霊役と、幽霊に取り憑かれた役の役者が声を合わせて笑うという演出で取り憑かれた事を表現したり、劇の背景のような映像を流して、映像の進行に合わせて台詞を読んだりと、様々な趣向が凝らされていて、ただ怪談を語るよりも一手間かけたものになっていた。無論、演出の力を一切借りずに語るのも、聞いていて楽しい。しかしあれこれ工夫してくれるのも、聴く側としてはやはり楽しいのである。

 帰りに神田で飯を食って帰った。昔は神田の古本街に飯を食うところなんぞ全くなかったのであるが(しょっちゅう昼飯難民になっていた)、近頃は5メートルも歩けば飯屋がある。しかもなかなか美味い飯屋が多いのだ。
 イベントを二つハシゴして、美味い飯屋で飲み食いしながら好きな本を読んで、ブラブラ歩いて帰る。最高の休日である。たまにはこんな贅沢な日があっても良いだろう。まあ、その為には働かねばならぬのであるが。

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