地面で採食する冬鳥 ホオジロの仲間4種(2)
アオジ、クロジ、ミヤマホオジロ、カシラダカの4種は、冬鳥として、関西に飛来します。
アオジは、北海道や本州中部以北で繁殖し、冬に関西に現れます。
体長16cm。オスは、緑かかった黒っぽい頭、背・翼は褐色に黒色の縦縞。喉から胸・腹が黄色です。メスは、オスと比べると、全体的に褐色で、頭も褐色、喉から腹の黄色もオスと比べると鮮やかではなく、褐色の縦縞が目立ちます。
クロジは、本州中部以北に留鳥として生息。夏期は標高の高い場所で過ごし、冬季は低地に降りてきます。この一部が関西に現れるので、4種の中では、最も飛来数が少ない野鳥です。
全長約17cm。名前の通り黒っぽい色をしています。オスが灰色ぽい黒色。メスは、オスより黒みがなく灰色ぽい褐色をしています
ミヤマホオジロは、ロシア沿海州や中国東北部、朝鮮半島で繁殖し、冬に関西に現れます。
体長約16cm。頭部に冠羽があります。オスは頭頂と目の周りが黒色、目の上の眉斑と喉が黄色、胸は三角の黒色、腹は白っぽい色、背と翼は褐色に白っぽい縦縞が入ります。メスは、オスと比べると黒色部分が淡い褐色、黄色部分が薄い黄色をしています。
カシラダカは、カムチャッカ半島などユーラシア大陸の北部で繁殖し、冬に関西に現れます。カシラダカは、絶滅の危機が増大している種として、絶滅危惧種II類に指定されていますが、私が観察する場所ては、毎年、同じように現れていると感じています。
体長約15cm。頭部に冠羽があります。頭は薄い褐色、白い側頭線、背・翼は、茶色と褐色、胸・腹は白色、側腹部は赤みのある褐色です。オスの夏の姿は、頭が黒色のようですが、冬にしか観察でいないので、残念ながら見たことはありません。
カシラダカが、枯れ葉の地上に降りて、食事をしていると、枯れ葉の色と重なって、よく見ないとカシラダカの存在に気づかないこともあります。気づかずに近づき、一斉に飛び上がって、存在に気づくこともあます。
4種の関西での観察は、容易ではありません。
関西に冬に現れる野鳥は、来春の繁殖地での子育てに備えて、食事を確保して、穏便に過ごすことが目的なので、あまり姿を表してくれません。
ジョウビタキやルリビタキのように単独で縄張りを作って冬を過ごす野鳥は、定期的に縄張り内を巡回しているので、姿を見る可能性が高くなります。また、アトリやマヒワのように集団で食べ物を求めて、飛び回りる野鳥も同様です。
一方、4種は、草むらや薮などに隠れて、地上に落ちた種子などを食べているので、姿をあまり見せてくれません。たまに、登山道などに出てきて採食することもありますが、人の姿を確認すると、そそくさと草むらや薮に隠れたり、飛び上がって近くの木の上に逃げていくので、じっくり観察するのは難しくなります。
同じように地上や地上近くで、採食するオオマシコなどのマシコは、あまり鳴かず、静かに現れると前の記事で、記載しましたが、ホオジロ属の4種は、常に鳴いています。
アオジが「チッ」、クロジが「ジッ」、ミヤマホオジロ「チッチッ」、カシラダカが「ティッ」という鳴き声です。草むらの中から鳴き声が聞こえてきているので、その中にいることはわかっているのに姿を確認できない。なかなか、姿を見れない。見れずにがっかりすることが多い野鳥です。
また、出てきてくれて姿を確認できたとしても、地面を向いて、食べ物を探し続けているシーンが多いので、写真を撮影しても変わり映えしないのも事実です。
そんな4種ですが、春の渡り時期が近づいてくると、動きが変わってきます。特にアオジは、4月でも姿を確認することがあります。繁殖に備えて、囀っていたりします。
こんな感じで、アオジ、クロジ、ミヤマホオジロ、カシラダカを観察しています。