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絶滅危惧種のカモメ ズグロカモメ

 ユリカモメによく似たカモメにズグロカモメがいます。見た目の配色はほとんど同じで、一部が異なりますが、遠目から見ると同じように見えます。
 ズグロカモメもユリカモメと同様に、冬は全身白色で、夏になる頭が黒色になります。
 体長約32cm。冬は全身、白っぽい色です。頭〜胸・腹は白色、背中・翼は淡い灰色、嘴は黒色、脚は赤色、眼の後ろに黒い紋斑があります。

ズグロカモメ(2022/2/11)

 一方、夏は頭が黒色になります。ユリカモメがチョコレートのような黒い褐色であったのに対して、ズグロカモメは、真っ黒です。ズグロカモメを漢字で表すと「頭黒鴎」。頭が黒いカモメ。まさに、夏の姿から名付けられています。

頭が黒くなったズグロカモメ(2017/2/25)

 ズグロカモメとユリカモメは、かなり似ていますが、違いがわかれば、簡単に見分けられます。
 ユリカモメがズグロカモメより、一回り大きいので、2羽が並べば一目瞭然です。

左がズグロカモメ、右がユリカモメ(2023/11/26)

 外見上の違いは、嘴と尾羽です。
 嘴は、ユリカモメが赤色であるのに対して、ズグロカモメは黒色です。また、ズグロカモメの嘴は、ユリカモメと比べる半分ぐらいの長さです。

左、黒い嘴のズグロカモメ。右、赤い嘴のユリカモメ。

 尾羽は、ユリカモメが全体的に黒色であるのに対して、ズグロカモメは白色と黒色が交互に見えます。

左が白色と黒色が交互に見えるズグロカモメの尾羽、右が黒色のユリカモメの尾羽

 ズグロカモメは、生息地である干潟の減少により、個体数が減少し、絶滅危惧種に指定されています。
 ズグロカモメは、渤海や黄海で繁殖し、越冬のために、日本に飛来します。多くは、九州に現れ、関西に少し現れます。ユリカモメが片道3000km程度、飛行して日本に移動してくるのに対して、ズグロカモメは、1200km程度です。

 ズグロカモメは、干潟でカニやゴカイ、小魚などを食べます。よって、関西では海辺や河口の干潟などに現れます。また、潮が引いてできた砂地では、食べ物を探すズグロカモメと出会えます。

カニを捕まえたズグロカモメ(2016/2/14)
マテ貝を引きずりだそうと苦戦するズグロカモメ(2019/12/31)
水の中で食べ物を捕まえたズグロカモメ(2023/1/8)
砂浜で食べ物を捉えたズグロカモメ(2023/12/30)
砂浜でのんびり佇むズグロカモメ(2022/2/11)

 私が今まで観察した場所は、河口や海辺の干潮によってできた砂地です。2・3羽から10羽程度の小さな群れで行動しているようです。

 ズグロカモメの特徴として、低空飛行で獲物を探すします。観察していると目線の高さぐらいを飛んで行く姿を見ることができます。

飛びながら食べ物を探すズグロカモメ(2017/2/25)
カニを咥えて飛ぶズグロカモメ(2017/2/25)
飛びながら食べ物を探すズグロカモメ
(2019/2/16)
飛行するズグロカモメ(2017/2/25)
飛行するズグロカモメ(2017/2/25)

 ズグロカモメは、絶滅が危惧されているようですが、私が観察している越冬地では、毎年、現れています。

 こんな感じで、ズグロカモメを観察しています。

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