見出し画像

秋のヒタキ3兄弟の末っ子 コサメビタキ

 秋にアカメガシワの実を食べに来るよく似たヒタキ科の野鳥が、エゾビタキ、サメビタキ、コサメビタキです。「ヒタキ3兄弟」と呼ばれることがあり、その末っ子という感じなのが、コサメビタキです。

コサメビタキ(2022/10/8)

 コサメビタキは、インドネシア、フィリピンなどで越冬し、春に日本に帰ってきます。関西で繁殖します。エゾビタキとサメビタキが関西から見ると旅鳥であるのに対して、コサメビタキは夏鳥になります。

 コサメビタキを漢字で表すと「小鮫鶲」。サメビタキより小さいので、小さなサメビタキということです。実際、サメビタキが体長約13.5cm、コサメビタキは体長約13cmで、一回り小さいです。エゾビタキが体長約15cmなので、3兄弟の末っ子がぴったり当てはまります。

 コサメビタキの頭・背・尾・は灰色で、翼は、黒褐色。喉から胸・腹は白っぽい色です。エゾビタキやサメビタキのような縦縞はありません。

コサメビタキの即目(2018/9/17)
コサメビタキの背面(2017/9/9)
正面からのコサメビタキ。縦縞はありません(2018/9/18)
背中からのコサメビタキ(2018/9/17)

 灰色と白色の地味な感じの野鳥ですが、愛くるしい姿を見せてくれる野鳥です。

 春になると帰ってきて、山や平地の林の中で、生息しています。木の水平の枝に、お椀型の巣を作って、繁殖します。

春に帰ってきたコサメビタキ(2023/5/1)
雛鳥の世話をするコサメビタキ(2017/5/21)
抱卵中のコサメビタキ(2017/6/17)

 裏山で、コサメビタキの幼鳥と出会うことがあるので、繁殖していると思われます。子育てが、終了した8月に裏山の見晴らしがいいところの木の枝先に止まって、虫を捕まえようとしている姿を見ることがあります。

裏山に帰って来たコサメビタキ(2019/4/20)
裏山の開けた場所でフライングキャッチをするコサメビタキ(2020/8/2)
裏山の開けた場所でフライングキャッチをするコサメビタキ(2021/8/15)

 秋になると、アカメガシワの木に実を食べに現れます。近くにいるので、実が食べ頃になると、真っ先に現れるのは、コサメビタキです。

アカメガシワの実を食べにきたコサメビタキ(2021/9/18)
アカメガシワの実を食べにきたコサメビタキ(2021/9/5)
アカメガシワの実を食べにきたコサメビタキ(2021/9/4)
アカメガシワの実を食べにきたコサメビタキ(2021/9/23)
アカメガシワの実を食べにきたコサメビタキ(2018/9/18)
アカメガシワの実を食べるコサメビタキ(2018/9/18)

 コサメビタキは、裏山の常連さん。アカメガシワの木に現れて木の実を食べたり、公園の木にとまって、フライングキャッチで虫を捕まえたりしています。
 実を食べに来たコサメビタキは、何回も食べに現れます。実がなくなると、違う木に移動して食べていますが、そのうち、10月中旬ぐらいには、いなくなって南に移動します。

公園に移動してきたコサメビタキ(2022/9/25)

 いなくなった後、しばらくすると冬鳥が現れるので、コサメビタキは貴重な季節の変化を教えてくれる野鳥です。

 コサメビタキは、こんな感じで、観察しています。

いいなと思ったら応援しよう!