春は尾羽の長い サンコウチョウ
春の野鳥観察の楽しみに、尾羽の長いサンコウチョウを観察することがあります。サンコウチョウは、野鳥の中でも個性的な種です。
サンコウチョウは、夏鳥として、日本に現れます。私が住む関西では、5月ぐらいに南から渡ってきます。経由地の都市公園や繁殖地の森で観察しています。
サンコウチョウの特徴は、長い尾羽と水色のアイリングです。但し、この姿を見ることができるのは、春から繁殖までの間で、しかもオスだけです。
渡りを行う野鳥は、毎年、パートナーが変わるようです。そのため、オスは、渡ってきた後、まず自分が強くたくましいことをアピールして、メスに選んでもらうための努力をします。オオルリやキビタキのオスの外見が鮮やかな色なのは、このためと思いますが、サンコウチョウは色ではなく、尾羽の長さでアピールするようです。
秋に南に移動する時期には、尾羽は抜け落ちて、オスもメスも若鳥も皆んな同じような姿になります。
サンコウチョウを漢字で表記すると「三光鳥」です。囀りが、「ツキヒーホシ、ホイホイホイ」と聞こえるので、月・日・星の3つの光で、「三光鳥」ということのようです。
実際には、「ホイホイホイ」の部分がよく聞こえるので、「ツキヒーホシ」の部分は、あまり意識していないような感じです。
サンコウチョウは、オスもメスも同じような配色です。頭部・顔、尾は黒っぽい色で、背中は赤みのある褐色で、お腹は白っぽい色。アイリングと嘴は水色です。メスのほうが、アイリングと嘴は不明瞭で、背中と尾は赤みが強く、外見上の違いとして、メスの尾羽は短いです。
サンコウチョウは、冬を中国南部や東南アジアで過ごし、春になると日本に飛来。山地の林の中で繁殖して、秋に南に向けて旅立ちます。サンコウチョウの観察は、最終目的地の繁殖地に行くまでの都市公園で観察するか、繁殖地で観察するかのどちらかになります。
繁殖地として選ぶ場所は、高木の林が多く、サンコウチョウも高い位置を飛んでいるため観察や写真撮影は、厳しいところがあります。
一方、例年サンコウチョウが現れる都市公園には確実に来てくれますが、数時間から1日程度の滞在と思われ、公園に行ってみたら、既に飛び去った後ということも何度もあります。
秋にも、サンコウチョウを観察することができます。残念ながら秋には、長い尾羽は抜け落ちていて、水色のアイリングも目立たなくなっています。
裏山にもサンコウチョウは、飛来しています。裏山と同じ山系で繁殖していることもあり、現れてくれます。しかし、裏山で観察して10年以上経ちますが、春の渡り時期は、鳴き声を聞きますが、残念ながら姿は確認できていません。秋の渡り時期には、森の中で枝にとまって、ゆっくりしている姿を確認できます。
サンコウチョウは、高い木のY字に枝分かれした枝の合流部分に、よく、お椀型の巣を作ります。オスも抱卵するのですが、巣から顔とピンと伸びた尾羽が見える時があります。オスは抱卵しない種もいますが、サンコウチョウのオスは、頑張ってるなと思います。
こんな感じで、サンコウチョウを観察しています。