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一度は見てみたかった野鳥 ヤイロチョウ
ヤイロチョウは、いつか見てみたいと思っていた野鳥ですが、今年、観察することができました。場所は、私が毎年、訪問する森林公園です。
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この場所に、例年、ヤイロチョウが来ていることは、鳴き声で確認済み。山に登ると谷を挟んだ向かいの山から「ホヘーン、ホヘーン」の鳴き声が聞こえてきますが、姿の確認は、難しい状況でした。ヤイロチョウが多く生息する高知県の四万十川でも、簡単には見れないということなので、偶然、いつかで出会いたいと思っていました。
ところが、今年、ヤイロチョウは、森林公園内で営巣。無事、巣立ちしたので、ヤイロチョウについて書いてみたいと思います。
ヤイロチョウは、漢字で書くと、「八色鳥」。八色は、八つの色ではなく、多くの色という意味のようです。体長20cmぐらいで、緑色、青色、明青色、赤色、黒色、白色、黄色、黄白色、淡黄色、褐色、黄褐色、淡褐色、黒褐色、薄橙色の色があるようですが、双眼鏡で見ても、写真で撮影しても、判別はできませんが、多くの色をした野鳥です。
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今年の営巣の様子は、だいたい以下のような状況だったのではないかと思います。私は、営巣の約1ヵ月の期間で4回しか訪問していないので、他はネット上に掲載された情報から推測しています。
・6月下旬から巣を作りを開始。
・7月3日頃に産卵を開始。
・7月7日頃、本格的に抱卵開始。
・7月22日頃、孵化。
・8月3日巣立ち。
抱卵中に2度、孵化後に2度訪れました。抱卵中は、結局、姿は見れず。2時間程度毎に、お互いが鳴き合いして、抱卵を交代するシーンを確認。孵化後は、ミミズを咥えた姿を見ることができました。
初めて、ヤイロチョウを観察して、他の野鳥と比べて、変わった動きをするなという印象を持ちました。
一つは、今回、地上に巣を作ったということも関係しているかも知れませんが、地面に横たわる倒木にとまることが多かったということです。巣材集めをする時も、幼鳥に食べ物を運んでくる時も、倒木を経由して巣に移動することが多いと思いました。
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もう1点が、大量のミミズを咥えて幼鳥への食べ物を運ぶという行動です。1回の運搬で、すべての幼鳥に与えられるだけの食べ物を運んでいるのではないかと思います。
ブッポウソウやアカショウビンなどは、捕まえた昆虫や小動物を1つづつ運んで、1羽の幼鳥に与えることを繰り返しているので、幼鳥の成長にバラツキが発生していると思われます。よって、すべての幼鳥が巣立つのに数時間、数日かかることがあります。
一方、ヤイロチョウは、1回で幼鳥全員の食べ物を運び、均等に与えることで、すべての幼鳥を同じように成長させているのではないかと。こうすることで、全員が一斉に巣立ちでき、巣立ち時間を短縮。幼鳥が外敵から襲われるリスクを少なくしていると思われます。
ヤイロチョウが食べ物を集めているシーンも観察。時間をかけて、ミミズなどを探しています。
全員分となると多くの量になります。ミミズを探して出すと、地面に打ち付けて弱らせ、弱らせたミミズは、近くに仮置きして、他のミミズを探しています。すべて集め終わると、仮置きしたミミズをすべて咥えて巣に向かって飛んでいきます。
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ヤイロチョウが倒木によくとまる理由もなんとなくわかります。倒木周辺には、落ち葉が集まり、ミミズなどが集まっている可能性がらあります。倒木にとまって、ミミズなどがいるか確認しているのではないかと思いました。
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さすがにヤイロチョウは、簡単に見ることができない野鳥なので、多数の人が訪れていました。1日に数百人ぐらいいます。こんなにたくさんの人がヤイロチョウの巣の近くに現れたら巣を放棄するのではないかと危惧していましたが、無事巣立ちしました。
多くの人にカメラを向けられているヤイロチョウを見ているとある仮説が頭の中に浮かみました。もしかしたら、ヤイロチョウは、自ら選択して人が多く集まることを前提に、営巣場所に選んだのではないかということです。
営巣の開始が、6月下旬なので、多分、2度目の営巣と思われます。1回目の営巣が失敗したのは、イタチやタヌキなどの小動物に襲われたのではないかと考えられます。そこで、ヤイロチョウは、「2回目は失敗できない。どうすれば、イタチやタヌキから巣を守れるか?」そこで、考えた結果が、人の近くで営巣するという答えだったのではないかと。
そう思ったのは、ヤイロチョウは、4月には、この地に来ていたと考えます。そして、周辺がどんな状況であったかも知っているはずです。6月には、営巣場所の近くで、サンコウチョウが営巣し、無事、巣立ちしています。その頃には、人が多数訪れています。その姿を見ているので、人が現れることはわかるはずです。
もう一つは、ヤイロチョウが営巣した場所が、絶妙で人は周辺をウロウロするけど、巣の場所に近づけない場所を選んでいます。林の中で、安全に営巣でき、人がいるので、イタチやタヌキが近づかない場所を考えて選んだのではないかと。そう考えると、比較的悠然とした姿を見せていたことも頷けます。
ヤイロチョウは、生息地の減少により、個体数が減り、絶滅危惧種に指定されています。営巣できる場所が少なくなってきているということですが、ヤイロチョウ自身が、絶滅の道に進むのではなく、異なる環境において、繁殖できるように変化しているのではないかと。人間も環境に合わせて、変化してきたように、鳥類も人を利用して確実に繁殖するというように変化しているのではないかと思いました。
この仮説が正しいかどうかは、わかりませんが、今年、営巣に成功したので、来年も来てくれることを願っています。